市場!市場!市場!



〜マーケットは楽しい!〜





今回の旅でロンドン到着翌日に早朝早速でかけたのは
以前から行きたかったアンティークの掘り出し物が見つかる、と言われるマーケット
カムデン・パッセージ(Camden Passege)
Camden Passage Islington Antiques London

開催日が土曜日のみということもあり、
ロンドンでは様々なマーケットがこの曜日に重なったり、
ラグビーの試合が郊外であったりと
なかなか足が向かえなかったこの場所へ
初めて訪ねることができました





前日成田からロンドンへ到着し、
その日からお世話になるミセス・ハリガンへ
明日は朝食いりません、と早々伝えてあったので
(彼女の家での土曜日朝食スタートは8時半からなのです)
マーケット開催と同時朝1番に獲物を探すのだっ!と鼻息も荒く
ロンドンのガイドブックを幾冊もチェックしたはずなのに
たまたま持参した最新刊購入したばかりの
(運よくこの時は忘れていたけど・・)
すでに何度もだまされている
某“地球の・・”にはしっかりと「土曜日開催08:00〜」と記されていた・・

ロンドン在住の友人も初めてなので同行したいと一言

しかし、私が07:30には家を出るかもーと意気込んでいたために
それまでその彼女は
“ミセス・ハリガンの家に出発時間に迎えに行くから!”と行っていたはずなのに・・・
07:30には家を出たいと言った後のその後の言葉が
・・・“でも、万一その時間に1分たりとも遅れたら私に気にせず出かけてねー!”(^.^;)

  


ロンドン到着2日目の朝

前日の夜その日の朝食のためしっかりとパンを買い込んで
朝7:00(時差ぼけもせずに遊びのためなら私は起床できます!)
窓のカーテンを開けた途端唖然
真っ暗・・・・・街灯煌々・・・
雨も降っていないのに・・・

当たり前ですね〜
日本でさえこの時間はまだうす暗いもんだ、と思い直し
のんびりと支度している内に明るくなるだろう、と・・

がっっ!甘かったです、欧州のこの時期の陽の短さは・・

7:30にパンを齧りながら早朝きてくれる(はずであろう)友人が来ていたら、と
階下に下りて友人の迎えを待ちましたが
07:40・・50分になっても
ミセス・ハリガン宅の庭には現れませんでした・・
(彼女の家に滞在していると出入り口はお庭からになる)

やはり“1分でも遅れたら”の友人の一言は真でありました・・

気を取り直して残りのパンをお茶で流し込むと
朝08:00過ぎ、
ちょっぴり遅くなっちゃった、良い出物がなくならなきゃいいな〜と
如何にもマーケット慣れしたかのようにつぶやきながら
家の前から24番バスを待ちました





朝、8時過ぎやっと明るくなり始めた空に
空気がピンと張り詰めるくらい冷え込んでいたロンドンの週末の早朝に
テームズ河対岸のバタシー発電所が見える風景や河に沿って半分裸の並木道が
“ああ、ロンドンに居るんだな〜”と
妙に嬉しく思えた幸先でした



バタシー発電所
ミセス・ハリガン前から見えるテームズ河対岸
早朝のバタシー発電所の風景








〜 ロンドンのマーケット 〜


 【キャムデン・パッセージ】



よく間違われるのがもう一つ似た名前のマーケット
“キャムデン・タウン”

このマーケットとは似て非なるタイプで
今回ご紹介するのは
主にアンティーク雑貨や家具、書籍が中心のマーケットになります

もう一つの“キャムデン・タウン”は
そのようなものがないとは言えないのですが、
(大きなマーケットなのでそういうストールも常設しています)
私達80年代青春を送った者には
“ロンドンパンク”発祥の街として
日本にも初めて紹介された場所でもあります

ですから、現在でもその面影が多く残る“タウン”は
懐かしい釘の出たブーツやトサカのような髪型をした黒皮ジャンを着た
寒々しい若者がよく見受けられます
(ちょっと誇張しすぎかもしれませんが・・・・・)

