Excursion from London


Chapter@




ロンドンでの滞在しながら
ほんのちょっぴり静かな街や場所へ逃げ出したくなるような日があります

それはずっと一つのお宿に滞在し、
荷物の移動の心配なく
夕方になれば居心地の良い住み慣れたロンドンへ戻る・・・
そんな1日の終わりがある旅は日常的で
なんとなく一人旅でもわくわくします

宿泊は同じ場所だけれど
旅の中での少しの変化と興味を広げて
この街からの小旅行へのご案内を・・

今までいくつか訪れたお気に入りの街や場所が
少しでもお気に召してくれたら嬉しいです









そろそろ1年の終わりが近づくと
やっぱり嬉しくなるのが
クリスマス





まったくの無宗教者ではありますが
教会見学は大好き

それは大聖堂の圧倒される人の手による偉大さに
人が描く宗教画に
常に感動が湧き上がり
自分自身も生物学上“人”として同じ括り(?)に属していることに
妙に嬉しくなったりします

我が国でのクリスマスの賑わいはおそらく宗教とは無関係であることは
周知の事実ではありますが・・・
それでも街がイルミネーションに輝いたり
どこからかの賛美歌が妙に陽の短くなった夕暮れに似合ったり
この時ばかりは俄か教会信者になってしまいます

英国内の中でもこの大聖堂を持つ数々の街があります

その中でもチョーサー物語でも有名なカンタベリーだったり
ハリー・ポッターの撮影でも更にその名が世界中に知られるようになった
グロースターの大聖堂、
巨石で未だに謎の多いストーンヘンジのある草原口にもなる
ソールズベリーの大聖堂などなど

そんな大聖堂を持つ小さな街

ELY

しかし・・この街は大聖堂ではなく
もともとの街の名が
『Eel』〜うなぎ〜

新しい街並みになり
新しい公園ができ
そこに光り輝く昇り龍ならぬ
“昇りうなぎ”を見た時に
私の生まれ故郷の浜松
(日本でうなぎパイをはじめ、うなぎ養殖日本1)を
見た思いがしました・・・

しかし、私の3大苦手食べ物の一つがこのうなぎ

できれば、大聖堂だけの街でいてほしかった・・・Ely・・・




しかし、ロンドンから日帰りの旅にはもってこいの
この小さな街をご紹介します







  〜 うなぎと大聖堂の街 ELY 〜     


うなぎ
街の名の語源“うなぎEel”
決してネス湖のネッシーではありません
公園に新しくできたシンボルだそうです


初めて訪れた約15年前は
ロンドンからの日帰りで楽しめる観光として
ケンブリッジの街を2度目に訪れた時

この街から更に電車で15分ほどで行ける大聖堂の街
小さな小さな街でまだまだガイドブックにもその名はありませんでした

たまたま建築雑誌で目にしたそのカセドラルは
威風堂々として
まさにイングランドを代表する建築物としても
見る価値のあるものとして紹介されていました

当時は駅も無人でその駅前は建つ建物はなく
小さなサークルのように古い街並みが続き
駅から延びる細い道を辿れば
いつの間にか先の見えない斜塔が目前に・・という印象があったのですが・・

しかし、今回この街を再び訪れることになり
改めて街の歴史などをもっと身近に感じることになりました


行き方 : 鉄道にてロンドン・キングスクロス駅から約1時間3分
ケンブリッジでの乗り換えも含めると1時間に約2本の割合で電車はあります
イーリーの位置 イーリー近郊地図

駅を降りて先ず驚いたのは
深夜まで営業しているスーパーマーケットが出来上がっていました
以前は無人駅でひっそりとした場所でしたが
幹線道路のような広い道が駅前通りを出ると走っていました


イーリー街の地図

ツーリスト・インフォメーション&オリバー・クロムウェルの家
The Old Fire Engine House( ジ・オールド・ファイヤー・エンジニア・ハウス)
Alan's Fish Bar フィッシュ&チップス屋



スーパーマーケット方向に抜けていくと
昔ながらの静かな小道に出ます

そのマーケットの裏手を回ると
運河があり

駅の裏手の運河沿い遊歩道
駅裏手から延びる運が沿いの遊歩道
遊歩道から運河を望む
遊歩道から延びる運河
公園口の運河
遊歩道運河からの公園口

その対岸から遊歩道から
ゆっくりと上り坂になった遊歩道を進み
公園を通り抜けると
なだらかな丘を登るようにして
前方右手にあの堂々としたカセドラルが見えてきます

公園からの小道1
公園から延びる散歩道
公園からの小道2
やや上り坂になってきました
公園からの小道3
丘を少々上っています
公園からの小道4
個人邸宅でしょうか・・?
見えてきたカセドラル
見えてきたカセドラル
見えてきたカセドラル2
ゴシック建築の逸材です

