Art しましょう



〜 美術館へ行こう 〜



Act.2


今年の冬は私達の国でも記録的な大雪と寒波に見舞われています
しかし、それは我が国だけではなく世界中、今!冬のシーズンの国は寒い!!

英国の冬も朝8時を過ぎないと明るくはならず
午後は4時になればすでに夕暮れ・・・
しかも!陽の長さよりも“昼間”と証されている時間帯もどこかが薄暗い
そして・・駄目押し・・・底冷えが厳しい・・・

数年前に2月の第1週目に母を連れてロンドンに滞在した時
連日の雨攻撃、時には雷雨、時には土砂振りの大雨、止むとは思えない・・
しとしと振りの数珠つなぎの雨・・各種の雨々
すっかり彼女は“冬の英国”=雨という図式に凝り固まってしまいました

それ以来、冬の英国旅についてはまったく見向きもしなくなってしまいました・・・

しかし、その責任の一旦は
いつものように旅についてコーディネイトするのが当たり前の私にありました
・・

お天気がどんなに悪かろうが、
いつ何時でも訪れる人々を広く迎えてくれる場所があったのに
お天気無視の観光を決行していたからです

お天気ばかりはその街につくまでは、予想もつきません
まして、“1日のうちに四季がある”と言われる英国です
訪れる前は様々な計画を立てますが、
それはおそらくその日のお天気を予想しての計画までは考え付きません
当日限られた時間内での旅ですから、
よっぽど大きな出来事が起こらない限りは
考えてきたスケジュールの観光を行なうでしょう

しかし、あまりにその観光プランを行なうのに
躊躇する気持ちが現地で起きてしまったら、
思い切って予定を変更をする勇気も必要だと思います

そんな時は普段なかなか実行できない、
ゆったりとした時間を使う贅沢さを味合うのにもってこい!なのが、
『美術館・Gallery』での1日です

ちょっぴり雨の滴る傘からいつもとは違った香りが漂ってくるような・・・
カラッとした館内にしっとりとした空気になるような、雨の日の美術館

気にいった作品の前では時間や、
常に混みあった日本とは違って他の観客を気にすることなく過ごすことができます
なんて・・贅沢な時間の使い方でしょう・・・

そんな、シーズンやお天気の悪い日に行く、
または当初計画にはなかった変更観光場所としての、
ギャラリー巡りが私は好きです 







英国内に散らばる様々な本物を思わぬ場所できっと見つけられる・・・そんな旅に出ましょう





ロンドンの美術館

Tate Modern

テート・モダン


2000年にオープンした、20世紀以降の現代美術を集めた
『テート・モダン』
もう一つテームズ河を挟んだテート・ギャラリーとは明らかに趣きの違った新しいギャラリーです

元々このテームズ河沿いにあった旧バンクサイド発電所は
ジャイルズ・ギルバード・スコット卿が設計したものでした

レンガ造りの昔の外観を残しながら、新しいギャラリーへの改築したのは
スイス人の建築家2人でした

そして、完成した年と同じ名前の様々な話題を呼んだ
“ミレニアム・ブリッジ”がかかり、河の両サイドは歩道も整備され、
ジョギングや散歩などロンドン市民の憩いの場にもなっています


ミレニアム橋から観た全景

行き方 地下鉄サークル線・ディクトリスク線 Blackfriars駅より徒歩約10分
住所  Bankside SE1

Tel (020) 7887-8000  テープでの案内 : (020)7887-8008

Open 日〜木曜日 : 10:00〜18:00  金・土曜日 : 10:00〜21:15まで
カフェとレストランのラストオーダーはそれぞれの30分前まで
*Close : 12月24、25、26日

入場料 基本的には無料ですが(善意の寄付は常に大きな手を広げてお待ちしています)、
特別展のみ、その都度料金をいただきます


ロンドンの英国に於ける地図
テート・モダン周辺地図

テート・モダン ブラックフライヤーズ駅 ミレニアム橋
は私が辿った道順 本当はこちらの方が正しい行き方


先ずは地下鉄サークル・ディストリスク線のいずれかに乗っていただき、
出口3番は下にあるように案内が出ています



地下鉄3番出口の案内





ブラックフレイヤー橋を渡った交差点

地下鉄駅を上がると目の前にまっすぐ延びる
ブラックフライヤーズ橋

テームズ河をこの橋で渡り、まっすぐ進みます

左方向にはこの橋と平行して架かる
ブリチィッシュレイルの電車だけが渡る橋
その向こうにはセント・ポール大聖堂


そして、その大聖堂の背景には
ロンドンの中心「City」のビル郡が
のぞいています


橋を渡りきった交差点

この橋を渡りきると
ドラゴンの石像が目印でもある案内



初めてこのギャラリーを目指した時、ちょっぴり入り口が良くわからなくて
いつの間にかテームズ河に出ていました

橋を渡ると一つ目の交差点を左へ曲がり、
この鉄道の橋の下をくぐって進みます
その暗い橋の下を通り過ぎてすぐに左に曲がる細い道があり、
その角には小さなサンドイッチ屋さんがあります

