Cinema in my home

   


不要な外出を避けての生活は
ある意味初めての「プチ・ひきこもり」




ゆったりできる家の中

しかし、正直嫌いではない・・私・・・

何故ならば、こんなに白昼どうどうと映画が観ることができるから
(キーワーカーの皆様、誠に申し訳ありません・・)


映画館の大きなスクリーンで観ることに
「映画」の面白さがあるのは重々承知していても
わずか14インチのPCで観ていても
充分その映像、物語を楽しむことが出来れば
それは自分にとっては正しく「映画」なのだ


家の中どこでもこの大きさは持ち運びが出来る
ちびPC



今回ご紹介したい映画は
外での作業が楽になってきた昨今
そろそろ庭仕事がしたくなる、
そんな季節にはもってこい!の庭映画

「マイ ビューティフル ガーデン」




日頃は見向きもしない庭の木などに手を加えたくなる日々に
こんなタイトルの映画を選んでみました


こちらは日本の庭師さん


主人公はとても目を惹く女優さんでもあり、
周りを取り巻く俳優さん達も
イギリス映画、ドラマでもお馴染みの顔ぶれ

イギリスのTV映画やドラマではお馴染みの、
比較的好きなイギリスの女優さんでもある
Anna・Theodora Chancellor (アンナ・チャンセラー)が
主人公の上司ぶりで登場

やはり、この人ならでは、の余韻を残してくれています


アンナ・チャンセラー
ダウントン・アビーやクリスティードラマなどでも出演
元々スコットランド貴族でもある家柄の出という女優さん

それは「言葉」で語るのではなく、
仕草で演じるベテランさんならでは、の終わり方


出演者の数は少ないけれど
その一人一人の個性に大きな意味のある、
主人公のみならず、
脇を固める役者さん達の演技にも見所があるような・・
そんな作品をご紹介いたします






 マイ ビューティフル ガーデン 
This Beautiful Fantastic

2016年製作 92分 イギリス


マイ ビューティフル ガーデン
2017年4月日本公開


ストーリーはざっとですが・・・

主人公のべラの生い立ちから始まる、
まるで御伽話のようなゆったりとした始まりです

それ故
何にでも秩序を求める、几帳面な性格に育っていき、
無秩序に伸びる植物が大の苦手

そんな彼女が住むのは
“庭付き”借家




その庭は手入れもせず、半ばジャングル状態にあります

荒れ放題の庭を見た家主から
「1ヶ月以内に庭を元通りに出来なければ、出て行ってもらう」
との宣告を受けてしまいます

隣接するお隣は庭と美味しい食事をこよなく愛する、
ちょっと偏屈なおじいさん、アルフィー

そのアルフィー宅からひょんな事からべラの家に移ってきた
お料理人兼ハウスキーパーのヴァーノン、

勤務する図書館で知り合った機械(ロボット)建築などと
幅広い発明家のビリー

そして、勤務先の図書館の上司ミス・ブランブル

今まで自分の殻の中だけで生きてきたベラは
そんな周りの人々との交流から徐々に成長していく様を
庭作りを通して描いていきます

原題は「This Beautiful Fantastic」

鬱蒼とした荒れた庭から
美しいイングリッシュガーデンまで・・

原題とおりの展開は最後の最後に意味持つ結果となります





主人公のベラを演じるのは
ダウントン・アビーの3姉妹、
気立ての優しい3女シビル役だった
ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ

主役のジェシカ・フィンドレイ
Jessica Rose Brown Findlay(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)
ダウントン・アビーより



現在はすでに31歳となる彼女は
15歳の時には
ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスでのキーロフ・バレエ夏期公演に
招待されて出演したバレリーナだったそうです




それから足関節の3度目の手術で、
バレエの道を閉ざされてしまいます

その後美術から演劇の道を進むこととなります

短編映画からスタートしましたが、
やはり2011年から出演した「ダウントン・アビー」で一気にブレイク

逆にそのイメージが強くなる、という理由で
シビル役を3シーズンで降板します

それからの彼女はTV映画、劇場映画、舞台は2015年に初めて立ち、
2017年から3年間を通し、
「Harlots」(ハーロッツ)という18世紀ロンドンの売春宿が舞台、という
TVドラマで活躍していきます

ハーロッツ

「Harlots」 ITVより

このTVドラマは本国のみならず、
アメリカでも衝撃的なものとなり、シーズン1から3までを
両国での放映となりました


日本での公開はないため、
どうしてもあの!「シビル」役が定着してしまう、
ジェシカ・ブラウン・フィンドレイは
この「ベラ」役もまたシビルとは違う
透明感のある女性を演じています


