うさぎの国を旅しました


2015年 グロースターを歩く
【2】




2015年10月11日
現地時間20:00キックオフ

ラグビーワールドカップ日本最終戦
対アメリカ戦がが行われた
グロースター・キングスホルムスタジアムのある町
グロースター


最終戦を終えて
2015年WC最終戦を終えて
グロースターキングスホルム・スタジアムにて




また、この町は古くからイングランドの重要都市として
発展した歴史ある町です

鉄道や道路だけでなく
河川を使った交通網も非常に発達し
そのためイングランドからウェールズまで
船を利用した交易も盛んでした

カナルボート
河川を利用した交易
ドッグに係留中のボート


何よりもイングランドでも名高い
グロースター大聖堂は
その前身遥か678年まで遡ることができ
現在イングランドの中でも最も美しい景観を誇っています



グロースター大聖堂
グロースター大聖堂 wikipedoaより

そして、大聖堂には世界中誰もが知る
ハリー・ポッターの映画のロケにも使われた回廊は
非常に美しい繊細な面持ちで
現代に居ることを忘れるような・・
一瞬敬謙な気持ちになれるような・・
静かな時を今でも刻んでいます




そして、この町ではもうひとつ

これまた世界1有名なうさぎ
“ピーター・ラビット”作者ポターさん描く物語
「グロースターの仕立て屋さん」の舞台ともなった町

ポター自身最もお気に入りの物語ともいう
仕立て屋さんとねずみ達との心温まる物語の舞台があります





ガイドブックでも必ず載っている
この町の2大見所を歩いてみました











〜 Gloucester 〜

グロースター


    Gloucester   グロースター

コッツウォルズの東にあり、
またウェールズへも程近く
またイングランド第二の都市バーミンガムからも鉄道で1時間


ロンドンからの 行き方 
 @  鉄道 : パディントン駅から1時間56分から58分
     *乗り換えなし 約2時間置きに出ています
     *乗り換えは駅にて1回、かかる所要時間は乗り換えなしと同じくらい

 A  長距離バス: ヴィクトリア・コーチステーションから約3時間15分から3時間




:: グロースターの仕立て屋さん ::
House of the Tailor of Gloucester


先ずは今回は町の中心地
ツーリストインフォメーションから駅へ戻るような形で進みました


ツーリストインフォメーション
Southgate Streetの中ほどにある
グロースター・ツーリストインフォメーション


このインフォメーションセンターを背にして
一つ目の大きな4つ角で
左に曲がります

曲がった大通りは大聖堂に続く道
Westgate Streetへ入ります

この町の中心地は
Southgate StreetとNouthgate Streetが続き、
横に走る通り
このWestgate StreetとEastgate Streetが
交差した場所になるようです




鉄道駅から向かう場合は
Northgate Streetから進み
Southgate Streetへ続く手前の四つ角を右に入ると
このWestgate Streetへと進みます

逆に左へ入るとEastgate Streetへと進むことになります

縦横同じ通りなのに
この四辻で左右通りの名前が東西南北と変わります


今回私はNorthgate StreetからSouthgate Streetへとまっすぐに進み
そして、Gloucester Quaysまで行きました

そこで折り返してきたので
先ずは戻ってきたSouthgate Streetの
ツーリストインフォメーションからの御案内になります


ウェストゲート通り
上はそのSouthgate St.,から左に折れて
Westgate St.,に入ったところ



このWestgate St.,から「グロースターの仕立て屋さん」へは
右手側の2つ目の小道
College Courtに入ります


カレッジコート
College Court


車は入れません

両サイドは小さなショップが軒を連ねています
きょろきょろと左右を見渡しながら進むと
人懐っこい猫が・・


グロースターの猫
とても友好的な猫でした
まるでこれから向かう“仕立て屋さん”の猫絡みでしょうか?

この物語は
この町に伝わる実話を元に
ポターさんが可愛らしいねずみ達のお話に仕上げています

それは1894年5月にいとこのキャロラインから聞いた
地元の仕立て屋にまつわる
不思議な話からの着想でした

自身でも最もお気に入りだったこのお話は
フレデリックウォーン社から
1903年10月に発表され
現在でも人気のある優しい物語です

そのストーリーを要約してみましたので
初めての方はさらっと読んでくださいね
(ご存知の方はすっ飛ばしてください!)

