やさしい個人旅行講座



英国の旅 

〜 鉄道チケット早割り券購入について
 〜

2012年春

そろそろ初夏の旅をご計画の方も多いと思います



近いところでは
5月中旬から毎年盛況なチェルシーフラワーショーや
今年は女王の在位60週年記念行事が目白押しのこれからや
6月に入ると話題はウィンブルドンテニス大会など・・・
はたまたオリンピック観戦でのサッカー観戦など
ロンドンから飛び出すパターンも多いと思います


チェルシー・フラワー・ショー
チェルシー・フラワーショー 2012年 公式サイトより
5/22〜26 2012年 開催




5月に入ると日に日に陽は長くなり、
英国のカントリーサイドは1年で1番美しい緑を見せてくれる季節へと
移り変わっていく様が見て取れます

そのカントリーサイドへ足を運ぶ方法として
個人旅行者には嬉しいことに幾つもの選択視があります

@  レンタカー
A  鉄道
B  コーチ(長距離バス)
C  オプショナルツアー

その内Aの鉄道利用は私のようなレンタカーを利用できず
(ペーパードライバーなのでハンドルサイドには座った記憶はもうおぼろげ・・)


Bのコーチも楽だけれど、時間があれば・・なああああ
Cは中々日にち条件が合わず・・という我儘者故参加に至らず・・

元々個人旅行=鉄道旅

と、言うくらい鉄道移動は大好きです


Bのコーチも好きなのですが、
やはり鉄道での移動に比べると、どうしても時間がかかります・・

なので、やはり旅をしていて1番裕福だな〜と思うのが、
 「時間」を再現なく使えること

以前その時間を自由に使うことのできた
バックパック一つ、身一つでの約10ヶ月強の旅の時は
コーチ1本で英国のみならず
大陸、アイルランドまでも全てバスだけで移動することができました



生きてるうちには乗ってみたい!オリエント・エキスプレス



しかし、それは「時間」が伴います
その時間を使うことにより、贅沢だったな〜と・・・

がっ!
数年前から年齢と共に
移動している最中に狭いのが少々苦痛になってきました・・・

ロンドンから離れるにしたがって
長時間の狭い車内では動きが取れず・・・
そうなると同じ車内とは言え
トイレだー、売店だー、荷物置き場へ・・とか、
座っていることに飽きたら席を立って少しでも歩き回ることができる

そんな鉄道旅がやっぱり1番好きになってきています



ミッドランド社の鉄道 
ヨークなどその名の通りイングランド中央を走る路線



そして、旅行者に強い味方でもある
鉄道パスが数種ありますので、
駅の窓口でその都度購入する手間も省けます♪



ブリット・レイルパス表紙  ブリットレイル中

左はブリットレイルの表紙 右は開いたところ

ブリットレイル中

ブリットレイル4日間連続乗り放題のパスの中身


初日と最終日を初日利用する前に駅の窓口で
スタート日のスタンプ(ヴァリテーション)を押してもらい、
利用できる期間(日にち)を入れてもらいます
(その前に御自身の旅券番号、サインをしておきます)

あとよく利用したのが、同じ鉄道パスの
“フレキシーパス”

これは決められた期間内に続けて、ではなく、
決められた期間内で数日間の利用が可能なパス
(例えば、2ヶ月間の間4日間利用可能からあります
初日に窓口でスタート日のスタンプを押してもらうまでは
ブリットレイルと同じですが、
利用日は自分の利用する日付けを記入し、その日は丸々24時間利用できます
(利用する日付けをその日毎に記入、それが4日間利用できます)

夜行列車
夜行列車の場合は2日間利用になります



ですから、鉄道パスを利用する日は
目一杯遠い場所まで移動したくなるので
(貧乏性だから・・)
1日結構移動してしまいます

元々日本より英国の鉄道料金の方が高いので
パスはどこでも行けますから、
3時間4時間はついつい車窓を楽しんでしまいます


下記ご案内は現在2012年春に日本で購入可能な
英国全土可能な鉄道パスの2種類です

*その他イングランドのみ、ロンドン周辺のみと別にあります

@  ブリットレイル・コンセキュティブ・パス
 *パスの種類は4日間、8日間、15日間、22日間、1ヶ月間での期間中連続して利用可能
 *1等席または2等席が選べます


