今月のお薦め本 



〜2004年 9月〜

                                                         

この月の更新分がこんなに遅くなってしまって・・・ 決して『読んでいない・・』ということはありません
どんなに寝る時間がなくても、活字を読まない・・ということは息をしない・・ということにも等しいこと、私にとっては・・

遅れましたことを心よりお詫び申し上げます

この月に読み、ご紹介させていただきたいと思った数冊を一気に更新いたします

長い長い夏を引きずり、そしてやっと最後の数日のみこの月お決まりの台風と共に終わった『9月=苦月』として・・

是非皆様へ
様々なジャンルから英国物・・・を・・・

そして、来るべき時がきたら、すぐに飛び立てるように

例え、今すぐ旅発てなくとも
読んでおいて損はありません・・・と思います!!









回転スシ世界一周

玉村 豊男 著  智恵の森文化  定価¥629+税  2004年5月初版





回転スシ世界一周 ご存知玉村豊男さんと言えば『パリ・旅の雑学ノート』などの
ロンドン、東欧と続くシリーズや
現在は長野県東御町に移住され、「ヴィラテスト農園」を開き
尚且つ画家でもいらっしゃる・・・
すでにいくつものお顔をお持ちの方

大学卒業後、パリへ留学
そして帰国後は添乗員などもこなしながら、
その後は隠れたガイドブックのベストセラー“旅の雑学ノート”書き上げる
翻訳業、通訳業、そして添乗員さんなどを経ての旅の達人へ
現在ならばリュックしょった同胞の旅人に会う確立も高い昨今
その時代はまだまだ先駆者の旅行者だったことでしょう

私が玉村さんの著作を初めて手にしたのは
『ロンドン旅の雑学ノート』
辿り着いた初めての異国の街での感激は
今思い出しても鮮やかな記憶として残っています
(グリーンパークで母が握ってくれた梅干入りおむすびをほおばりました)
しかし、ロンドン含めそのシリーズは現在改めて読み返すと
著者の食べ物に関する究極なまでの探究心は
今に通じていることがよくよくわかります・・

そんな玉村さんの著作本はどの1冊も逃がすことなく大好きで
ほとんど出版される度に素通りできない体になってしまいました・・・
実はこの1冊もハードブックが出版された2年前にも手にしています
しかし、今回は文庫化にあたり修正加筆された
見ているだけでもウキウキするような表紙のこのリニューアル版は
1度読んでいるとはいえ・・ほおっておけませんでした 

さて、肝心な内容はタイトル通り著者が1999年から2000年にかけて
日本の文化『寿司』は寿司でも“回転スシ”を追って
日本〜パリ〜ロンドン、
アムステルダム〜ニューヨーク〜ロス・アンジェルスへ
正しく世界一周
その各国で展開されている『回転スシ店』を追って
どのように食されているのか?
この文庫本の前書きにご本人が記されている通り
〜この本はこれまで書いてきた50冊を越える本の中で、
ひょっとしたらもっとも面白い傑作ではないか?と自負しています〜
本当に楽しい!面白い!1冊です

日本にいるともちろん敷居の高いお店から、
ちょっとお昼のお弁当の代わりの折り詰めお弁当まで
様々なおスシがあって当たり前、のお国です
そして、最大なもの食べ物の特徴である『生魚』とスシ飯を一緒に食す
もともとお米に対しては、私達は主食、彼の国の方々にとっては『野菜』

彼の国では、どんな高級スーパーマーケットを覗いては、
どんよりとした目の魚か、どんなさばき方をしているのか??の切り身・・
料理の苦手な私だって『生食』はご遠慮したいような輝きの怪しい魚達・・・
正直彼らの生魚に関する向き合い方を充分理解できるような、
そんな妙な説得力が感じられるお魚屋さんの魚達

しかし、昨今の「健康ブーム」ということでその分野については
貪欲な彼らのおスシに関するデータ収拾は見事なもので、
ここ数年の日本食ブームは雨後の竹の子の如くの成長振りは
渡英するたびに目を見張るばかりの展開でした

そうなってきたら、手頃に食し、尚且つ見新しいもの好きの彼らにとっては
この回転スシはツボに当てはまりすぎ 
あたらないわけはありません

我が国以外の各都市で奮闘する同胞の努力や
彼の国々の方々の新しい発想は
私達の想像を遥かに越えています 
是非ロンドンいらっしゃる際は
この御本でご紹介している『回転スシ』を体験してみたい  と
旅の期待の一つにまでなりますこと、請け合いです 

そして、何よりもこの著作の最初の見開きページを飾る
各国の色鮮やかなご自慢の『おスシ』は見ているだけでも美しいし、
我が国では見られない、体験できない、
様々なおすし屋さんのご披露にびっくりです!・・笑ってしまいました 

旅に出てこそ食べることのできる、このおスシたち

これぞ!旅の醍醐味!に他なりません!!










