Tea Road
Made in English Tea


【1】






〜 英国産の紅茶畑 Cornwall Truro Tregothnan 〜








馴染み深い英国の南西部の州
コーンウォール地方の州都でもあるこの街Truro(トゥルロー)は
まだまだ日本でも紹介されているガイドブックも少なく・・・
というよりはこの街の紹介記事には
ほとんどお目にかかったことはない街なので
きっと皆様にはあまり馴染みのない街だと思います

しかし、以前この国のお隣の州デヴォン州での英語学校に通うため
シドマスに滞在していた時には
学校の先生やホームスティ先のジェニーからも
『お洒落な街よー』とか『いいガーデンがある街なのよねー』などど
よく耳にしていました

ですから、離れがたかった、そのシドマスから旅をスタートさせて、
最西端のシリー諸島から徐々に北上してきた時には言うまでもなく
この街への滞在を決めていました

しかし、バスを降りてから宿を探す・・・・という私のその頃の旅のスタイルでは
初めて自分が落ちつける宿が見つけられなかった・・・
重いリュックをかつぎ、
街中の上り坂を行ったり来たりしながらも
1件のB&Bも見つけられなかった・・
そんな“痛恨の街”としても思い出深く
再び訪れるまでに何年も経てしまいました

その後リベンジという言うべき想いで
この南西部の人たちが好むトゥルローを見ることができ、
確かに彼等が薦めてくれた美しい街であることを
自分でも確かめることができました

そして・・昨年の11月に英国政府観光庁主催のワークショップで
コーンウォール州観光局の方が私にくれた、
たったひとつのティーバックの紅茶と
手の平の中に納まるくらいの小さな折りたたみのブローシャーが
再びこの年の最初の私の旅での大きな目的の一つになりました



Tregothnanのブローシャーとティーパック
昨年の11月にコーンウォール州観光局の方が下さった
1つのティーパックとブローシャー



コーンウォール州都Truroへ3度目の・・・
そして、今回は今まで初めて耳にした

『英国産のお茶畑・Made in Teaへの旅』


英国歴史上始まって以来
初めて英国で作っている紅茶園を訪ねる旅になりました


どうしても、この目で英国で作られているお茶園を見たかったのです
これこそが
『English Tea』

今まで英国に長年住んでいる諸先輩方も聞いたことがない・・という
本物の“お茶”です


そこへ行ってみよう!と
ロンドン在住20年の先輩と共に!
いざ!コーンウォールへ!









もともとご承知のように英国とTeaは切っても切れない
すでに『紅茶=英国』という図式が出来上がっている、
と言っても過言ではないくらい
この国では“紅茶”は欠かせません

そのかの英国の紅茶は高級食材店の「フォートナム&メイスン」でも
「ハロッズ」のフードコーナーでも
紅茶専門の「ブルックボンド」でも「リプトン」でも
1610年まで遡り、
その当時オランダの『東インド会社』が持ち帰った中国茶から始まり
インド、セイロンのアジアの国でお茶を生産し、ブレンドされています

ところが・・・昨年コーンウォール観光局の方にいただいた
その紅茶は何度聞き返しても
英国で生産されている、というのです

私は耳を本当に疑いました

専門家でもないし、
紅茶についての知識もまったく持たない私だけが
それを知らないのだろうか・・?

英国の地でのお茶畑は存在するのだろうか・・・??

いただいたブローシャーからの名前から
出発する前の予習をすることもできましたが
例によって
出かけるときは、あれも!ここも!あんなことも!
そして、不在中のことやロンドンに着いたらこれもしなきゃーと
バタバタで出発してしまい
ほとんど解らないまま「じゃ、行ってみよーかねー」で
すでに機上の人となった途端
足りない睡眠時間の補充に努めてしまったのでした・・・



トゥルロー位置の地図 トゥルロー周辺地図

トゥルロー   トレゴスナン

Truroへの行き方

鉄道 :  ロンドン・パディントン駅から直通で約4時間半
夜行列車も利用できます
その場合は直通で約7時間半

昼間の列車は直行で約4時間半
バス : ロンドン・ヴィクトリアコーチステーションから約6時間
出発時間によっては5時間50分から約7時間
1日5本運行 内1本は夜行バスになります