A  ブリットレイル・フレキシー・パス
 
*2ヶ月間の有効期間内に、3日間、4日間、8日間、15日間利用可能
 *1等席または2等席が選べます


周遊型の旅であれば
必要日程でのパスを選び、
初日のみ窓口で処理をしてもらえば、
あとは改札口(最近大きな駅では見かけるようになりました)で
パスを提示すればそのまま乗車できます
何よりもその便利さと低価格が有難い






しかし、旅のスタイルがロンドン滞在型、
または一つの街で滞在して
その街から日帰り旅行をする場合は
最低日程期間の3日間も使用しないこともしばしばあります・・

そうなると、鉄道利用は往復のみ、
または1回の片道のみ!となると
その区間だけ購入の方が場所によってはパスよりも安い場合があります
(特にロンドンから1時間圏内の街や村へ行く場合など・・・)

その場合の鉄道チケット購入には
下記の2通り

@  当日駅でチケットを購入する

A  事前に早割りで購入する

@は出発地点の駅で購入する、という方法は私達の国とまったく同じ方法です
(それが片道であれ、往復であれ・・・)

Aは残念ながら私達の国にはないシステムです
但し、似ているのは我が国の国内航空券の購入に非常に近い方法です








:: 早割り鉄道チケットの購入 ::




英国鉄道は世界鉄道発祥の国

1820年から始まった英国の鉄道の歴史は
元々民間の地方会社が経営する鉄道が主でした

しかし、約100年後には大きな会社が小さな会社の飲み込む形で
次第にその数は少なくなり
第一次世界大戦時には政府の監視下に置かれたことにより
社にとっては合併のメリットが出てきました

その後「ビックフォー」と呼ばれる4社

グレート・ウェスタン鉄道、ロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道、
ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道、サザン鉄道 は
共同株式所有会社で1947年12月31日まで運行していました




しかし、時代の流れにより
第二次世界大戦や道路整備の活発化による
自動車の数も増えたことなど
様々な要因により鉄道事業に於いてはその4社を含む国有化になりました

がっ!様々な要因により1995年に再び民営化になると
以前にはなかった社も参入するようになり
現在に至っています


ヴァージン鉄道
リヴァプールへ向かうヴァージン鉄道
1995年からの民営化により新しく参入したお馴染みヴァージン社の鉄道会社

さて、実際に旅の中での鉄道チケットの購入方法ですが、
先のように駅へ向かい
直接チケットを購入するにあたっては
私達が日常行っている方法と何ら変わりはありません


マリルボーン駅
上野駅をコンパクトにしたようなマリルボーン鉄道駅


同じ民営化された私達の国の鉄道会社と大きく違うのは
(在住する東日本地域を前提としております
他の地区で同じような方法があるとしたら勉強不足で申し訳ございません)
路線とタイムテーブルを調べて、
事前にネット購入が出来て・・・(ここまでも同じ・・)
しかも、
料金については「早割り」料金の設定があることです

確かに我が国のJRでも早く購入すれば
通常の価格よりも安い料金の設定があるのは承知していますが・・・





しかし、大きな違いはその割引について
その
路線を運行する会社によるもの
早く購入すればするほど・・その割引率が高く・・・約半額近くまで・・
驚くほどお安くなる場合があります


しかし!!
甘い罠には・・・の通り
デメリットも高いです!

それは
一旦予約して購入したチケットは変更、
払い戻しが出来ない、
というもの

日本では通常予約して発車前であれば、
一定の手数料を差し引いた後には払い戻しが可能です

購入したチケットよりも早い電車で帰りたいな〜
でも、変更できないから、最初からもう1回買わなくっちゃー



早割りで購入したチケットは
その
電車が運行している限り変更、払い戻しは不可です!