なだらかな丘には如何にもイングランド産と思われる
がっしりとした馬が放牧されていて
彼等の穏やかな暮らしぶりがうかがえます



大聖堂と馬


見るからに堂々としたこのゴシック建築のカセドラルは
日本語パンフレットも用意されていました
そんなに日本人が訪れるのか?と伺ったところ
近年では徐々に増えてきた、とのことで
おフランス語やスペイン語に混じって
見慣れた文字の説明文はとても助かります


“ようこそイーリー大聖堂へ”

大聖堂正面

この大聖堂は東イングランド・イーストアングリア地方を統括する
イーリー司教区の母教会だそうです

673年にSt.Etheldredaにより修道院として建てられましたが
870年にデーン人の襲来により破壊され、
その100年後970年にベネディクト教団ために再建されました

1080年代初期に更に建築工事が進められ
1109年に教会から現在の大聖堂へと再び再建されました

1539年にヘンリー8世によってベネディクト教団が解散されるまで
400年以上も教団の修道院として存在、
そして、現在に至っています


身廊
ノルマン人によって建築された長さ76mの身廊





身廊の上の天井画
その身廊の上の天井画
ヴィクトリア時代に描かれました
八角形の間
大聖堂ほぼ中央の八角の間
1322年にノルマン時代の中央塔が倒壊
その後聖具保管人の2人によって
現在のこの八角塔が完成しています
約200トンの重量を支える8本の柱は
当時の構造建築技術は見事なものとして
現在でも偉大な事業として賞賛されています
八角塔の天井ステンドグラス
その八角塔の天井ステンドグラス

そして、正面玄関の床はガレリーポーチと呼ばれ
初期のイギリスゴシック建築様式として
1215年に完成しました


ガレリーポーチ

迷路好きな英国人
庭園だけでなく、教会の床にまで・・・
ついつい遊んでしまいます


イーリー大聖堂

開門時間   夏期 07:00〜19:00
    終日 休なし

冬期 07:30〜18:00 月曜日から土曜日
    07:30〜17:00 日曜日

入場料    £3.80 月曜日から土曜日まで
£5.00 日曜日


サイト Ely Cathedral - Worship








初めて訪れる街で最初に向かうのは
iマークのツーリスト・インフォメーションです
この街ではそのインフォメーションが

街のもう一つの見所になっています

それはロンドンのアンも最初に私に教えてくれた
アイリッシュにとっては終世の敵、
あのオリバー・クロムウェルの故郷であり、
彼の家族が移り住んだ館がそれです



オリバー・クロムウェル
オリバー・クロムウェル


オリバー・クロムウェルは
イーリーの近郊ハンティントンの裕福な地主階級の家庭に生まれました
1599年から1658年までの彼の生涯は
その時代の大波に乗り
59歳という短い期間をまさに駆け抜けた、と言ってもよいくらいの
様々な業績を残しています

そして、現代にも続くお隣の国
アイルランド共和国とイングランドとの関係を、
それは決して心穏やかなものでない感情を作り出した当の張本人でもあります


彼はケンブリッジ大学で学んだあと
1628年に庶民院議員となり
「ピューリタン革命」と呼ばれる最も有名な革命において
王党派とは対する議会派に属し
その革命の軍人としてもその名をあげました

当時の国王チャールズ1世をスコットランドまで追い詰め
議会派を勝利に導き、
後には対立していく長老派や
再び決起したチャールズ1世を処刑し、
1649年に自ら指導者となる共和国を築き上げました

しかし、その後革命軍の中でも急進的であった水平派を弾圧し、
貴族や教会から土地を没収して
1649年から1651年の2年間の間に
クロムウェルの考えとは対立していた
反議会派ケルト民族のカソリック派でもある
アイルランド、スコットランドへ侵攻
現代のアンをも憤らせるカソリック教会の破壊やその地に住む住民の虐殺、
その暴虐武人な侵略とも言える行為により
当時アイルランドをほぼ征服することによって
近代にまで続く植民地的基礎を作った者として
アイリッシュの怒りは今だに忘れられるものではありません

イングランドに戻った後も
中産階級の王党派・革命軍ということで国民には支持はされていたものの
1658年にインフルエンザであっさり亡くなってしまうと
この共和国の2代目も早々に引退し、
復活した長老派が1660年にチャールズ2世を国王に迎え
再び王政復古となりました


そのクロムウェルの家族が移り住んだのが
このイーリーの街の現在はツーリストインフォメーションにもなっている
“オリバー・クロムウェル・ハウス”です



クロムウェルハウス&ツーリストインフォメーション


当時の豊かな地主階級の暮らしぶりが想像できるこの館は
是非見学に値するものだと思います



インフォメーションの入り口



ツーリスト・インフォメーション

オリバー・クロムウェル・ハウス

開館時間   4月1日から10月31日までは10:00〜17:30
                 終日 休なし

11月1日から3月30日までは11:00〜16:00 月曜日から金曜日まで
                 10:00〜17:00 土曜日
                 11:15〜16:00 日曜日
*上記はツーリストインフォメーションの開館時間と
クロムウェルハウスは上記閉館時間の45分前に入場下さい

