やさしい個人旅行講座



【 急げ!旧£20.00紙幣の交換 】

〜 Hurry up!Exchange of an old £20 by the end of June 2010!〜


がまぐち



今回はこれから英国へご旅行される皆様へ

ご存知の方もすでにいらっしゃることと思いますが・・
英国紙幣の中でも1番利用する
£20.00紙幣についてのご案内です






ご承知の通り英国は
欧州の国々の中で最も多く取り入られている
ユーロの導入を未だに拒み続け
女王陛下御自らのお顔が印刷されている
英国独自の単価£を使用しています




今までユーロ通貨導入に伴い
英国民による賛否の投票が行われてきましたが
頑固にいままで通りの独自ポンド通貨を選び、
そのことに近年の経済においては一喜一憂してきました

その理由の一つとして
この英国シンボルのお金に印刷、又は刻印されている
「女王陛下のお顔」が
日々大切に使っているお金から消えることには
国民として罷り通らない(!?)ということから・・・と・・・か・・・

その国民は常々忌憚無い王室に関する意見や
また王室内のスキャンダルにも率直に物言う英国民でも!
(特にダイアナ元妃の事故後は想像以上に国民の反応は
王室への批判がヒートアップしましたけれど・・)
それでも、自分達のお金から
女王様のお顔がなくなることには我慢がならないらしい・・



そして、対する陛下もどんな手厳しい世論を投げつけられても
いつもニコニコ国民のためには自己の犠牲も厭わない・・

自身の住まい(お城)の修復も
国民の血税からよりは・・と
世界中から集まる観光客から、いただくわ、とばかりに自らの宮殿を
すっぱりと一般公開に踏み切った!

在る意味このしたたかさは
遥か昔、まだまだ小さな島国であったイングランドを
並み居る大国達への
海での海賊行為によって莫大な富を得ていた
偉大な女王
エリザベス1世にも共通するものを感じます


エリザベス2世
2010年エリザベス2世 現在の英国君主


巨大な欧州大陸をお隣に持ちながら
我が国独自、ということに意固地なくらい頑固な、
旅行者にとっては換金の煩わしさにちょっぴり不便

この英国のお金について
これからご旅行される方々に少しでもご参考になれば幸いです









〜 現在の英国のお金 〜

元々連合王国である英国は4つの国
イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドと
それぞれ独自の文化を今もって大事にしています

貨幣についても現在は
イングランドとスコットランド、北アイルランドで貨幣が異なります

旅行者にとっての大きな違いは
イングランド紙幣は英国中どんな場所でも使用できますが、
スコットランド、北アイルランド紙幣については
基本的には使用できるのですが、
ただイングランド在住の方々には見慣れた紙幣ではありません




ロンドン中心地でも
尚更カントリーサイドのショップなどでは
時たま“使えません”となどと堂々に言われてしまうことも多々あります
(もちろん、イングランド内の銀行では交換可能です)

その他にはマン島、チャンネル諸島、ジブラルタル、フォークランド諸島では
独自にポンド通貨を発券しています
これらはイングランドやウェールズでは法定通貨とは認められませんが
非合法なものではないそうです
(しかし、使用は中々難しいものがあります)

なるたけその国の紙幣は
その国内で使い切った方がBESTだと思います





現在手元にスコットランド紙幣、北アイルランド紙幣がないので
ご紹介はできませんが
最も使用頻度の多いイングランド紙幣は下記のようになります


イングランド紙幣表 2010年現
左上から£50.00表 上右£20.00表
左下£10.00表   下右£5.00表

イングランド紙幣裏 2010年現
左上から£50.00裏 上右£20.00裏
左下£10.00裏   下右£5.00裏


見事に全ての紙幣の表は若き現在の君主エリザベス2世の肖像画

大きさもお高い紙幣ほど大きい、という我が国では考えられない
在る意味解り安いお札です

下の2枚目の写真はその紙幣の裏面です




£50.00紙幣の裏は
ジョン・フーブロン(John Houblon1632〜1712)
イングランド銀行創始者・初代総裁で
スレッドニードル街(Threadneedle Street、現イングランド銀行所在地)
彼の邸宅と一緒に印刷されています

£20.00紙幣の裏は
アダム・スミス(Adam Smith1723〜1790)
スコットランド生まれの「経済学の父」と呼ばれる国富論を説いた
経済学者であり、哲学者です

