Art しましょう



〜 美術館へ行こう 〜



Act.1


すっかりと『秋』めいてまいりました

昼間はまだまだ残暑らしき気温にもなりますが、
それでも朝晩の気温や空の高さが季節の移り変わりを物語っています

英国への旅の目的の一つには美術館へ・・という旅する人も少なくないと思います

ビートルズの街・リバプールへは
ライム・ストリート駅前にある「Walker Art Gallery」の階段壁に飾られている大きな1枚の絵を観たいがため
ロンドンのナショナル・ギャラリーの裏手にある
「The National Portrait Gallery」へは
ヘンリー8世、エリザベス1世やダイアナさん、
英国のみならず絵に残された人々の顔に興味があって・・・
南西部のセント・アイヴスへは海の眺めが抜群の「Tate Gallery」へ
私の住むお隣の県・茨城県からはるばる海を渡り、
その地や英国に根付いた濱田 庄司が伝えた益子焼や
また、独自のアレンジを試みた焼き物を創りだした、
Bernard・Leachの工房からの作品を観に・・・

様々なきっかけでどうしても実物を目にしたくて
人の手で造られたもの達を観に・・・足を運ばずにはいられないのです

少しでもそのような旅する方々への参考やご案内になればこんなに嬉しいことはありません
今までに訪れた場所へご案内させていただきますので・・どうぞ、おつきあいくださいませ






英国内に散らばる様々な本物をご自分の目で確かめに・・・旅に出ましょう 







ロンドンの美術館

Wallace collection


行き方 地下鉄Bond Streetから徒歩5分、又はOxford Circus駅から徒歩10分
バスは2,10,12,13,30,74,82,94、113、137、274番Oxford Street Selfridges前下車

住所  Manchester Square London W1U 3BN

Tel (020) 7563-9500

Open 10:00〜17:00 (入場は16:30まで)
*Close : 12月24、25、26日

入場料 入館は基本的には無料、しかし維持の為の寄付をできれば£3.00


ロンドンの英国に於ける地図 ウォレス コレクション ギャラリー地図

ウォレスコレクション セルフリッジス 
ボンドストリート駅 オックスフォードサーカス駅
* バスはこのオックスフォードストリートに止まります

このギャラリーは現在ロンドン市民お薦めのデパート・セルフリッジスの裏手に当たります
ショッピングにも賑やかなオックスフォードストリートに面した
このデパートの曲がり角Duke Streetを左に入り
まっすぐ進むと大きめの通りWigmore Streetを渡ると
突き当たりがManchester Square

ウォレス コレクション前のマンチェスタースクエア

Duke Streetから見たManchester Squareと突き当たりが
『Wallace Collection Hertford House』



ギャラリーの正面


入り口へのスロープ


1719年から始まるハートフォード侯爵家のご当主が
収集した美術品の展示ギャラリーになります
代々続いたご当主の跡継ぎは
その時代の流れのヨーロッパ大陸への「お貴族様のおぼっちゃまツアー」
別名“グランドツアー”と呼ばれる、
この遊学中にフランスなどの絵画に傾倒したと伝えられています

特に19世紀の4代目の当主・リチャード・ウォレスが集めた18世紀のフレンチ絵画や
同世紀フランドル絵画、陶磁器、装飾品などを含め
その時からの現在のコレクションは世界有数と言われています
   
1900年1月22日に国立美術館として開館し、
更に1976年から6年かけてこのお屋敷を現在の形に改装しました
インテリアやオブジェ、
また様々なイヴェントを催せる館になり、
外から見る概観と内部はそうとう違っているような印象を受けます
(展示コーナー以外にも
絵画教室やビデオ室などの施設も1階から地下に充実しています)





2000年にはガラス張りのブラッセリが新設され、
私は今まで訪れたギャラリーカフェとしてはロンドンの中でも1番!のお薦めです
 


ウォレスギャラリーのカフェ バガティル


ギャラリーカフェ バガティル

Cafe Bagatelle

Open : 毎日 10:00〜ラストオーダーは16:30まで
ランチは予約をした方が良いです
午後でのお茶には特に必要ありません
予約Tel : (020) 7563-9505



どんなお天気の中でもゆったりとした空間と
堅苦しくないけれど、きちんとしたマナーを要求されるカフェでの時間は
白いジャケットと黒タイのウェイターさん達のさりげないサービスと比例していて、
とても居心地が良い・・・

何時間でもお気に入りの本をお供にのんびりしてしまいます





そして、私がこのギャラリーへ呼ばれた1枚の絵は下記のもの
皆様も数年前に東京に来た時に駅などのポスターでよく目にされたのではないでしょうか・・・?
日本名
『笑う騎士』
実は館内は厳重なカメラ禁止のギャラリーです
どうぞ、皆様は決して私のような不心得なことはなさらないでくださいませ

(シャッターを押した途端自分のほかには居ないはずの部屋と思っていたのに・・・
スタッフがすっ飛んで来て・・やんわりと、たしなめられました・・・・お恥ずかしい・・・・・)
「笑う騎士」

ですから、私自身もびっくりしてこんなぼけた写真になってしまいました
しかし、この1部分をご覧になっていただければ
如何にこのギャラリーの壁を埋め尽くされた絵画の多さがご理解いただけますでしょうか?

