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〜旅からのラグビー〜
ラグビー発祥の街々へ

まだサッカーが日本でそれほど盛んでなかった頃、
お正月のスポーツと言えば、
国立競技場では高校サッカーと日本選手権ラグビーだった・・のです
まだサッカーよりラグビーの方が観客が多かった頃
毎月愉しみにしていたラグビーマガジンに必ず載っていた小さな写真・・・
たった1枚のその写真が私の旅の大きな【目的】でした
あのどちらへ転げるかわからない、始末におえない方向へも飛ぶ
ラグビーボールの老舗会社・ギルバート社の博物館(Gilbert)

私のイギリスの於けるラグビーというスポーツは本当はここから始まったのでした・・・
12年前のあの湾岸戦争で急に取れてしまった休暇が
丁度ラグビーシーズンにあたっていたので
調べる時間もなく、直接ロンドンへ行ってしまった“タナボタ”休み
ロンドンのB&Bでぼーーっとトーマスクック(Thomas cook/ヨーロッパ鉄道時刻表)を
開いていたら、突然目に入ったのが“Rugby”という文字でした
街があるなんて!!
とにかくラグビーに関係があるかもしれない!
と思ったら、もうそこへ行く為に鉄道路線を調べていました
そして見つました・・・ギルバート・ラグビー博物館(Gilbert Rugby Football Museum)
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ラグビーへの行きかた
<鉄道>
ロンドン・ユーストン(London Euston)駅よりリバプール(Liverpool)・
グラスゴー(Glasgow)行き
ユーストン駅よりラグビーまで約1時間
コベントリー(Coventry)の手前なので、この街と組み合わせての観光でも充分楽しめます
また、ロンドン・ヴィクトリアの中央バスーステーションからもラグビー行きのバスがあります
上:ラグビーの周辺地図
左:駅を出ると街の道標が立っている
上:この道標のラグビースクール(Rugby School)へ向かうと
ギルバート・ラグビー博物館へたどりつく
駅徒歩約10分
閑静な住宅街にひっそりと佇むこの博物館
しかし目の前があのラグビー発祥の地 ラグビー校(Ragby School)が建っていました
正しく雑誌の中の写真と同じ入口が・・・
そして小さな黒い扉を押すと
中はぎっしりとラグビーが・・・しっぽまであんこの入った鯛焼きのように詰まっていました・・・
下:ギルバート博物館内部
左下:うなぎの寝床のように奥行きのある展示部屋
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右上:その奥また奥はさすがギルバート
ラグビーボールを作る職人さんがしっかりとボールを作ってました
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左上:ちんまりと日本チームのコーナーもありました
右上:やっぱりおなじみのご当地チーム紹介コーナーは記事が豊富

上:ちゃっかり館長さんに持たせてもらった本家のボール・・でかい!!
尚、ラグビー博物館はロンドンにあるラグビー・スタジアム トゥイッケナム・スタジアムにも併設されています
個人的にはこのギルバート博物館の方が歴史みたいなものとラグビーというスポーツがとても身近に感じられる暖かさが
好きです
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ここまで来たらやっぱり発祥地詣ででしょう・・・
ラグビー校(Rugby School)へ

パブリックスクールのラグビー校は有名なイートン校やハーロー校に比べると
校舎などこじんまりとしているけれど
中庭は広く
いかにも地方都市の私立校らしい
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上:右上:ラグビー校内
そして、左上の写真でひときわ大きな木の向かい側の塀にちんまりと埋め込まれていた・・・

ラグビーの創始者?と言われるエリス少年こと
ウィリアム・ウェブ・エリス(William Webb Ellis)が1823年にサッカー試合中に
ボールを手で持って走ったことからラグビーが始まった・・・と
記されているプレート
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さて、ここまで来たからにはやはりご当地で観るラグビーでしょう・・・・
と、ばかりに先ほどのギルバート博物館で聞いてきた本日のこの街の試合は?シーズン中で水曜日・土曜日・日曜日にはその街にクラブチームがあれば
試合をやっているかどうかツーリスト・インフォメーションに
尋ねてみてはいかがでしょう・・・小さな街でも案外ラグビーのクラブ・チームを持っている、ということもあり
思いがけず観ることが出来たらラッキー!です
と、言う訳でラグビー校から徒歩約10分
エリス少年に因んだ通りを進むとありました!
クラブ・チームのグラウンドやクラブ・ハウス
現在はイギリスのこうしたクラブ・チームはプロ化が進んでいますが
やはり元々は“おらが街のチーム”
観客も選手もお互いに間近にいて、とってもアットホーム的です
・・・でもね・・・ちゃんとチケット買うのですよ・・・とっても良心的なお値段です・・・