グロースターの仕立て屋さん
福音書より


この町に腕は良いが貧しい仕立て屋が住んでいました

ある日市長から婚礼の衣装の依頼を受けました
期限はクリスマスの日

上着を作る作業で布の裁断を終え
疲れながら家に帰った仕立て屋は
猫のシンプソンに最後の持ち金で食料と
ボタンホールをかがるための“あな糸”を
買ってくるように伝えます

ところが仕立て屋はシンプキンが留守の間に
彼女が捕まえたティーカップの下に閉じ込めていた夕食のねずみを
逃がしてしまいました

帰宅して怒ったシンプキンは買ってきたあな糸を
ティーポットに隠してしまいます

仕立て屋は猫に“あな糸は?”と尋ねると
猫は“私のねずみは?”と切り返すばかり・・

体調を崩した仕立て屋は寝込んでしまいました

逃がしてもらったねずみ達は
仕立て屋の代わりに店に行き
上着を縫い始めました

それを見ていたシンプキンも反省して
隠したあな糸を仕立て屋に返します

そして、クリスマスの朝
回復した仕立て屋が仕事場へ行くと
ボタン穴ひとつを残してきれいに仕立てられた上着が置いてあったのでした

その後もこの仕立て屋は素晴らしい上着を作り続けました・・

グロースターの仕立て屋さん 左
左がミュージアム兼ショップ
右は素敵なレストラン「Lily」


一見袋小路に見える
この小道は古い聖マイケルゲートと呼ばれる門の手前
目的の「グロースターの仕立て屋さん」
ミュージアム兼ショップに着きました


   住所




 
9 College Court,GL1 2HJ
TEL 01452-422-856
 
   Open




: 




月〜土曜日 10:00−16:30
日曜日 12:00−16:00
*イースターからクリスマスまでの日曜日は上記時間にてOpen
 それ以外の月はお休み(2015年11月現)

   Close




 
バンクホリディ 、12月25日、26日、1月1日


   入場料 :  無料 





ミュージアム兼ショップ  正面
小さなミュージアム兼ショップ

間口が小さいのでこじんまりとしたミュージアムだな〜と思いがち
しかし、うなぎの寝床のような
奥行きがあります

この建物は1535年に建てられました

1973年には出版社のフレドリックウォーンにより買い取られ
グロースターの仕立て屋の家として
手を加えられましたが、
当時の建物そのままを伝え
現在はボランチィアによる経営で
ミュージアム兼ショップとして運営されています



上はショップで購入したあみぐるみのねずみ
1匹£1.00也
売り上げは寄付にまわされるそうです




何よりも驚いたのが
入ってすぐはショップになりますが、
その品揃えの多さに
思わずイングランド1ピーターラビット物が
充実しているお店ではないだろうか!と・・・
湖水地方にあるショップよりもあったように思いました!


ピーターラビットグッズの数々
所狭しと置かれたピーターラビットグッズ

1階の1番奥はお話の部屋になっていて
ピーターラビットのお話のビデオが見られるようになっています

居心地の良い空間に子供達が素通りできず
画面に吸い寄せられていました


ビデオルーム  ピーターラビットと糸巻き椅子


部屋の壁には大きな木製のカップボードがあり
懐かしいピーターラビットキャラクターのプレートと
それを見る大きな猫のぬいぐるみ
田舎のコテージにありそうな内装です


ビデオルームの入り口

この部屋から見た出入り口は
こんな様子


奥の部屋から見た出入口 ショップ
真正面は通りに面した窓
その前が受付でもあり、
レジでもあります

全体的に木の香りがしそうなショップの様子です


左手前には2階へと続く螺旋階段があります

階段を上がっていく
螺旋階段を上がると
壁にも様々なポターさんの記事や
ピーターラビットの絵本の表紙絵が壁を覆いつくしています


そして、回り階段の中央には塔の模型がありました


塔の模型
グロースターの町をイメージしているのでしょうか・・?