この街はイングランドの最西端の州・コーンウォール州の州都

トゥルローは3つの斜塔を持つカセドラルを中心にマーケット広場があり
常に賑わうこの州の商業などの中心にもなっています

街は1800年代のジョージアン様式の家並が続く
こじんまりとしていながらも
起伏のある町並みが続いています


坂のあるジョージアン様式の家並み
見事のジョージアン様式の家並みが続く



街の中心地でにぎやかなのがこの大聖堂がある
マーケット広場
街のどこから見てもこの斜塔を望むことができます


トゥルロー大聖堂
マーケット広場近くの大聖堂

そして、大聖堂の中はひんやりとして
とても静か

この大聖堂はそれまでエクセター主教区に含まれていた
コーンウォールでしたが、
1876年にトゥルロー主教区として制定されたカセドラルになります

1880年にプリンス・オブ・ウェールズ、
後の国王エドワード7世が礎石を築きました

建築家は当時人気にあったジョン・ラフボロー・ピアソンという人で
19910年にゴシック建築様式として完成しました



街の郊外にあるTrewithenとTrelissckガーデンは
見所のある東洋の植物もコレクションされ
市民の憩いの場所にもなっています



鉄道高架下から
鉄道駅へ続く高架下から回って入ります

公園1 公園2
学校の先生が良いよ〜と言っていたガーデン
夕暮れに訪れたこの大きな公園は陽が沈む様子が遥か街並と
とてもマッチしていて
和みの場所であることが良く解りました









【Tregothnanへ】


小さなこのお茶園と思われる案内のブローシャーは幾重にも折りたたまれて
蛇腹のように広げられます

そこにはこの初の英国産のお茶について
詳しくびっしりとその歴史が綴られていました



トレゴスナンのブローシャー


    トレゴスナン ブローシャー    トレゴスナンストーリー


この『English Estate Tea』と名付けられたお茶は
ここ
『Tregothnan』という
Truro最大のプライベートガーデンの中にひっそりとありました


先ずはこの『Tregothnan』についてのご紹介から始めましょう

“Tregothnan”という意味はコーンウォールの言葉で
「丘の上の領主の家」という意味になるそうです
そこは1335年から続くロード・ボスコーウェン・ファミリーの居住領地の名前です
現在も彼等はこの地に住み
英国の中でも特に庭園に関しては新しい取り組みに常に挑戦し
そのガーデニング史に関しても多大な貢献をしています

この広大な領地には野生の鹿や雉が数多く住み
その自然を損なうことなく
歴代の領主達はこの国の庭園に関しての活躍は今に続いているのです


今回たまたま最初にコンタクトを取った
ジョナサン・ジョーンズ氏に関しても
恥ずかしながら私自身予習をしていかなかった罰は
こうした歴史を少しでもひも解いていれば
もっともっと彼に様々な質問を考えてきたことでしょう

・・・しかし、常に私の旅は行く前も帰国後も
ある意味濃密な長い旅になるのかもしれません・・・
(実は大きな反省点でもあるのです・・・)







さて、夜行に揺られ
この街の中心地で早朝開いていたカフェでのたっぷりとした朝食を済ませ
タクシーを捜しました

これまた苦労しました・・・何せ街中のタクシーは少なすぎます
やっとのことで地元の買い物帰りの主婦と争うようにして
(ごめんなさい・・・予約時間が刻々と迫っていたのです・・)
1台のタクシーを確保して乗り込みました

Truroの街の中心地からタクシーで約20分
街の郊外へ出ると丘を幾重にも登り、下がり
その間にもタクシーの運転手のあんちゃんは
私達如何にも東洋からやってきました、という何者でもない風貌で
“おらが街のご領主様”のお館に何しに行くだ、とばかりに
織り成す丘々はこのご領主様の土地だべーと
私にとっては懐かしいのんびりとしたイントネーションの英語で
案内してくれたことに正直驚きました


タクシーのあんちゃんはその説明をとうとうとしてくれたところによると
このご領主様の土地は現在のイングランドの中では
チャールズ皇太子の次ぎに土地持ち
この丘もあの丘もぜーーんぶ所有していらっしゃるだー、と・・・

本当だべさー・・・・?