上:左右下地元ラグビーVSブラックプール最終戦
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折りしも今年はラグビーのワールド・カップ・イヤー(World Cup Year)
今年のシックス・ネーションズ(Six Netions)は8年振りのイングランド・チーム(England)が
グランド・スラムで優勝しました
ランキングでは世界1のイングランド・チームですが、南半球チームには底知れない力強さが
あります
どうしても我が日本チームをおざなりにしてしまうのは私だけではないはず・・・
それは“ラグビー”というスポーツが身近に感じられないせいかもしれませんし、
単なる勝てない・・・からかもしれません・・・
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上のチケットが私にとってはとっても大切なもの・・・
80年代後半、まだ日本ではNHKがこの試合をテレビ中継していて
いつか本物の試合を観てみたい・・と願っていた
そう・・五カ国対抗戦・・(当時は五カ国)の観戦チケットです
とにかくスタジアムへ行けば何とかなるだろう・・・と
タカをくくってひたすらトゥイッケナムスタジアムへと向かいました
すでに電車もその方向への車両は満杯
駅へ降りたら、人の流れに乗ったらぷらぷらスタジアムへ知らぬ間に着いてしまいました・・・
折りしも地元イングランドと宿敵フランス戦
スタジアムへの道すがらそれぞれのお国の応援歌が吼え渡る・・・
案の定、当日券なんて!!!と
窓口で怒られるように追い払われてしまう・・
わかっちゃいるけれど、
そこが遠い異国からたった一人でここまで来て・・と一縷の望みにかけたい、というのが人情
ダフ屋が“譲ちゃん、チケットなかったら売ったげるよ!”と言われて料金何度も聞き返しても
£5.00の立ち席(Standing seat)が£50.00と言う・・・ふざけんなあ!
と、一瞬握りこぶしがきりり!とするが、それでもチケットが売れるのでしょう
チケットがない観客?は近くのパブで応援だいっっ!てなもので
ダフ屋のおっちゃんをを振り切ろうとしたら
これぞイギリスの中産階級
(知っているわけではないが・・)らしき初老のご夫婦が
“知り合いが1人これなくなったの・・。このチケット使ってくれる?”と
言われたのが上記のチケットである
多分私の持っている人生の中での幸運の何分の一かは
すでにこの時に使い切ってしまった・・・と
今でも本気でそう信じている
だってこの席多少は中心よりずれているとはいえ前から7番目の席です・・・
絶好の場所で立ちっぱなし、とはいえ、あっという間の約1時間
何故立ちっぱなし、かと言うと、
周りが皆立ちっぱなしで埋もれてしまうのです・・
しかし、ウィスキーがどこからともなく回ってくるわ、
飴食え、ポテチの袋も続いて来るし、応援歌は歌うわ・・
寒さなんて、感じる暇なく、歌って、飲んで・・
そして、これが日本と違って学生ではなく皆さん、おじさん・おばさんなんです・・
肝心の試合は僅差でイングランドがフランスを押さえるという絶好の試合!!
六カ国対抗になって久しいけれど、
イタリア・チームの監督があの!カーワンというのが嬉しいじゃないですか?!
ワールド・カップ大会のイタリア・チームを期待するのは私だけではないはず!! ![]()
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カーディフへの行き方
<鉄道>
ロンドン・パディントン(London Paddington)から
カーディフ・セントラル(Cardiff)駅まで約2時間
<コーチ>
ロンドン・ヴィクトリアの中央バス・ステーションからコーチにて約3時間10分
ツーリスト・インフォメーション
(tourist Informetion)
16 Wood St., Tel : 029-2022-7281
open : 09:00〜17:00 火 : 10:00〜 日10:00〜14:00
![]() 上:カーディフの周辺地図 |
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上記の写真で“あ・・・”と思った方はすでにラグビーの街へ足を踏み入れている!ということ・・
ご存知、ラグビーが国技とも言われているウェールズ(Wales)の首都
カーディフ(Cardiff)で見られるラグビー(だけじゃないけれど・・・)選手の陶器人形
自国の選手は新旧問わずあり、六カ国対抗戦の主要選手も顔を揃える
この国ではおなじみの“グロッグス(Groggs)”社
世界中の名だたるラグビー選手をこんな風にしてしまう・・・
現在の売れ筋選手No.1はなんと言っても
地元選手のニール・ジェンキンズ(Neil Jenkins)
そしてロングランでの地元のヒーロー ガレス・エドワーズ

街の中心地 ショッピング・センターにも彼の銅像が鎮座する・・・
という、この国のラグビーに対する心意気は半端じゃあない!
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そして、前回のラグビーワールドカップはここカーディフで開催され、
アームズ・パークという名で親しまれてきた国一番のラグビー場は
ミレニアム・・という新しい名前でリニューアルされました
私個人はこの街を訪れるたびに駅から中心地へ向かう方向に
いつもスタンドが見えてきて“また戻ってきたなあ・・”と感慨深く眺めてきた
あのアームズ・パークが近代的に名前まで変わったなんて・・・

まだこれはアームズ・パークが建てかえられるとは夢にまで思わなかった頃
夏の渡英だったからラグビーシーズンではないので、それならば・・と
駄目もとで見学を申し込み、まさか私達のためだけに協会員の方が出勤して
このアームズ・パークを開けてくれたとは・・
日本でその申し込みのやり取りをしていた時は想像もしていませんでした
人っ子一人いない巨大なスタジアム内を歩く快感は一生忘れられません

中央席からグラウンドに降り、スタンディング・シートを眺める
夏という季節だから、ということではなくオールシーズン 緑!の芝生
このグラウンドを半周してからスタンド下のロッカー室へ・・
但しここは残念ながら女性入室禁止区域
そちらを巧みに避けて、奥の殿堂 パーティー・ルームヘ
| 世界中から訪れて熱闘を繰り広げてきた各チームの 足跡を展示している まるでもう一つの隠れ家的博物館のような ワクワクするパーティー・ルーム |
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日本チームもここで良い試合をしたのよ・・・と 案内をしてくれた女性スタッフのジュリーさんは語ってくれた 確かに釜石全盛時代の松雄選手率いる全日本チームは 健闘試合をした記憶がある・・・ |

アームズ・パークを惜しげもなく見せてくれたこの国のラグビーファンに対する
懐の大きさ・・・日本では考えられますか?
今はなきこのスタジアムですが、いつまでも“アームズ・パーク”を忘れない・・・
そんなカーディフの人達を私は知っています
そして、このいつまでも心に残るスタジアムを見学できたことは
私にとっては何時までも旅の大切な『宝物』の一つです

イギリスでラグビー観戦をしたい方、またはカーディフ、ラグビーの観光にご興味のある方は
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