2階は「グロースターの仕立て屋さん」に
因んだグッズの展示や
ねずみ達が仕立ててくれた美しい上着が飾られています

おそらく世界中で作られたねずみ達のフィギュアも
多く展示されている部屋へと続きます


2階の展示室
「グロースターの仕立て屋さん」の展示室

部屋の中央のガラスケースには
物語の仕立て屋さんが作ったであろう、
上着の型紙が置かれていました

市長さんの上着の型紙
ガラスケースの中の上着の型紙が物語りに沿って
説明されています



そして、1番目立つ壁には
ねずみ達が縫ったという美しい上着(ベスト?)が・・

市長さんの上着
市長さんの結婚式に依頼された上着

ガラスケースを囲むようにして
物語に登場する仕立て屋さん、ねずみ達など
ぎっしりと展示されています

ねずみ達  物語の挿絵など

刺繍するねずみ  上着を縫うねずみ

働くねずみ達の一つ一つが表情豊かで
一生懸命にそれぞれのパーツを
縫い上げていく様がとても可愛らしいです

そして、主役の仕立て屋さん


仕立て屋さん
とてもくたびれている表情の仕立て屋さん

人の良さそうな
やさしいおじいさん風でした


一つ一つの展示を見ていると
時間を忘れてしまいそうなくらいぎっしりと詰まっています

一つの物語にこれだけの展示は見ごたえもあります

再び1階のショップへ降りると
各国語で出版された
ピーターラビットの絵本もありました

日本語版絵本
1冊£10.00也

小さいながらもとても充実した
ミュージアムとショップでした

外に出ると
真向かいの素敵なレストランの窓辺には
大きなピーターラビットが
覗いておりました


そのレストランで新聞を広げるおじさんが見えます



さて、それから向かったのが最後の目玉!
グロースター大聖堂です!




:: 
グロースター大聖堂 ::
Gloucester Cathedral




現在は映画「ハリー・ポッター」で
ホグワーツ魔法学校として舞台となった大聖堂として
名が更に知れ渡ってしまった大聖堂

正式な名前は「聖ピーターと聖なる不可分離の三位一体主教座聖堂」
という神々しい名前を持っています


グロースター大聖堂
College Greenから見た大聖堂

   住所




 
College Green.,GL1 2LX
TEL 01452-422-856
 
   Open



: 



8:00-18:30
365日Open
*但し、学校の学期中は8:45-9:15の間はCloseすることもあります

   入場料 :  無料 *寄付は大歓迎

この大聖堂は678-679年に
アングロサクソン人が聖ペテロへ献上した、という
修道院が前身になるそうです

その後1072年にノルマン人修道士サーロが着工した
ロマネスク様式、初期イングランド・ゴシック様式の混合建築で
1499年までその工事は続きました

建物の最長約130m、幅44mと
中でも中央塔は高さ69mと非常に高く
見事な景観をしています

その塔の頂上には4つの小尖塔があり、
これがこの大聖堂のランドマーク、
更に豪華な造りを見せています

また地下納骨堂は教会参事会場のような
ノルマン様式で造られました

イングランドの4箇所にある地下納骨堂の一つでもあり、
大聖堂の一つの見所でもあります

また礼拝堂では1327年にエドワード2世が埋葬され、
数々のステンドグラスも見ごたえがあり、
中でも修道士達がそぞろ歩いた回廊は
必見の価値があります




また、1867年から73年の間に
ロンドンのセントパンクラス駅やアルバート記念と外務英連邦省など
この時代の数多く手がけた建築家
ジョージ・ギルバート・スコットが
この大聖堂を一新した記録も残っています





さて、365日いつでも歓迎!という大聖堂へと
先ずは大きな入り口から入ってみました

大聖堂の入り口
6人の聖人の下を進みます

下記のMAPは大聖堂内で手に入るものから
残念ながら日本語版はなく、
英語のものからの御案内になります





先ずは全身130mあるという本堂中央を歩いてみます

本堂
中ほどにSeabroke Chantry
シーブロークの礼拝堂があります



本堂の中心は会衆席のある
祈りの場所となっているようです
その奥のステンドガラス部分が光を発しています




重厚な造りで歴史を感じさせますね

そして、入り口を入って右側のステンドグラスは
1216年にここで戴冠式を行ったヘンリー3世
時に9歳だった彼の様子が描かれています

ヘンリー2世の窓
ヘンリー2世の父王キング・ジョンから譲られた
王冠を頂いています


そして、本堂のほぼ中央右側には
Seabroke Chantry
(1450年当時の僧院長だそうです)
シーブロークの礼拝堂があります

  シーブロークの礼拝堂

その奥には大聖堂の見所の一つでもある
地下(納骨堂である場合が多いが・・)