と、言うわけで後程きちんとショップで求めたカードでこの絵のご紹介です

笑う騎士 Frans Hals
『The Laughing Cavalier』
オランダ 1624年
83x67,3cm


26歳のオランダ画家のハルスが
描いたこの1枚は
通常笑うことのない騎士が
何故ほほえんでいるのか?
その口元とやさしい面差し
この騎士が身につけている衣装が
とても豪華でその刺繍の様子も
はっきりと目にすることができ、
私にとっては

その2つがとても印象的でした
                                       

と、言うわけで館内撮影禁止の為もう自分の目に焼き付けるしかないわけですが・・
しかし、このお館は外から見ているように迷路のような順路にはなっていないので
とても歩きやすいです

しかし、全ての絵画を展示しているわけではありませんが
その壁の膨大な量は半端なものではなく・・・・・
できれば1日じっくりと時間をかけて観てみたい・・・

絵画の中心になるのはフレンチ絵画とフランドル絵画
もちろん自国の絵もありますが
代々この侯爵様達は一環してお好みがさすがに継承されていると見え
何代も続いた割には雑然とした印象はありません


お屋敷の壁という壁には見切れないほどの
15世紀まら19世紀にまでまたがるコレクションは
本当に見応えがあります

また絵画だけではなく
初期のまだ西洋社会でも珍しかった乳白色の陶磁器に
花をあしらった様々な小物類から
見上げるような(もちろん!アンティークノ)
重厚なマホガニーの家具たち

優雅な猫足を持つ実用的・・というよりは
装飾的で繊細なテーブル
長いドレスを身にまとった貴婦人達が集っておしゃべりをしたであろうソファなどなど・・・
観て歩くとその時代のひそひそとした楽しいささやきが聞こえてきそうです



ウォレスコレクションのガイドブック

ギャラリーのガイドブックの表表紙
ウォレスコレクションガイドブックの裏表紙

裏表紙 1冊


撮影禁止なためだけでなく、展示物を少しでも把握する為にはやはり必要なのは
上記のガイドブック £7.00也

美しい写真と解説で何時間でも
(それは英文だからなのですが・・私には・・ )
見惚れてしまいます

ガイドブックの中身

おフランス絵画と17世紀の家具調度
ガイドブックの中身

こちらもおフランス絵画で宗教画の中の天使

ポンパドール夫人

15世紀のルイ16世の寵后として名高い
ポンパドール夫人
17世紀のおフランス家具


こちらも16世紀から17世紀にかけての
おフランス家具調度
繊細にして豪華なものばかり
この時代に英国から渡ったお貴族様達がこぞって
ほしがった数々のお品物
海を渡った彼等が何代にも渡ってコレクションしたもの







しかし、もともとはプライド高い島国・英国人としての心意気も忘れていません
しっかりと母国での絵画ゲインズボローなど女性絵画や当時のロンドンの様子が描かれた作品も数多くあります








このギャラリーは16世紀から19世紀にかけて集められた美術品の数々です
それは5代続いたハートフォード侯爵家のコレクション
その5代目のSir Richard Wallaceが1890年に没する前に
彼の息子6代目のEdmond Richardが1887年に他界

その後はLady Wallaceが夫亡き後、
7年後の1897年に亡くなるまでは1個人のコレクションに過ぎなかったのです

そして・・・1900年にこの偉大なコレクションは国に寄贈され、
今日私達の心を豊かにしてくれるギャラリーの仲間入りをしました









これからのシーズンは私達の国よりも陽がずっと短くじめじめとした長い冬に突入します

どの季節も彼の国への旅する気持ちは変わりませんが
訪れるシーズンに合わせて旅する目的を選択することが出来る・・・・
英国はどんな天候でも、暑さ寒さに関わらず・・
大きな腕を広げて様々な見所を用意してくれています

しかし、だからこそ旅する『時』に合わせての目的を持ってお出かけになる・・
そんな旅する人にもなりたく思います

秋から長い冬には是非旅の目的の一つにギャラリー巡りをお薦めします 









*こちらのページでご紹介差し上げているご案内に関して万一誤った箇所がございましたら
どうぞ、その旨ご指摘いただけたら嬉しいです
何卒宜しくお願い致します

このページに関してのお問い合わせ、感想などをお待ちしております






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