英国特有の狭く曲がりくねった細い生垣に囲まれた上り坂を
ぐんぐん運転してくれるアンちゃんがやっとタクシーを止めたのは
本当にひっそりとした、
それでいて何やらナショナル・トラストへの古い館の入り口のよう・・

しかし、門を過ぎると敷地の中には入ったようだが
私達が今回の訪問に対して予め約束をした事務所が見つからない

タクシーの運ちゃんは工房のような大きな納屋へ車を突進させて
そこで何やら大きな家具を作っているらしい職人さんに早口の英語で
その事務所の場所を尋ねていました

そのくらい門を入ってからの敷地の広さが
ナショナル・トラスト・・・で今まで見学してきた館のよう・・・
あながち、あんちゃんの言う“チャールズさんの次ぎの土地持ち”は本当なのかも・・・と、
ちょっと私が想像していた「お茶畑」とは大分違う・・・






今回私はこちらを訪ねるに当たって
出発の一ヶ月前にブローシャーの裏表紙に明記されていたアドレスへ
今日の訪問を先方に問い合わせていました

そして、その受け答えをしてくれたのが
この広大なトレゴスナンのチーフ・ガーデナーのジョナサン・ジョーンズ氏でした

ここを訪ねたい、と問い合わせた私への彼の最初の返答は
“2月14日に丁度僕はUSAから戻ってくる日なので15日なら大丈夫だから
その日だったら、どうぞいらっしゃい” と・・・

それから旅のスケジュールを建て直し、
その14日の前夜ロンドンはパディントン駅23:50発の夜行寝台車で
ここコーンウォールはトゥルローまではるばるやってきたのだったのでした


どんな場所だろう・・・どんなお茶園なんだろう・・・
簡潔で好意的なすっきりとしたジョーンズ氏の返答を信じ
夜行列車に揺られながらの行軍に
早朝の久しぶりのTruroの街のシンボルでもある斜塔を持つカセドラルを見上げながら
この『Tregothnan』はまったく想像できなかった・・


ロンドンの友人がここへ来る前にフォートナム&メイスンで
初めて目にしたこのお茶は
ひっそりと片隅にありながら
£30.00もする・・と目を疑ったそうだ・・・
(この金額は一缶約6,300円!!)

何故ならこの額のお茶はここでもそう数はなく
ロンドンの主要な場所でのアフタヌーン・ティーを経験している彼女も正直驚いた、とのこと

一体どんな秘密の花園なのか・・・?






Toregothnan Estate Office

Tregothnan
への行き方


住所  :  Truro,Cornwall TR2 4AN
++41-0800-970-1674


見学料 一人 £35.00 約2時間 *必ず予約は必要
希望される方は下記のサイトからお申し込みをお願いいたします
  Visit Tregothnan - arrange a visit -


*  Truro駅からタクシーで約20分〜25分  料金は片道約£20.00前後
    街中でのタクシーはとても捕まりにくいのでなるたけ駅からの乗車をお薦めします










タクシーのあんちゃんが降ろしてくれた事務所への入り口で
面会の旨を伝えると
早速ロンドンの友人が電話で確認した相手のデボラが出迎えてくれ
2階建てのこじんまりとした如何にも英国風の事務所へと案内される・・・


tregothnanでの事業
事務所内通路に置かれたToregothnanの事業案内
お茶の他には天然素材のボディオイルなどや
手作り家具の注文ブローシャー


そして、先ずは『お茶よね?ジョナサンを呼んでくるわね』



その会議室の窓辺には
私が東京で手にしたお茶の葉の缶が置かれていました
そして、黒板とこの広大な敷地を持つTragothnanの地図


どうやら私は本当に気楽にここまで来ちゃったな〜と
ちょっぴり背中に汗が流れたのでした・・・


窓からの風景Tregothnan事務所から


私達はこちらのヘッド・ガーディナーのジョナサン・ジョーンズ氏を
通された会議室でお茶をいただきながら
この窓から外の風景を眺めながら
氏が来るのを待ったのでした・・・














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