やさしい個人旅行講座




【2009年ロンドンの地下鉄事情】


地下鉄改札口
ロンドンの地下鉄改札口

私達個人旅行者が英国を旅するに於いて
かなり高い確率でロンドンを素通りすることがないと思います





日本からの航空機直行路線便も
アジアの様々な国を経由して英国に到着する際も
ほぼ例外なくロンドンのいずれかの空港に降り立つことになります

BA CX AZ

その時はロンドンの空港近くのホテルに滞在して
次ぎの国を目指す旅だったり、
イングランド以外の国が目的で滞在はスコットランドだったり、ウェールズ、
はたまたお隣のアイルランドだったりしたら
旅の前後数日は「ロンドン」に滞在し、
観光しない、ということも多いことと思います

しかし、上記のように「かなり高い確率」でロンドン滞在する方が
またまたその移動に「かなり高い確率」で公共交通機関を利用する方法として
頼りにするのが『地下鉄=Tube』ではないでしょうか・・・?


ロンドンの地下鉄
ノーザン線のトンネルから Wikipediaより
 “チューブ”のような形の地下鉄路線の断面
その断面に合わせた形の電車の車体から付いた渾名が“Tube”



地下鉄路線地図は観光客のみならず
ロンドンに住まう人々も常に持ち歩く小型版の優れもの

おそらくは地下鉄に乗る乗客が持ち歩いている確率はかなり高いかと思います

2009年9月版地下鉄マップ
ロンドンの地下鉄マップ 
最新式を確認してご持参ください 駅によってはその前の版を出している場所もあります
2009年9月版(2009年10月現の最新版)



また、様々な割安チケットや日本のSuicaにも似た(形態だけで用途は違う)
最も利用者にとっては嬉しい
お財布に優しいOyster Card(オイスターカード)や各種トラベルカードなど
日本に比べると割高な交通機関を
何とか少しでも安く利用してもらおうとの姿勢に
我が国の公共交通機関発行キャラクター付きカードとの大きな違いに
ここでも在る意味“納得”させられること然り・・・

オイスターカード
どちらもロンドンで購入したオイスターカード
時間や曜日によって50%も割安料金になる
日本のSuicaも利用したら割引になれば良いのに・・・と思います


そのような努力の元自然に利用者が多くなるロンドンの足“地下鉄”
この週末毎に行われる工事について
我々利用者は
上手に対処していくことが現在必要になっています

来る2012年のロンドンオリンピック目指してのこの長期の工事は
少しづつ行われていくようです






私達旅行者にとっては平日も週末も同じように活動するために
週末は交通機関を使わない・・ということも可能かもしれませんが・・・
利用せずしての観光にはやはり無理があります

そのため週末、土・日においては予め何時もよりも
移動に掛かる時間を大目に取っておくことが必要になるでしょう


先ずは最寄スタート駅の改札口には
必ず本日各路線の運行状態の案内板が出ます


地下鉄案内板
どんな駅にも必ずあるその日の各路線の運行状況案内

全路線がストップすることはほぼないので、
1部路線のこの駅〜この駅までが終日止まります、とか・・
もちろん!まったく平常通り運行される場合は
『Good Service』

止まっている路線を避けて通るか、
(この“Good Service”の路線を探して利用する)
止まってしまう区間はその間バスサービスを行っていますので、
その無料バスを利用されるか・・・・の
選択肢が与えられます


もし、そのバスサービスを利用する場合は必ずこのような案内が出ています

移動方法の案内板
運休している路線をバスサービスでつなぐ案内


その場合先ずは止まる最終駅まで地下鉄に乗り進みます
そして、止まる場所の駅から地上に出ると
下記のようにバス乗り場の案内が出ています


無料バス乗り場案内
地上の無料バス乗り場への案内

その案内の通りに進む間にも地下鉄スタッフさん達の誘導もありますし、
人の流れに沿って行くと
バス乗り場までは困難な道のりではありません

しかし!ここで注意は乗り込むバスはその路線に乗車していたら・・・という
想定の元に各方面行きのバスが用意されています
その地下鉄に乗って行く目的地はそれぞれ違うので
バスの向かう方向は1つではありません

必ずご自身の目的地をスタッフさんへ確認してバスに乗り込んでください


無料バス
止まってしまっている地下鉄路線部分を運行する2階立てバス

そして、もう一つ乗り込んだバスは決してすぐには発車しません
ある程度の乗客が乗り込んだことを確認してから発車します


短い路線のみのバス利用でしたら、遠回りせずにご利用いただくことが
時間短縮に繋がると思いますが、
長い路線でのバス利用は余りお勧めできません

何故ならば、ロンドン市内、特にゾーン1,2内では
場所によっては慢性渋滞がかなり問題になっていますでの
かかるお時間も2倍、場合によっては3倍くらいのお時間がかかること、
そのくらいの余裕を持って出発したり・・・
“のんびり行くわ〜”の気持ちが必要です