£10.00紙幣の裏は
チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin1809〜1882)、
進化論を提唱した自然科学者であり、
また5年に渡るビーグル号での航海による航海記は
人気作家としても彼を著名し、
そして、その航海により1838年に自然選択説を思いついたことにより
更なる自然史についての
科学的科学的説明として進化の理論を確立しました

そして、紙幣の裏を飾る唯一の女性
£5.00紙幣はエリザベス・フライ(Elizabeth Fry1780〜1845年)
監獄改革を行った女性社会活動家で、囚人に朗読をする光景を描いています





あとは一般には出回っていませんが、
私達旅行者では目にすることがない銀行のみでの取り扱いのある
高額紙幣£100万紙幣があるそうです


いずれにしても自国のお金以外は見慣れないために
ついつい単位や紙幣の出し間違いも起こらないとは限りません
精算の時は焦らず単価を良く見て使いましょう











〜 Hurry up!Exchange of an old £20 〜





さて現在の4種類ある紙幣は
2007年に新しいデザインになりました

その中でも£20.00紙幣は
その2007年以降
表も裏も大きなデザインの違いがあります



新しい£20.00紙幣表
2007年以降新£20.00紙幣の表
旧£20.00紙幣表
2007年前の旧£20.00紙幣の表
新しい£20.00紙幣裏
2007年以降新£20.00紙幣の裏
旧£20.00紙幣の裏
2007年前の旧£20.00紙幣の裏

右側旧£20.00紙幣の裏の顔は
エドワード・ウィリアム・エルガー(Sir Edward William Elgar 1857年〜1934年)です
イギリスを代表する作曲家であり、指揮者
もとは音楽教師でありヴァイオリニストでもありました
そのエルガーが望んでいるのは
彼の故郷ウースターの街の大聖堂です

イギリスの代表的な行進曲、と言えば
あの「威風堂々」がすぐに思い浮かびます

このエルガーが1901年に作曲、初めて自ら指揮し発表しました

この行進曲はの中間部の旋律は英国王エドワード7世に気に入られ、
国王のために書かれた「戴冠式頌歌」(1902年)において
改めて歌詞をつけて用いられました

この優雅であり、力強い
「威風堂々」の旋律は私達の耳にも馴染み深い1曲です






そして、このエルガーの顔が裏に描かれた
この
右側の旧£20.00紙幣は
この2010年6月末日以降は使用できなくなります





もちろん、銀行での交換は2010年7月以降も可能ですが、
その交換できる銀行

唯一
イングランド銀行(Bank of England)のみになります
(但し、今後ヒースロー空港での交換が可能か、どうかは解りません)

地方都市やカントリーサイドには
この銀行はありませんので

そうなるとロンドンでわざわざこの交換のために向かうこととなります

たったかたー

もし、6月末までのご滞在中にこの旧£20.00紙幣が換金の際
手に入ってしまったら・・・
又はショッピングなどのおつりの中に紛れ込んだら・・・
即使い切るようにされた方が宜しいかと思います


その後くれぐれも日本へお持ち帰らないように・・
次回のご旅行の際にはご使用になれなくなります





どうぞ、旧£20.00の交換や使いきりをお薦めします


     
   


長い歴史の中で
欧州の国々のみならず様々なその時代の時を経て
通貨単位や紙幣の新旧変化がありました

私達の国でもその紙幣のデザインは多く変化をしてきましたが、
使用できなくなる、ということは
その貨幣単位がある限りにおいてはなかったように思います

特に旅行者であるとそう短い期間の間には
2度、3度と同じ国を訪れることは安易ではありません


旅していればお金は常日頃よりも
“お足”と呼ばれるようにお金は“羽の如く”飛んで行きます


しかし、旅が終わってみれば
その国の通貨がまったく残らず・・ということも稀でしょう・・
そんな時に次回使用できない紙幣が残るのも悲しい



そうならないためにちょっとしたご用心を!

どうぞ、これから英国の1年の内で
最も美しい季節に旅をする皆様へ・・・

羽のように飛んでいくお金の中でも
旅の後に残った紙幣があったら
是非次回の旅への期待を込めて・・・
大切に取っておける紙幣でありますように・・












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