◆◆ 博物館へ行こう ◆◆◆






Act.3



2012年初夏のロンドンは
英国民愛すべき女王の在位60周年のお祝いに沸いていました


ダイヤモンド・ジュビリーパレード
ダイヤモンド・ジュビリー・パレード “ロイター通信より”
やっぱりカミラさんはお隣なのね・・・



英国王室と言えば・・
一時期は国民感情の渦巻く最中
その人気が下降線と辿り・・

特に人気の高かった元妃ダイアナさんが亡くなった時
現在の女王の対応が遅かったことから国民に背を向けられた王室は
その後皮肉にもダイアナさんの忘れ形見二人の王子の人気や
(昨年のウィリアム王子挙式放映は
日本中の多くのお嬢さん達を沸かせました!)
女王の素早い国民への対処により復活したかに見えました


チャールズ一家
在りし日のチャールズ一家“BIGLOBEより”


また何と言っても自国に対しては人一倍強い思いを持つ英国民としては
やはり王室に背を向けることは出来ないのでしょう

毎年何らかのお祭りをもたらしてくれるロイヤルファミリーはやっぱり人気1番です

(ロイヤルファミリーの経済効果はは国民にとっても大きいもの!)


テームズパレードで賑わう英国民 バタシー前で・・



そんな英国にはまだまだ王室が欠かせないわけで
特に今回在位60周年のエリザベス女王よりも
3年7ヶ月長い!
英国史上最も在位の長い女王の名を持つ博物館

ヴィクトリア&アルバート博物館をご紹介します













:: ロンドンの博物館 ::

ヴィクトリア&アルバート博物館

 【1】

V&Aミュージアム
ヴィクトリア&アルバート博物館 widipekiaより


英国が欧州の中で最も“栄華を誇る”と言わるのは
この在位が長いヴィクトリア女王時代

この博物館の歴史は
1851年のロンドン万国博覧会の収益や展示品をもとに、
1852年に『産業博物館』として開館しました

1857年、現在のサウス・ケンジントンに移転し
『サウス・ケンジントン博物館』と名を改めることとなりました

その後1899年、『ヴィクトリア&アルバート博物館』と改称
1909年に現在の建物が竣工しています


現在のV&A
膨大な数のコレクション所蔵の現在のV&A


元々は英国内の産業、工業において
内需拡大のため
職人達の工芸デザイン教育や啓蒙にも役立てる為に

当初入場料は取らず
数々の素晴らしい展示品を公開しています

そして、絵画、彫刻、写真、ガラス工芸品、
金属製品、陶磁器、宝石・貴金属、建築関連、アジア美術、衣装、アンティーク家具、
中世から近代の武器、本、おもちゃ、テディベアなどなど・・・



V&Aアンティークベア
V&Aミュージアム展示より
アンティークベア



現在美術や工芸、各国の古美術、デザインなど

400万点の膨大なコレクションを携えています

日本でも女性には大人気のスージー・クーパーの食器も
この博物館では興味深いコレクションが見ることができます


susie・cooper
スージー・クーパー
“Patricia Rose”



古い電化製品など、そのコレクションは多岐におよび、
展示室の数も非常に多く
その数は約500万点を越えているそうです

この博物館は大英博物館と双璧成す
大英帝国の力を感じずにはいられません




先ずは行き方をご案内いたします


行き方 地下鉄 : サークル線・ディストリクト線のサウス ケンジントン(South Kensington)駅
       徒歩5〜8分

      MAPは下記にて

      V&A MAP

住所  Cromwell Rd., London SW7 5BD


Tel (020) 7942 2000

Open 月〜日 10:00〜17:45 (金曜日を除く)
金    10:00〜22:00
Close : 12月24〜26日 
*博物館の中のレストラン、カフェ、バーのオープン時間はそれぞれ異なります

 ご来場の際にご確認をお願いいたします

入場料 無料


さて、とにかくこの博物館は収蔵品が多いことでも名高く
毎回ロンドンを訪れる度に足を運んでも
同じ展示がそのままあるとは限りません

先ずは入り口で必ず手に入れて欲しいのは
館内MAP

V&A MAP


展示物が変わるために
マップもその都度変わりますが、
大きく5つのカテゴリーに分けられています

但し、そうは言っても現在はその部屋数約140室
見学コースは13kmと途方もない規模です・・・

しっかりと体調を整えて向かいましょうー





先ず一般的な地上からの入り口は自然史博物館と並び
バス通りでもあるクロムウェル通りからの入り口です

入り口は大きな吹き抜けの
自然光を取り入れた明るいロビーになっていて、
先ず目に飛び込んでくるのが
天井からのガラスの工芸品です

入り口を見下ろす
中2階から見下ろした
クロムウェル・ロードからの入り口


入り口から入るとインフォメーションがありますので
こちらで館内MAPを手に入れましょう!