しかし、この“パッセージ”はどちらかというと近年トレンドと言われる
静かでおしゃれな街として紹介されることの多い
年齢層も“タウン”に比べると高めの人たちが集うエンジェル駅近く
イズリントンという地域になります


先ずはそのマーケットへの行き方は次の通りになります




開 催    毎週水曜日と土曜日(2008年12月現在)
  *水曜日 10:00〜14:00
  *土曜日 10:00〜17:00 
*但し、夏季期間は変更する可能性あります
                   上記は冬時間なので、いらっしゃる際には
                   必ずサイトにてご確認ください
  

住 所   Camden passage,islington high st, N1
  
行き方  @ 地下鉄 
   エンジェル(Angel)駅より徒歩約5分 *ノーザンライン線(Northern line)

A バス   
  Camden passage下車
  下記の番号のバスで行くことができます
  No.19/30/38/43/56/73/153/214/274/341/394

 
地図は下記にてご確認下さい

Map of Islington High Street


出発地点にもよりますが、
地下鉄の方が乗り換えも楽だったので
ここでは地下鉄駅エンジェル駅の改札口(一つです)からの
道順をご案内します


エンジェル駅の案内
@ 地下鉄駅のエンジェル駅は
改札口が一人
それを抜けると
前方上にこのような案内が出ています

改札口を背にそのまま
構内を出ます



駅を抜けたところ
A その駅を背に出てまっすぐの道


途中のパブ
B 駅を背にしてまっすぐ進むと
右手歩道に見える感じの良さそうなパブ
その前にコーヒースタンドも出ています

Islington St.,
C パブを通りすぎてまっすぐ進む
Y字路が見えたらそれを右手方向を
そのまま進むと
それがマーケットの入り口イズリントン通り



土曜日の朝は地下鉄も空いていて
迷うことなく駅から徒歩5分

空気が刺すような寒さだけれど
朝だもんなっ、と・・・しかし、駅もマーケット開催日にしては人もまばら
今までのポートベローやコロンビアなどは
人の流れでマーケットの場所がわかるほどなのに・・
やっぱ11月にもなると人も少なくなるんだなーと
一人完結思考で大通りと平行する
イズリントン通りをぴたぴた歩いていました



   





その時は通りのショップがまだ開いていないことに
何の疑問も抱いていませんでした

人も少ないながらぶらぶらしている人も居ましたし・・・

かし、イズリントン通りの中程にこれからストールを作ろうという状態で
店主達がお店を開こうとしている場所が目に入ってきました

ちょっとしたお店の横の空き地、というかスペースには
10店舗くらいのストールが入るのでしょうか・・・?
屋根を立てたり、品物を丁寧に並べたり、
中にはきらきら朝の光にきらめくアクセサリーを
ビロードが懸かる衝立に一つ一つ大切そうに下げている
白髪のおばあちゃんの右手には

しっかりと湯気立つお茶のマグが握られていました

そのおばあちゃんと目が合うと
お互いに“モーニン!”

初めて来たこのマーケットはまさかこの小さなストールの集団が
パッセージのマーケットじゃあないだろうな・・・とちょっぴり心配になって、
彼女にここはキャムデン・マーケット・と尋ねると
“そうよーでも、ここはファースト・マーケットだからもっと奥にはストールがあるわよ!”と
歯切れの良い言葉

そして、私の腰あたりに下がっていたバックを見て、
“バックはコートの中に入れなさい、危ないからね・・”とにっこり笑って
お互いに良い日だと良いわね、とマグティーをごくり

その言葉にあと押しされるように
そうか・・・ここが最初のストールか・・ということは
この先にまだまだお店はあるわけか・・

がっっ!!しかし・・小道を進むにつれて、
ぞくぞくと組み立てていくお店の様子に
はて・・・今は9時過ぎでオープンは8時ではないのか・・・?