ボランティアによるガイドツアーがあるようなので
その時間まで続いて大聖堂を見ることにしました



地下ツアーの案内
このツアーに入らないと地下を見ることができません


大聖堂の奥の奥には
ノルマン時代1130年に造られたとされる
洗礼盤
現在も赤ちゃんの洗礼式に使われているそうです


1130年から続く洗礼盤
鉛製でできた洗礼盤


普段は近くまで行くことができませんが、
この大聖堂で洗礼式を行う赤ちゃんを見てみたいですね


そして、この洗礼盤の先には
1470年に造られたとされる「Lady Chapel」

キリストの母マリアのための祈りの場所

レディチャペル  
聖家族像
右の木の彫刻、聖家族像


そして、ふと上を見上げると
大聖堂の高さと天井の迫力に思わずため息が出ます



天井が1番高い部分になるのでしょう

地上から伸びた斜塔の柱はその天井を力強く支えています

やはり、地下へ行く前に回廊を見ておかなくてはなりません
それは入り口の真向かい辺りに
その回廊へ出るドアがあります


回廊へ続くドア
回廊へ出るドア

回廊は修道士の生活の場であったので
現在ではその部屋がコーヒーショップであったり、
子供達の遊びグループの集まりの場になったり・・

回廊  回廊


中世の時代そのままにした
回廊はともすれば修道士がひょっこり出てきそうな雰囲気です


子供達が遊んでいた部屋の前  

地域の幼稚園前くらいの子供達が
右側にある部屋で遊んでいました

ここは本来修道士達のミーティングルームですが、
本日は子供達のプレイルームになりました

父兄の方々はもっと小さい子を
部屋の外であやしたり、回廊をのんびり歩いたり・・

そんな様子を見ながら回廊の中側を覗いてみると中庭が・・


回廊に囲まれた中庭

回廊が囲む中庭から
回廊部分を見ると美しいアーチを描いた
何とも言えないくらいの丁寧な造りを見て取れます

そして、この中庭を横切る修道士の足音が
聞こえてきそうなくらいの静けさです

さて、そろそろ地下(納骨堂)の見学ツアーの時間が近づいてきました


慌ててその順路をショートカットして
地下へ続くドアの前には
すでに数名の人達が集まっていました

地下ツアー

中央のおじいさんがこの大聖堂でボランチィアで
ツアーガイドをしていらっしゃる、とのこと

このガイドさんについて後ろ赤いドアから始まりました
この赤いドアもハリー・ポッターの撮影に出てくるそうです


入り口からの階段

わずか階段を数段下がったところで
ガイドさんの説明がありました



大聖堂の地下

大聖堂の地下はとてもしっかりとした
天井はアーチ状の柱でがっちりと天井を支えています


柱のアーチ  ガイドさん

ガイドさんの説明によると
この地下を支えるアーチ状の柱は
年代により補強されてきたので
材質がその年代により違うそうです


天井繋ぎ部分  天井の補強


そして、ここは主に修道士達の住居にもなり、
明り取りのためと換気のために窓があります
また、ここは修道士の祈りの場でもありました


修道士の部屋
窓もしっかりと鉄枠があり、
また大聖堂の壁の厚みが解ります


下の写真は何のか?を聞き逃してしまいました・・


洗礼盤なのか・・、どうか・・不明です・・

そして、地下中央は天井が低く、
この場所は大聖堂を支える支柱が沢山あり、

  

1段上がったところで滑らかな砂がまかれています

大人の男性が立って歩くにはぎりぎりの低さ
ここが納骨堂になります

写真では写せませんでしたが
左手奥には祭壇があり、
祈りをここでも捧げていたと思います

大聖堂の地下はしっかりとした造りで
この建物が造られた時代を考えると
よく修復をしながらがっしりしているな〜と思いました

また、幽霊が出るような話もありました
その詳しい話はガイドさんからも聞けるそうです!

そして、地下ツアーは
ここを持って終わります

再び地下に降りた階段を上がり、
ガイドさんに御礼を申し上げ・・解散


最後にギフトショップへ寄ってみました
(出入口のお隣にあります)

大聖堂のShop

教会グッズもありましたが、
なんと!ラグビーWCグッズまで!

ますますこの町が好きになりました


陽が落ちる少し前の時間帯
外に出て塔を見上げても高過ぎて
首が回りませんでした

中庭から見上げた4本の斜塔
中庭から見た大聖堂
町のランドマークの塔





大聖堂は長いこのイングランドの歴史の中で
様々な場面に登場してきました

イングランドの宗教改革で最も栄えた時代、
また逆に逆転した時代には
この国の歴史の中でも血なまぐさい話も沢山あるそうです

どの時代にもそんな逸話がありそうな・・

グロースターの町は本当に見たいところや
調べてみたいこと
もっと立ち寄ってみたかった場所
(特に今回は時間的に叶わなかった
歴史パブ巡りにはとても後ろ髪を引かれました・・)

とにかく満載!

是非良いお宿と食事も沢山ある町

ラグビー観戦旅でも、コッツウォルズへの旅にも
ちょっぴりこの町を思い出していただければ幸いです












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