その細い道をまっすぐに進むと河沿いの建物は通り抜けられるようになっています
突き当たるとテームズ河にぶつかりますので
それを河沿いに右に折れ、進みますとテート・モダンの1階の河沿いのカフェが見えてきます
1階にある河に面したカフェ

1面ガラス張りのカフェが見えてきたら、その建物が巨大なギャラリーです


この当たりでは建物はほとんど同じような高さなので、
大きなギャラリーはほとんど見えません

本来ならば
サンドイッチ屋さんの角を曲がって緑の矢印とおりに進むと
正面が正真正銘のテートの入り口になります

目印になるのはほぼ入り口正面に聳え立つこのマンションでしょうか・・?

入り口前の建物
以前のロンドンでは考えられない高層マンション


そして入り口から入ると先ずは目につくのが
旧バンクサイド発電所の新旧入り乱れた(?)タービン・ホールに圧倒されます


1階の入り口

建築家ヘアツォークとデ・ミューロン(スイス人)が
元々この発電所を設計したジャイルス・ギルバート・スコット卿の
オリジナルのデザインに敬意をはらうと同時に
芸術を展示するために
この建物をダイナミックな空間(ギャラリー)に
変えたのでした

なお、写真撮影はこのタービン・ホールのみ
許可されています

右は2階から覗いたタービン・ホール
そして、ここに立つとタービンの回る音がこだましています
2階から見たタービン・ホール



テーとモダンの館内案内

そして、このタービン・ホールを抜けるとインフォメーションがあり、
この館内マップをいただけます
これを片手に7階最上階のレストラン・バーから下がるか・・?
3階の展示場から上に上がって、
最後はテームズ河を見下ろすレストランで一服するか・・?

特別展示展の案内も載っているため
その期間毎に変わります


1階はミュージアム・ショップやインフォメーション、タービン・ホールの大きな空間、
2階はテームズ河沿いから見ることのできたカフェや小さなミュージアム・ショップになり、
展示物はその上の階以上になります


館内の移動は中央にあるエスカレーターが1番判りやすいと思います

そのエスカレーターで上り下りしていると展示順路が示されています

どの展示室もテームズ河に沿って建てられた側を進むように順路があり、
必ずほぼ中央まで来るとテームズ河とミレニアム橋を見ることができます




テート・モダンから見下ろすミレニアム橋
どの階でも展示の半分までくるとこのようにミレニアム橋を見下ろすことができます


肝心の展示物については・・・
撮影禁止のため言葉だけの案内になってしまいます


常設コレクションは1900年代から現在に至るまでの
現代芸術を裸体、風景、静物、歴史的絵画という4つの古典的解釈により
分類し、展示されています

この常設展示物は年間を通じてローテーションを組んで変えてあるそうです
ですから、1回だけ訪れただけではそのときの展示物を鑑賞できるだけ!

何度訪れても、変化のある展示物にお目にかかれます


それぞれの階は“レベル”という呼び名で区別されています

レベル3は風景・物質・環境、というテーマでの部屋があり、
テーマの中では謙虚で保守的な・・・といわれてきた「静物」は
ここでは生活の中における物の科学や技術の発展を反映して
ここ100年の間には最も過激で革新的な芸術として注目されるようになってきました

このギャラリーで静物=オブジェとしての展示が
とても斬新で・・・それらは観ていても、“へ〜”と思うような物から

“わっっ!!”と思う物まで・・・・結構楽しい展示もあります 



そして、レベル4はその時々のエキシビション(特別展)になります
常設展は基本は寄付金のみで・・しばしば無料と案内されていますが、
この特別展だけは展示品によっては料金が異なります

私は訪れた時は「August Strindberg」という方の展示でした
彼は画家であり、写真家であり、作家でもありました
入場料は£7.00也


そして、常設展のレベル5は歴史・裸体の階です

歴史的絵画というと私の中では
中世の騎士や王様達の絵画であったり、とイメージがあったのですが
こちらではその時代の社会的な絵画
20世紀の画家たちの目から見た社会的な絵画でした
それは、民主主義的であったり、社会主義的であったり・・・と現実的な生活を眺めた、
時代を記憶したような絵画やオブジェを見せてくれました