入場料    大人 £3.75 60歳以上 £3.25 子供 £2.50
家族 £10.00 (大人2人、子供3人)

*入場料はクロムウェルハウスのみです

連絡先 Tel 01353 662062  Fax 01353 668518
*連絡先は共通になります










この街でのお薦めのレストラン&フィッシュアンドチップス屋


The Old Fire Engine House
(ジ・オールド・ファイヤー・エンジニア・ハウス)


なんともユニークな名前のこのレストランは
地元の人々がとっておきの時間をゆったりと過ごしに来る・・・
そんな場所でもあります
それは家族の特別な会食の時や
気軽にお茶をいただきにきたり
結婚式の後のパーティーにも利用されることも多いそうです


大聖堂の正面入り口通りにあり
ツーリスト・インフォメーションとは目と鼻の先です


ジ・オールド・ファイヤー・エンジニア・ハウス


この一見してまるでレストランとは思えない一軒の家がそのレストランです
ともすれば通り過ぎてしまうような・・
古い家並みにしっくりと溶け込んでしまっているので
観光客よりも住んでいる人々の隠れ家的レストランになっています


この家は名の通り古く18世紀に建造されました
しかし、最も古い住居部分は1614年まで遡れる窓も現在残っているそうです
長い間この街の消防署として親しまれてきましたが
1968年に現在のレストランとギャラリーに
生まれ変わったそうです

バーには1912年当時のこの家の様子の写真もあり
それはまさしく街の消防署です

レストラン入り口
ひっそりと立てかけられた看板

住宅の玄関から入るようなレストランの入り口

居心地良さそうなバー
馬蹄型のカウンター

バー
バーのテーブル部分
暖炉の上に飾ってあるのは1912年当時の様子の写真
テーブル席は全部で60席
テーブルが一杯になってしまったら、
こちらのバーでのんびり待ちながら・・・ということもできます

サーブされるお料理は伝統的なイングリッシュ料理
なるたけ地元産のレシピにのっとったお料理を出しているそうです

外のボードにも毎日その日のメニューが案内されますが
今回いただいたメニューを見てみると

スターター

ハム リークとポテトスープ £4.80
スモークドサーモンパテ £8.20
フレッシュグレープフルーツ&オレンジサラダ£5.00
他5種




メイン

フレッシュ レモン ソールと海老とオランダがらし添え
ステーキキドニーパイ
ローストポーク&フレッシュハーブの詰め物
チキンの胸肉とスティルトンソース添え
などなど・・全て£15.50




デザート各種£5.00

     

住所 25 St Mary's Street Ely Cambs CB7 4ER
Tel 01353-662582


営業時間  10.30〜10.30 月曜日から土曜日
12.30〜05.30 日曜日
*但し、休日は不定期なので確認してください


*お子様メニューやベジタリアン料理も用意があります
また、ガーデンでのテーブルも可能ですのでお電話にて予約要です







さて、最後に
この国での定番でもあるフィッシュ&チップスが
思わず美味しい!と叫んだのが
この街に移り住んでまだ数年というチャイニーズ・アランのお店

Alan's Fish Bar

もしかしたらこの街の1押しにしてもいいくらい!の一皿です



アランズ フィッシュ バー

小さなお店はテイクアウェイのみですが
ここで揚げたてのお魚と山盛りチップスで
公園でほおばるもよし!

ウォーターフロントのベンチでのんびり食すのも最高です

メニューボード
豊富なメニューは魚だけでも
数種類あり選ぶのが迷ってしまいます
価格もロンドンに比べるとお安い!
£2.80〜£3.80くらいでお魚の単品はいただけます

アランさん
カウンターの中では注文を取ってから揚げてくれます
とても気さくなアランさんと店員さん
尋ねると今日のお薦めの魚を教えてくれます

地元のお客さんもひっきりなしに訪れていました

そして、今回はお世話になった方のご自宅での夕食になりました

アランズ バーのフィッシュ&チップス
Aran's fish Barのフィッシュ&チップス


隣りのチップスは1人前になります
この量を大人3人で食しても充分です

そして、定番のビネガーたっぷり降ると
不思議とチップスはあっと言う間になくなってしまいます



Tel 01353-663264
*営業時間などはお電話にてご確認下さい







ロンドンから約1時間くらいの列車で訪れる
小さな街のご案内
いかがでしょうか・・・?

時には大きな街の喧騒を抜け出して
のんびり1日観光して
普通の人々の住む
普通の暮らし振りをほんのちょっぴり覗いてみると
この国には古い歴史が様々な形で現代にも息づいています

以前訪れた街が変貌してしまうことは
この国でも多くありますが、
それでも私たちの国に比べたら速度はゆっくりです

ケンブリッジまでいらっしゃたら
どうぞ、このElyへも足を延ばしてみて下さい






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