そんなリスクをしょっても
場合によっては普段は利用できない1等席が
2等席よりも安い!!提示があったりすると・・
この早割り購入のお得感に酔いしれてしまいます・・

1等座席
1等座席は広々〜 椅子も暖かいです
以前真冬の雪の降る日にロンドンへ戻る列車は
1等席の方が安かった・・・当然乗客も少なく伸び伸びとしていました


No. 事前購入のメリット 事前購入のデメリット
@  安い料金で購入可能  一旦購入したチケットは変更・払い戻しが不可
A  購入時の座席指定が可能  すでに希望の座席指定が取れない場合が
 あります
B  購入時に窓口の長い列に並ぶことは
 ありません
(窓口対応の場合)
 チケット交換機での処理が必要(英語のみ)
 

!言うわけで
メリット、デメリットを御理解の上
すでにご存知の方も多いかと思いますが、
その早割りのみならず
日本で先に購入する鉄道チケットをご紹介いたします!


@  先ずは下記サイト英国鉄道サイトから始まります

             
英国鉄道サイト
               

A  “From(何処から)”出発駅名を入れます
 “To(どの駅へ)”と
行きたい駅名を入れます

               

B  出発日出発時間を入れます
 その時に
片道か、または復路(往復)を入れます
 復路がある場合はその日付と出発時間を入れます
 
 そして、
“GO”をクリックしていただきます

                 ↓

C  すると、その指定の時間に合わせたスケジュールが出てきます

                 ↓

D  その時にそれぞれ同じ経路でも料金が違う表示が出ます
*これは
ピーク時オフ時によって料金が異なります
 御自身で時間で選ぶか?料金で選ぶか?の選択ができます

                 ↓

E  タイムスケジュールをそのまま下がると御自身の選んだチケットの料金が
 出てきます
 “Tickets”の箇所です

                ↓

E  ここで人数がお一人以上であれば、左に“Passengers”が人数を
 増やす項目です
 ここで大人、子供と人数を増やすことが可能です
 
 そして、人数が確定したらTicketsの欄の下にある“Buy Now”を
 クリックして進んでください

                ↓

F  次ぎのページはここで座席指定をするページになります
 “Travel options”でご希望の座席を取ります

 *ここで何も入れないと指定席としての座席ではないので
  これから混み合う時期はここで座席を取ることをお薦めします

 右側に選んで購入するチケットの詳細が載っています
 ここで行き先、日付、時間、枚数、料金を確認して、
 このページの下の“Continue”をクリックしてください

                ↓

G  ここで購入が初めての方はログイン登録をします
 御自身のお名前や住所、購入時のクレジットカードなどを登録します

 *
大事なことはここで登録して、購入したクレジットカードは
  必ずご旅行には持参してください
  このクレジットカードがなければ現地でのチケット交換はできません※

               ↓

H  登録がお済になりましたら、続けて購入作業に戻ります
 *この際にご注意いただかなくてはならないのが、
  路線により鉄道会社が違います
  ですから、その会社に沿った購入方法を選んでください

 *一般的なのは、海外在住(殆どの方が英国在住ではないと思います
  その際は御自身のご自宅へチケットを送付していただく方法よりも
  “Confirmation”という予約確認書をメールでいただきます
  
  この予約確認書には購入したチケットの詳細が載っています
  そして、予約番号“Reference No.”の記載があります
  この予約番号で購入したチケットが無事に予約されていることが
  証明されます

予約確認書
メールに送られてきたConfirmation(予約確認書)