どうにも様子がすでに始まっているような感じはしない・・・??


パッセージのストール開店前


どうみてもこれから開店するのではないか?という様子

まだ見て歩くお客よりも店主達の忙しそうな様子に
さすがにこの時期8時に開催ではまだ暗いよなー
某“地球・・・”に久しぶりにだまされちゃったかなー・・・さみー(寒)

まあ、いいかっ・・というわけでこの狭い小道にひしめくショップのショーウインドーや
まだ開店前ですでに準備が済んでいる店主達が朝のお茶を楽しんでいる
ティールームを覗いたり・・・

チョコレート屋さん
まだ閉まっているチョコレート屋さんのショーウインドー
ティールーム
奥では人がぎっしりのティールーム


もう一つのストールの集まりでは
朝日に輝きながら銀食器を並べている、
そのお隣ではわけの解らない様々な雑貨が並び
それでも、お客とわかると手を止めてご自慢の品物の説明をしてくれる

銀食器のお店
銀食器のストール
アクセサリーや雑貨のストール
アクセサリーと雑貨のストール


この小道を何度往復しただろう・・

パッセージの中ほどのパブ

パッセージの中ほどのこのパブに陽が当たり
どうどうとした姿になった頃、ようやく10時

店主達が何時の間にかそれぞれのストールの内側に入り、
ぽつぽつと歩き出したお客を待つ風情になってきた
その頃私はすでに幾つかの気になった品物に実は頭が一杯になっていました

それは、最初のファーストストール(エンジェルアーケード)の狭い小道に
ぎっしりと立ち並ぶショップの前に更に通路を狭くするほど並べられた小物達の中に
小さなうそ汚れた埃をかぶった白くなってしまった
小さなガラスのフラワーベース

エンジェルアーケードの品物
フラワーベースのあったストールの食器
左手にはロイヤルアルバートの定番柄バラの食器シリーズ
中央のティーセットは会社名は解らなかったけど
コーヒーとティーの両方があり、スミレの柄の美しい品物でした
上の棚にはジャグとソルト&ペッパーも・・・



無造作に張られた手書きの値札には
“£24.00”が二本線で訂正され、
“£5.00”となっている・・・わずか、10cm足らずの高さのもの

表面にはカットされた百合にも似た花が施され、
底が厚くその底も分厚く、
菊の花のように丁寧な放射線状にカットされている

店主らしい女主人がお店に入ったときに
そっと手に取ってみる・・「重い」・・思ったようにずっしりと重い

“£5.00”という金額には考えるほどのものでもなく、
またこういったマーケットでの常識(?)でもある値切れる料金でもない・・

でも、あの埃を被りほとんど白く見える、
また、上の首に当たる場所にはなにやらテープで巻いたらしい跡までくっきりとある・・
あの跡が取れないとな〜・・・で、迷っていた・・

エンジェルアーケード
本当に狭い小道のエンジェルアーケード
ショップの前に更にストールが並ぶ
必ずしもショップのご主人のストールとは限らない



“買い物は迷ったら止めよう”が心情の私だけれど
実はもう一つの品物にも私は迷っていたものがあったのだ・・

それは、セカンドストールでおばあちゃんが言っていた
パッセージの中ほどのお店で見つけた
小さなデミタス・カップとソーサー

多くのカップや雑貨食器の中に紛れた小花模様の繊細なもの

店主のおっちゃんに断って触らせてもらったとき
ちょっとカップの裏を見たら、
“noritake made in japan”

まだ実際に見たことがなかった日本のノリタケが
昭和時代に海外国用に輸出していた、という
(今もそうなのでしょうか・・?勉強不足で申し訳ありません・・)
カップとソーサー