アーサー王と聖杯の物語&アーサー王最後の戦い】

ローズマリ・サトクリフ 著 山本 史郎 訳 原書房 定価¥1,600+税 初版2001年5月





アーサー王と聖杯の物語&アーサー王最後の戦い 皆様ご存知英国の正統派?『King of King』と言われる
アーサー王伝説物語です
様々な方々にこの物語が受け継がれ語られてきた・・・
しかし、私は恥ずかしながらこの物語を今まで読むことはありませんでした
それは子供時代から読む機会もなく、
又その後も手にするチャンスがなかったのです

しかし、ある読書番組の中でこの著者が紹介され、
先ずは私が興味を持ったのはこの“ローズマリ・サトクリフ”という
一人の歴史小説家に引かれたことに他ありませんでした


この著者はすでに92年に残念ながら没しています
しかし英国を代表する歴史小説家であり、
1959年にはすぐれた児童文学に与えられるカーネギー賞を受賞し、
その後はイギリスの伝承の再話・成人向けの歴史小説などで
1975年には大英帝国勲章(OBE)を贈られています

その中でもアーサー王を『サトクリフ・オリジナル』として三部作に仕上げ、
このわくわくするアーサー王を
子供から大人まで読むことができる物語に書き上げています

実はここでご紹介したかったのは、
1部の『アーサー王と円卓の騎士』を除く・・・2・3部
1部は1番皆様にも広く知れ渡っている物語で
如何にしてアーサー王が誕生したか?
有名な円卓に騎士がどのようにして結成(?)されていったか?
また、その100人の騎士とアーサー王を中心に
如何に沢山の物語が出来上がっていったか・・?
正にページをめくっていくのも、もどかしくなるような冒険満載の1部でした

しかし、その後時間を措いてこの2部・3部を読み進むうちに
サトクリフのアーサー王物語の真の主役は・・
実はこのサトクリフ版はこの偉大な王ではないのでは?ということに
うすうす気がついてきます・・・
それは“アーサー王”物語・・でありながら・・です

この著作だけでなく、彼女の訳本を数多く手がけていらっしゃる
訳者の山本さんも最後の「訳者あとがき」で語られていらっしゃいます
それはサトクリフの一つの解釈なので、
きっと他のアーサー王物語の結末とは違っているのかもしれません

しかし、私にとっては第3部の「アーサー王の最後の戦い」の
最終章を読み終えた時は涙が止まりませんでした
これは正直この年齢になって、本の熟語涙が止まらない・・という著作に
何冊出会えることでしょう
そのような本を手に出来たことは『神様の与えてくださった賜物』
(私は無神論者ですが・・ご都合で時々神様は存在します・・)と
感謝せずにはいられませんでした

そして、ご存知のようにアーサー王は伝説ではなく、
実在の人物だったのではないか?という解釈も進んでおり、
英国南西部はコーンウォールに今も残る『ティンタジェル城』を始めとして
見所が各地に沢山あります 

サトクリフのこの3部作を追っていくうちに
この壮大な物語が実在であってほしいと願うとともに
例え1度は訪れた街でも再びこの物語を追う旅が出来たら・・と

その旅を作るに当たって現在英国観光局にて下記のサイトで
詳しくご紹介しています

http://www.uknow.or.jp/bta/theme/moviemap/arthur/index.htm

この夏に映画を見逃した(私もその内の一人です・・
 )
皆様に是非!!
沢山ある物語の中でも私はこのサトクリフ版をお薦めしたいです
 

そして、王ではない・・・もう一人の生涯を綴ったこの長い物語で
最後に涙を流していただきたい・・と心からそう思うのです・・











【イギリス 鉄道の旅 2004-05】

地球の歩き方 BY TRAIN ダイヤモンド・ビック社 定価¥1,800+税 初版2004年2月





イギリス 鉄道の旅 英国の旅に於いて私達にとっては『鉄道』をほぼ考えなく
周遊することは難しいことだと思います
まだまだ正直な話レンタカーでご自身の旅を可能される方は
少数派・・・です
と、なるとやはりダントツは『鉄道』 