上記はメールに送られてきた購入したチケットの予約確認書です

これは大事なものなので英国へ行く際には必ず持参してください
何故ならば、これだけでは鉄道には乗車できません

この
予約確認書を鉄道チケットに交換するためのものです
その交換にはGの※の部分になります

実際に乗車される駅にて
この
予約確認書と購入時に御利用したクレジットカード
鉄道チケットへの交換に必要になります



今回はこれから人気の湖水地方へ行く際のご案内をいたします





湖水地方へ行く出発駅は
ロンドンのユーストン(Euston)駅です



ユーストン駅のチケット売場
ユーストン駅のチケット売場


ユーストン駅は正面入り口から入ると左手側に
このような大きなチケット売場があります

この中に長距離方面へ行く鉄道会社としては
主流のヴァージン鉄道の窓口があります


この中に下記のようにヴァージン鉄道の
チケット交換コーナーが大きく設けられています



ヴァージン鉄道のチケット交換コーナー


ずらっと並んだチケット交換機は
皆鉄道サイトから早割りなどを利用して購入したお客様が
出発前に鉄道チケットに交換しています
(もしくは当日でなくても交換可能です)


その際に購入した時の予約確認書と
購入に使用したクレジットカードが必要になります


チケット交換機
ヴァージン鉄道のチケット交換機


交換機の使い方は各鉄道会社によって若干の違いはありますが、
今までに共通しているのは・・・
(もし、違っていたらごめんなさい・・・全鉄道会社は未だ未経験故・・
@持参した予約確認書の予約番号を打ち込み、
Aお支払いに利用したクレジットカードを差し込み、
またはカード詳細を打ち込む
・・・など
画面の設問に沿って進むと
鉄道チケットが出てきます

※共通しているのは画面表示に沿って進むこと
解らない時は近くにいるスタッフに尋ねましょう!
地元の方もよく解らない方も多い為か・・?
スタッフが近くに居ることが多いです!



交換したチケット
交換した鉄道チケット


交換機で交換したチケットは往復で座席指定した場合は
上のように5枚出てきます

1番上は交換した詳細のチケット

往路、復路共に乗車権1枚と座席指定券1枚、と言う風に
往復2枚づつになります




下記はもう1例のパディントン駅から向かうウェールズ方面への列車
グレート・ウェスティン鉄道のチケット交換機です



グレート・ウェスティン鉄道のチケット交換機
パディントン駅のグレート・ウェスティン鉄道のチケット交換機


このパディントン駅から向かうカーディフへのチケットは
グレート・ウェスティン鉄道だったので
この交換機は乗り場へ向かうホームの近くにありました

(鉄道駅としてのチケット窓口とは別の場所)

ここでも先のヴァージン鉄道と同じように
事前予約した予約確認書と購入時使用したクレジットカードで
チケット交換して列車に乗り込みます



チケット交換機

こんな風にチケットをその場で購入したり、
事前購入してチケットに交換したり・・・・と
様々な鉄道会社によって若干機械が違いますので
慌てず解らない時はスタッフへ尋ねながら交換してくださいね!





1番大事なのは@予約確認書、Aクレジット・カード、
そして、
B慌てずに交換できる余裕を持った時間です

何故ならば、予約確認書だけでは乗車できません


ユーストン駅の時刻案内
ユーストン駅の時刻案内掲示板


チケットに交換したら、あとは自分の乗車する電車の案内が
掲示板に出てくるのを待つだけ!


これからの季節は番線案内が出たら
すぐに乗り込むことをお薦めします

特に大きなお荷物をお持ちの際は
車内での荷物置き場は余りスペースがありません

ご注意を!


大きな荷は所定の場所へ



では、どうぞ!良い列車のご旅行を!


ホームで列車を待つ
車窓より 列車を待つ人





ご案内については2012年春現在になります

日々システムが変わる英国鉄道はとても奥が深く・・・
案内不足な部分も多々あると思います

現地で利用する度に迷いながら
模索しながら・・・利用してきました

どうぞ、ご説明不足につきましてはご容赦いただければ幸いです

また、明らかに違う、という部分はご指摘くださいませ






ご不明な点などございましたら、
こちらのページに関してのお問い合わせをお待ちしております

また、間違った箇所などのご指摘も有難いので
お気軽にご容赦なく!・・御願いいたします!





重ねて、このページのご意見やご感想をお待ち申し上げております










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