どちらも気になる

カップのおっちゃんのストールの裏には
銀のスプーンがうずたかく詰まれた別のショップを見る振りをして
その小さなカップが気になって仕方なかった・・・どうしよー

思い切って見せてくれたおっちゃんに
“そのカップセットはいくらですか?”
帰ってきた答えが“£5.00だよ”
“えっっーー??!”(心の中で!)
言葉が出なかった私におっちゃんは一瞬考えて
“£4.00でどうだい?”・・もう裏の銀のスプーンのおばちゃんもどれどれと振り返って見にきた
“じゃあ、今朝1番のお客さんだ、£3.00でいいよ!”
“・・・ください・・・

ノリタケ カップのストールのおっちゃん
ノリタケカップのストールのおっちゃん
この彼の品物たちから見つけた小さなカップ&ソーサー


わずか£3.00という値にもう本物でなくとも
柄に先ずは目が行った、そしてNoritake made in Japanに嬉しくなった!
もうそれだけで嬉しくて、嬉しくて・・・

おっちゃんにありがとう!を沢山言って足取り軽く
丁寧に包んでくれた古新聞紙で大きくなった小さなカップセットを大事に抱え、
そのままカットガラスのフラワーベースの小道へ舞い戻りました
・・・まだ売れていませんように・・・

ファーストストール
最初に声を掛けてくれた白髪のおばあちゃんのストール
このファーストストールの奥がエンジェルアーケードの小道


何度も通りかかったファーストストールの奥の
小さな小道のエンジェルアーケードに戻ると
迷わず埃だらけの小さなフラワーベースを手にすると
ショップの戸をたたき、
この品物はこちらで良いですか?と先ほどの女主人に尋ねると
どうぞ、寒いからお店の中に入りなさい、と進められ
これを!と差し出すと、こちらが何も言わないうちから
“そうね〜£4.00でいいかしら・・?でも、いいわ!今日1名最初のお客だもの、£3.00で決まりっ!”
・・・決まりっ!っておばちゃん、良いのっ??!・・・

テープの跡もおばちゃんは食器洗いのクレンザーで落ちるから大丈夫!と太鼓判


こうして私は労せずしてこのマーケットで気に入った2つの品物を値切ることなく、
結果としては値切った形で手に入れてしまったのです・・




実は今までマーケットに於いて
値切ることができず結局は指を加えて迷ったものを手に入れられなかった私・・・

暗く寒い早朝から勇んできた私をきっと神様が見てくれたに違いないと
普段恥ずかしいくらいに無神論者を公言するのに
この時とばかりに心の中で
“神様、ありがとう”と手を合わせていました


フラワーベース
迷った挙句に手に入れたカットグラスのフラワーベース
10cm足らずの身長ですが磨いたら
こんなにきれいになりました




カット模様
カット模様の拡大
底が厚くて見た目よりも重たいです
両面このように百合の花のような模様



ノリタケのデミタスカップ
小さなデミタスカップ
とても軽くて繊細ですが、
実はこの後ラグビー観戦へ出かけて
奇しくも手が滑って通りに落としてしまったが、
おっちゃんの包みが頑丈でびくともしなかった・・
Noritake MANE IN JAPAN
この表示を見た時は思わず
これが!と嬉しくなりました
しろうとなので解りませんが、
おっちゃんは“本物”と言っていたが
私はそれを信じることにしました・・

金額を考えたら両方ともそれなりのものなのかもしれないけれど
何はともあれ!“気に入ったもの”、ということで
私にとってはどちらもこの旅1番の自分のお土産になりました

特にフラワーベースはこんなにきれいになるとは思わなかった!


朝1番のとても寒い時間だったけれど、
その分楽しい思いもできたし・・・
おばあちゃん、おっちゃんとの会話も到着すぐの私には
貴重な一時でした

アンティークって本当に難しいから
“本物か?”、”偽者か?”・・・というよりも先ずはその空間を楽しみましょう!


これを機会に味を占めた私は
これからも朝食抜きで出かける価値ある時間を
ロンドンで次も勇んで出かけるでしょうー!









先ずは土曜日、日曜日の早朝は頑張ってマーケットへ行こう!
きっと何かか見つかります!







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