館内中の大理石の階段を昇った展示室は
レベル1からレベル6まで
そして、カテゴリーは年代別に分かれています

@ ASIA
A EUROPE
B MODERN
C MATERIALSTECHNIQUES
D EXHIBITIONS

特にアジアの中に我が国日本の展示もありますが、
東洋のコレクションとしては
欧州随一と言われる規模と内容です

特に工芸品として完成度の高い陶磁器、
印籠、根付、浮世絵とちょっと外から見る「日本」も面白いかもしれません

また、イギリス王室コレクションとして
現女王エリザベス2世からの絵画も多く貸し出し
展示をしています

「奇跡の大漁」
エリザベス女王の絵画 ラファエロの「奇跡の大漁」
V&A 公式サイトより



先ずはMAPから見たいコレクションを追って進んで行きましょう!




覘いてみたヨーロッパの彫刻コレクションになります

ローマ時代
ローマ時代の彫刻など

宗教関係装飾品
キリスト教装飾品

ルネッサンス時代ローマゲート
13〜16世紀の建築物
19世紀のデザイン
近代テキスタイルデザイン画

博物館の内装は
学校の創作室がこの場所にあったことから
ほとんどが国立美術学校の学生たちの手で行われたそうです

博物館と美術学校の関係は
1990年代に美術学校(現ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)が
新しい校舎に移転するまで続きました

初期に完成した建物において最も印象的な内装は
1873年に開設されたカースト・コートです
ここにはローマのトラヤヌスの記念柱など
彫刻や建築装飾の石膏レプリカが収められています

カースト・コート
カースト・コート

また、館内の移動場所としては大理石の階段が使われています

大理石の階段
館内の大理石の階段 V&Aサイトより


この美しいマーブル模様の大理石の内装、階段は
19世紀の建築家アストン・ウェッブが採用されました

彼はのちにバッキンガム宮殿のファサードを設計した人物で、
この博物館内の大理石の階段、
長い街路や明り取りのついたギャラリーなど、
ウェッブによる増築部分はその後50年に及ぶ建築計画の最後を飾りました


コレクションルームのみならず、
この博物館は建造物、内装も非常に興味深い建物になっています


ヨーロッパからアジア、彫刻コレクションを抜けると
The John Madejski Gardenが開けてきます

この季節はオープンカフェコーナーも現れますが、
展示を見て歩いた体にはちょっと小休止

中庭に寛ぐ人々
The John Madejski Garden
V&A Widepekiaより


目の前に聳え立つ赤レンガの建物は
以前は博物館の中心でした
しかし、1864年以来この建物には3つのレストラン、
講演ホール、見事な陶磁器のギャラリーがあります

設計はルネサンス様式ですが、
工業生産された近代的な建設資材である赤レンガとテラコッタが使用されています

私達が今回このV&Aを訪れた目的は
実はこの博物館の誇る膨大なコレクションでもある陶磁器のギャラリーではなく、
実は3つのレストラン

英国の博物館、美術館はどこもカフェ、レストランが充実していますが、
ロンドンの中でもギャラリーは見る時間がなくとも
ここで食事!だけ!でも充分に訪れる価値があります


カフェへ



何故ならば
その3つのうちの一つは
あの!工芸運動の代表者でもあえい
“モダンデザインの父”とも言われる
ウィリアム・モリスがデザインしたダイニングルームがあるからです

コレクションとして見るばかりではなく、
実際に日常的に“使って”いる!

しかも、気軽にカフェとしても利用できる!

もし、展示物をじっくりと鑑賞できる時間、体力がない時は
ここだけランチ場所にしても宜しいのでは・・・・?