マイ・ビューティフル・ガーデンのジェシカ・フィンドレイ
「マイ・ビューティフル・ガーデン」のジェシカ・ブラウン・フィンドレイ



そんな“べラ”を支える一人が
料理人兼ハウスキーパーのヴァーノン

ヴァーノンを演じるのは
アイルランド人の役者で日本では人気のシリーズ
ベネディクト・ティモシー・カールトン・カンバーバッチが扮する
「シャーロック・ホームズ」の対戦相手
ジム・モリアーティー役を演じた
アンドリュー・スコット


アンドリュー・スコット
Andrew Scott(アンドリュー・スコット)


個性的な、今まで幾多の名俳優が演じてきた
シャーロック・ホームズの敵役とは違う
彼ならではのモリアーティー役は記憶に新しい

今回初めて彼の経歴を調べてみて、
先ずは「アイリッシュ」であることを初めて知りました

17歳から映画デビューを始めてとして
19歳ではスピルバーグの「プライベートライアン」にも
名前のない端役“浜辺の兵士”で出演していたという・・・
(戦争映画は「ディア・ハンター」以来観ていないのですが・・)
何となく、その“浜辺の兵士”を見つけたくなってしまうほど



追記:このプライベート・ライアンのWikipediaには
役名の最後に記されていた役者がこのAndrew Scottでした



ダブリンのトリニティ・カレッジで演劇を学ぶ機会を得たにも関わらず、
その6ヵ月後には
アイルランド国立劇場(アベイ座)に出演が決まった折
大学を中退してしまった、というエピソードも・・

その後のTV映画、ドラマ、劇場映画など
様々な演劇界で活躍する
現在(2020年4月)まだ43歳のスコットに
今後出会える作品が楽しみになりました

くせある“モリアーティー”
ちょっとくせのある役をやらせたら、超はまり役?


準主役ともいうべき人は
重鎮イギリスを代表する大御所
トム・ウィルキンソン


トム・ウィルキンソン
TOM・Wilkinson


ケント大学で演劇を学び、ロンドンの王立演劇学校を経て
俳優の王道をひた走ってきた
ナイトの称号を与えられる大英帝国勲章を受章している
正に大御所の役者さん

彼の役柄「最初は慇懃な偏屈イギリス的じいさん」は
観ていてある意味面白い

自我がはっきりとしていて、
ある人にとっては不快とも思える行動が多々あるけれど、
何故か憎めない・・


頑固爺だけど筋が通っている場合もある


そんな役をやっていただいたら、
多分1番の適役、はまり役かも・・・

何故ならば、
ナショナル・シアター、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーにも所属する
王道の役者さんの役どころは
若い主人公の物語には欠かせない

常に主役級ではないけれど、
こういう役者さんが居てくれるこそ、
作品に重み、足元が落ち着く、という感じになるのではないか・・・
そんな役どころを演じたら最高!な
トム・ウィルキンソン

初めて意識したのは
1998年の「フルモンティ」にも主役の次ぎ
如何にもイギリスには沢山いる普通のサラリーマン役で出演時

その際にはこの役で英国アカデミー助演男優賞を受賞

フルモンティのトム・ウィルキンソン
「フルモンティ」ジェラルド役のトム・ウィリキンソン
真面目な役の彼の庭には
イギリス人の庭ならでは、のものが大量にありました!



そんな彼は今回の作品の最後の最後に
その存在感をさらに増す・・
正しくはまり役

ベラとアルフィー
ベラとダンスするアルフィー


彼が自身の庭をベラに見せながらの台詞

“ 美しい秩序を保った混沌の世界 ”

“ 乱雑ではなく、混沌 ”

“ その差を知らないと私達は遠くへ進めない ”

「イングリッシュ・ガーデン」の世界は
その台詞通りだと思いました

一見乱雑に見えて、
その実計算されたその“乱雑”は
より“自然”に見える美しさ、を
イギリス人は庭に作り出す、と・・・
決して“混沌”ではない、と・・






おりしも毎年5月中旬には
毎年ロンドンではチェルシー・フラワー・ショーが開催され、
その時期あたりから
個人宅のご自慢の庭の公開が始まります
(オープン・ガーデン)

残念ながら今年2020年は主なフラワー・ショーの開催が中止になり、
おそらく約100年前から続く
このオープン・ガーデンも今年は再開されないものと思われます

ロンドンの庭、イングリッシュ・ガーデンを思い浮かべながら
この作品を楽しみ、見終わった後
また、何時かロンドンへ行くんだ、という力もわいてきました






このページでのご意見、ご感想をお待ちしております
少しでも楽しんでいただければ嬉しいです







 


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