裸体の部屋は正直・・・これでもかーーーっっ!と
思うほどの“裸”・・・“はだか”・・・“裸”・・・です
それはもうひとつのテートで見せてくれる、美しい女性のそれではなく
さまざまな年代、性別の体で・・・正直これって『現実・・・・・・』・・・
最後にはこんな気持ちになりました





でも、真の人間の姿ですから・・・・
誰でもが持っている真の姿でしょう・・・








そして、何よりもこのミュージアムの1番人気は
7階のレストラン&バーではないでしょうか・・・


7階レストランのカウンター席

テームズ河を眺めながらの一服は至福
セント・ポール寺院が正面



どのガイドブックにもこのレストランの眺めは定評で
午前中の早い時間はお茶だけでも利用できますので
時間のある方はここでの先ずは『お茶』をお勧めします





私は残念ながらそのレストランのトイレのみ借りました・・



7階レストラン&バー


こちらでのランチは11時半からメニューが入り口に立てかけられ
予約をしたほうが良い席(テーブル)をキープできます

週末の金・土曜日のディナーは予約はもちろんお勧めしますが、
23時まで居られるのが・・・とても意気に思えます
ここからのロンドンの夜景はさぞかし値千金でしょう・・・
 




  




3階のエスカレーターの近くに
館内の案内のオーディオの貸し出しコーナー
があります
(1階のミュージアム・ショップの前にもカウンターがあります)
そして、毎日決まった時間にガイドツアーもありますが
残念ながら日本語はありません
(ガイドツアーは英語のみ、
オーディオの貸し出しは英語・イタリア語・おフランス語・ドイツ語・スペイン語のみ)



3階の貸し出しオーディオコーナー



そして、最近私の中ではギャラリーという言えば、はずせない1階のミュージアム・ショップ


上から下がってきた時についついエスカレーターがここにつながっている・・というショップ
しかし!注意はこのショップへのエスカレーターは2階は素通りになり、
3階からの長いエスカレーターから下がることになります




1階のミュージアムショップ


店内はかなり広い空間を取っていますが、
何といってもここでしか手に入らない・・という1品を見つけるのが好きです


そして、最後のお買い物(〆のようなもの・・・?)を済ませ、
ここに来たら、どうしても来た道をそのまま引き返すのではなく
2階へ再び戻りますが
そのときは階段を利用しなければなりません

階段でテームズ河の出入り口、北口から出ると目の前は『ミレニアム橋』です



ミレニアム橋のたもと

竣工までにさまざまな話題を提供した橋でした

しかし、実際にこの目で見てみるとまるで「ドラゴンの尾」のような
とても美しい橋です
ただ、今までのテームズ河に架かる頑丈で何があっても壊れない!という
ある意味無骨な橋とは違って、
とても“新しい建築物”という趣でとても驚きました



ミレニアム橋
ミレニアム橋を渡る


人だけが渡る橋ですから華奢と思いきや、結構しっかりとした歩き応えでした
そして、河の中央まで来ると遥か前方にはタワーブリッジやグローブ座も望めて
なかなかの風景です・・ジョギングしている人の気持ち良さが判ります


ミレニアム橋からのグローブ座
シェイクスピアのグローブ座


そして、橋を渡り対岸の河沿いはロンドンの人々や観光客にとっても
そぞろ歩きにもってこいの遊歩道になっています

お天気の良い日にはこのテームズ遊歩道での散策も
違ったロンドンの様子を見ることができるかもしれません



テームズ河沿いの散歩道



上記のような案内はロンドンの新しい場所には
必ずと言ってよいほどあります

この遊歩道もテームズ河のさまざまな橋に
ぶつかります

お昼時とあって
シティに程近いこの場所では
OLさんやサラリーマンが
お昼のサンドイッチ片手に
建物がら出てくるのもほほえましいです








限られた時間の中での旅の日程の中で
広いギャラリーを1日たっぷり堪能するか?
ちょっと足を伸ばしてお茶によるか?
又は、お目当てのアーティストの作品だけを自分の目に焼き付けるか・・?


それぞれご自身に合わせての調整と
その日のお天気次第で気持ちよく過ごす場所としても
是非冬の旅にはギャラリー巡りはいかがでしょう
                                  







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