ロンドン中心部の渋滞は想像以上・・



今回私自身が前回の旅で失敗したことを一つご紹介いたします・・




日曜日に夜遅くお宿へ帰宅するまでの帰路に
途中路線上止まっている箇所がある路線でのこと・・・

その止まっている部分を避けて迂回する経路に
一つでも駅の数が少ない帰り方(路線)を選んだのですが
その分乗り換え箇所が3つくらいになってしまいました・・・

乗り換えがあっても駅の数が少ないし・・とついつい思っていたのですが、
乗り換え毎に10分前後の待ち時間があり、
その都度地下鉄駅構内でその電車を待つ時間が増えていき
結局は乗り換えが少ない方が駅数が多くても早く帰宅できたことに後から気づき
・・・何時にも増して帰宅するお宿が遠くに、遠くに感じたこと
・・・

ロンドンの地下鉄構内
遅い時間だとホームもこんなにひとまばら・・気持ち的に寂しいです

人まばらなホームで運行状態を伝えるテロップに
「10分」とか「12分」と案内される度に溜息をついたものでした・・

結局1時間で帰宅できたはずの計算が1時間40分以上
(心配したお宿のホストが起きて待っていてくれました)

週末遅い時間での車内は空いていましたが
周りの若い乗客達の雰囲気が
何故か昼間は見かけないような怖い空気を感じました


結局は何事もなく帰宅できましたが、
やはりこんな時の女性一人での帰宅は最も注意すべきこと

久しぶりに怖い思いをしました・・・





休日はめっきり本数も少なくなります(特に夜は)
なるたけ一旦乗車した電車で出来るところまで進み、
お乗換え回数を少なくした方が
“急がば回れ”の如く疲れず目的地に辿り着くように思います

特に女性一人の週末遅い帰宅での車内は注意してくださいね


そして、きびきび早足で進みましょうー



そして、ここ数年で駅のホームも徐々にリノベーションされつつあります
以前は見られなかったホームと電車の間の事故防止のための
ホームドアがつけれた駅も見受けられます


新しい地下鉄乗り場
最近新しく設置されたホームの乗り場ドア
ウエストミンスター駅ホーム


上記はロンドン中心のウェストミンスター駅
乗り換え通路もちょっと近未来的なコンクリートの打ちっぱなしのデザインに
壁や通路もメタリックで揃えています

しかし、元々の電車自体の大きさは変わらないので
コロンとしたチューブ型の車体がホームに入ってくると・・ほっとしますが・・



ロンドンの地下鉄は世界の公共交通機関としては最も古く
その路線はメトロポリタン線
1863年1月10日に運行されました


レンナーズレーン駅のメトロポリタン線とピカデリー線
レイナーズレーン駅の2本の路線 Wikipediaより
左がメトロポリタン線 右がピカデリー線

同じ駅に入る車体の大きさの違い


現在は車体が徐々に新しいものに変わっているので、
社内の様子もかなり新しくなっています


現在の地下鉄車内 車内の案内テロップ
左はジュビリー線の車内 右は車内の行き先や停車駅、路線名などの案内テロップ


20数年前の地下鉄は駅名も路線案内アナウンスも何も無く
旅行者や地下鉄に慣れていない乗客はかなり心細い気持ちで乗車していましたが、
車体が新しくなるにつれ
駅の様々な案内もアナウンスされるようになり、
尚且つ上記にように綺麗な車内、テロップによる車内案内も数多くなり
私達旅行者にも以前に比べるとダントツに利用しやすくなりました



現在(2009年現)は下記のように地下鉄マップ、駅の案内板は色別され、
区間も少しづつ増えています


路線名 開業年 区間 Km 駅数
  ベーカールー線
Bakerloo Line
1906 ハローウ&ウィルドストーン - エレファント&キャッスル 23 25
  セントラル線
Central Line
1900 ウェスト・ライスリップ - エピング 74 49
  サークル線
Circle Line
1884 サウス・ケンジントン - ベーカーストリート- モニュメント
-サウス・ケンジントン
22 27
  ディストリクト線
District Line
1868 リッチモンド - アップミンスター 64 60
  ハマースミス&シティー線
Hammersmith & City Line
1863 ハマースミス - バーキング 26 28
  ジュビリー線
Jubilee Line
1979 スタンモア - ストラトフォード 36 27
  メトロポリタン線
Metropolitan Line
1863 アマーシャム - アルドゲイト 67 34
  ノーザン線
orthern Line
1890 ハイ・バーネット - モーデン 58 50
  ピカデリー線
Piccadilly Line
1906 ヒースロー・ターミナル1,2,3 - コックフォスターズ 71 52
  ヴィクトリア線
Victoria Line
1968 ブリクストン - ウォルサムストウ・セントラル 21 16
  ウォータールー&シティー線
Waterloo & City Line
1898 ウォータールー - バンク 2 2
  イーストロンドン線
East London Line
1869 ニュー・クロス - ホワイトチャペル 8 8


週末はおそらくはまだどこかの路線で工事が行われることと思います



上手に迂回してこんな状況も楽しみながら
ロンドンの街を有意義にお過ごしされますよう・・・

どんな場面に遭遇しても個人旅行はご自身で作る旅です
少しでも「愉しい」時間を多く持てますように!





そして、もしご出発前、旅にラップトップをご持参の方は
下記サイトにて事前にご確認することもできます

ご参考になれば幸いです


engineering works for this weekend Transport for London






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