先ずはモリスデザインの間「グリーン・ダイニング・ルーム」です

グリーンダイニング・ルーム
ウィリアム・モリスデザインの“グリーン・ダイニング・ルーム”
V&Aサイトより

当時、モリス&カンパニーという
自身の内装会社を立ち上げたばかりのモリスにとって
これは会社が受注した初めての公共事業だったそうです

オリーブ柄の壁と深い色の塗料は、
緑豊かで葉が生い茂ったイメージを生み出しています

そして、明かり取りの大きな窓は天井まで届き、
モリス特有の女性達のステンドガラスがはめ込まれていました

グリーン・ダイニング・ルームの窓
グリーン・ダイニング・ルームの大きなステンドグラスの窓
モリスの特徴ある女性達


そして、部屋をよく眺めると
とても手の混んだデザインが施されているのを見ることができます

モリス&カンパニーの渾身の作であることが伺えますね!

グリーン・ダイニング・ルーム
グリーン・ダイニング・ルームの壁
随所にモリスデザインが施されています




そして、二つ目のレストランは
その名も楽しい「ギャンブル・ルーム」
華やかな印象で天井も高く明るい部屋です

ギャンブル・ルーム
ギャンブル・ルーム V&Aサイトより

モリスデザインのグリーン・ダイニングと繋がっているとは思えないほど
雰囲気も変わり、
また天井がドームのようにデザインされています

ギャンブル・ルームの天井
ミラーボールのような照明とドーム型の天井


とてもゴージャスな造りとデザインです

ギャンブルルーム
ギャンブルルームを眺める
ギャンブル・ルーム
アーチ型の柱1本にも豪華さが滲み出る

実はこの2つのレストランは“カフェ”と呼ばれています

レストランであっても、“カフェ”と言われるのは・・・
こんな理由かしら・・?と思いました

実はこちらのレストランは全てセルフサービスです


フードコーナー


種類の多いフードコーナーが廊下に設置されていて
お客様はそのフードコーナーから好きなメニューを選んで
こちらの好きなテーブルにつくことができます




左はパン各種、右はスコーンやメレンゲなどのお茶のケーキ類

ホットミール、サンドウイッチなどこのようにテーブルが違い
食べたいものを見つけたら、
ここでお盆に載せてもらい精算します

ここではワインのテーブルもありました

グラスワイン


赤・白のグラスワインはグラス奥
シルバーの筒にワインを注ぎ
一定のところがグラスワインの適量になります
1杯のグラスワインの容量はほぼ正確に注がれます

さて、自分の好きなものを選らんで精算後は
グリーンダイニングルーム、またはギャンブル・ルームのどちらで席を取ってもOKです

この日の朝エディンバラから早朝移動してきた私の選んだのは
「チキンソテー4/1」

お肉はチキンのみいただける私は
英国で食べるチキンは日本よりやわらかく、味も濃く
何時でも続けてでもいただけます

チキン

付け合せの野菜も美味しかった!

案内してくれたガイドの裕子さんも同じく
チキンポットパイ

チキンポットパイ

ボリューム満点!のクリーミーなチキンポットパイ

どちらもし白ワインに良く合いました!

私達はギャンブルルームに席を取りましたが、
そこからグリーン・ダイニング・ルームを覘くと・・・
こんな感じ!

間仕切り

こんな風にして2つのルームを分けています

そして、最後3つ目のレストランは・・・
「Poyner Room」

こちらは心なしか?若いお客さんが多く見受けられたように思いました

Roynter Room
すっきりとした内装でシンプルです


3つ目のこちらのレストランは
先の2つのレストランと同様なものをいただけるのですが、
内装の雰囲気が違うだけで大学内のカフェテリアを想い出させてくれました






3つの異なるデザインのルームで
いただく食事は全て“平等”・・・自分の居心地もいただくものも・・・
新しいスタイルの食事場所、だと思います





近年どちらの博物館も展示のみならず
休憩する場所も非常に充実しています

V&A博物館へ興味のある対象物のみを鑑賞するもよし!
その建造物を見るだけでもよし!

そして、次回私が考えているこちらはランチ場所として案内しようかと思っています♪

皆様のご興味を持っていただけるものが何になるのか?
非常に幅広い利用法がこの博物館にはあります

どうぞ、時間の限られた旅の際
どんな風にアレンジしてみるか?
御自身の旅スタイルに合わせてお楽しみくださいませ











また、ご意見、ご感想、お問い合わせもお待ちしております





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