近年のパッケージツアーでも参加するお客様の数を多くはせず、
添乗員さんについての列車の旅も人気があります

しかし、まだまだそのツアーを企画し、実行に移すのは
正直な話・・旅行会社でもなかなか踏み切れるものではありません
それは、列車は座席数が限られている事と
最大の問題は人数の多い旅行者ご自身と
そのお客様のお持ちになる大きなお荷物を積み込む、
そしてその積み込むまでの作業を添乗員さんだけでは到底無理なお話
・・その為には各駅で停車時間が限られている駅で
その作業を難なくとりおこなうことは
予め駅にいるポーターさんの協力が必須ですが、大きな駅でもない限り
現在はめっきりそのポーターさんの数が少なくなった事・・と
様々な困難が立ちはだかるからです 

ですから、人数が多くの団体でのツアーでは
列車を使っての移動に関しては企画側は正しく『・・飛び降りる・・』が如く、
出発前の添乗員さんや現地係員さんとの綿密な打ち合わせは
言うまでもありません・・・

ですから、この『列車の旅』というのは
個人旅行の最大の利点や特権と私は思っています

我が国を旅することでもお楽しみはやはりのんびり〜な列車の旅
車窓を見ながら好きな時間にお茶をすすりつつ、
ビスケットを齧り、飽きたら居眠りもできます
その間に列車は確実に目的地へと運んでくれるのです・・
(たま〜に自分の目的地とは反対方向へ進んで、又は乗り過ごしという
ご愛嬌もありえるのですが・・)

特に英国の鉄道は近年民営化により
同じ路線を様々な会社が乗り入れています
ですから、同じだけの駅の数なのに運行時間の若干の違いや
列車の特徴も大幅に違っています
例えば・・ロンドン・キングス・クロス駅からヨークへ向かうのに
発車時刻の違う列車に乗ったら、A社の列車は内装も古く趣きがあり、
目的地まで2時間20分
しかし、B社の列車は新しい車両で近代的なトイレで食堂車までついていて
目的地まで2時間15分で到着する、というように
地域によっては日本の鉄道のように各地区で民営化ではなく
同じ路線で様々な会社が参入しています
機会があったら同じ路線を違う会社の列車に乗ってみるのも面白いです 
(ちなみに最近何度か乗ってみて最新式ってこういうことかしら・・と
思ったのは、あのヴァージンアトランティック社の車両のトイレ
ドアの開け方・閉め方・水の流し方・・など近未来的でした・・私だけですか・・?)

さて、ご紹介しますこの著作はご存知『地球の歩き方』シリーズの列車編
しかも、各国の名物列車路線を美しい写真付きでご紹介しています
そして到着地のエクスカーション・見所の案内まで・・さすが!

特に列車発祥のお国柄
最新式の列車からもくもくのアンチィークな蒸気機関車まで様々な列車を
ご紹介しています

同じ移動するなら、
せっかくですからその乗り心地や景観も楽しんじゃいましょう  と・・
確かに列車に乗る為には正確な時刻や路線経路はもちろんですが、
やはり目的地の観光情報を少しでも多く入手しておくことは大切なこと 

ちょっぴり大判のこの1冊で今回は私も行く路線の何本かを調べました
路線調べの愉しさに加えて、お宿・観光地の案内は目にも鮮やか 
1冊で二粒おいしい・・・

旅に出る前にこの国の鉄道事情を手っ取り早く頭でも目でも楽しめる
ガイドブックです

そうそう・・・人気のコッツウォルドへの路線紹介も載っていますので、
そちら方面へいらっしゃ方には重宝されるかもしれません・・・













こちらのページに関しては、全て私の独断になります
お読みになっていただいた後のご感想は、皆様それぞれに感じることに相違があるかと思います
その旨ご了承の上、お楽しみいただけたら幸いです
  





    Top New ページのTop 

03年 9月 10月 11月 12月

04年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

05年 1月 2月 3月 4月 5月 6・7月 8月 9月 10月 11月 12月

06年 1・2・3月 4.5月 6月 7月 8・9・10月 11月 12月

07年 1・2月 3・4月 5・6月 7・8月 9・10・11月