〜2004年 12月〜
とうとう今年最後の月になってしまいました
この1年間の総決算!
な〜んて思いながらも、もう少しここも行きたかった・・あそこへも行ってみたかったよー・・と『総決算』どころか・・
まだまだ時間が流れるな〜!!っと、1年が過ぎ去りかけている事に思考も体も追いつきません
それでも時間は待ってはくれないので、諦めて、改めて・・
新しい年への期待と
残り少なくなった今年の締めくくりに何を読もうか・・?
さて、今回も様々なジャンルから英国物・・・をご紹介していきます
そして、来るべき時がきたら、すぐに飛び立てるように・・・
例え、今すぐ旅発てなくとも
読んでおいて損はありません・・・と思います!!
【テムズの流れに乗って】 〜英国より心をこめて〜 大野 敬子 著 早川書房 ¥1,400+税 2004年9月初版 |
|||||||||||
先ずは眼についたのは『やさしい』水彩画の表紙 タイトルは考えるまでもなく・・英国のお話し 早川書房さんは、正直私にとっては“ミステリ”部門で日々楽しませていただいている出版会社さん こんなに優しいタッチの表紙の著作本ってめずらしいなあ・・が第一印象 どう見てもロンドンの『背骨』とも言える、テームズ河にタワーブリッジなど 一目でその場所がわかる、という表紙からも英国からこの著者はどんな文章で綴っているのだろう・・と・・・ そして、副題の“英国より心をこめて” 一瞬何気ない目新しい言葉ではありませんが(失礼!)著者からのストレートな私達への想いが伝わってくるような・・ 逆に今だからこそ、新鮮なフレーズとして映りました いつものように著者さんは一体どんな方だろう・・・と興味深々です 大野敬子さんのご紹介は、裏表紙の“著者紹介”を見ると 思わず“おおおおっっ・・”と後ずさりしてしまいそうな・・・ちょっとビックリ! 外交官のお嬢さんとして、また嫁がれてから、ウィーン、ヨハネスブルク、ロンドンと海外での生活と、 そして特に英国には駐英大使の娘さんとして渡英以来通算34年になられるという長い英国暮らしの方です 現在もロンドンにてホメオパシーの学校管理に携わるかたわら日本語教師もなさっていらっしゃる、という超ご多忙なご夫人です 『英国旅行記』という章もありますが、 著者が今まで体験してこられたお嬢様時代から妻・母・働く女性として お一人で何役をもこなされていらっしゃった長い月日に英国に関して感じてきた事などを克明に綴っていらっしゃる章の方が 私は興味を持てました 第一部の“英国の人”は文字通り英国に暮らしてからのご友人やご近所の方々、 そして数少ない特出された人々に与えられた特権を著者は活かし、 王家の方々や高名やそうでない方々にお会いされたご経験など 第二部の“英国旅行記”は滞在中にいらっしゃったコーンウォール、スコットランド、アイルランドへの旅 第三部は“子供たちと私の学校生活” ・・母としての英国に於ける現代の教育姿勢をご自身の息子さん達を通して そして、ご自身の学生時代の思い出を・・・ 第四部はこの1冊での締めくくりとして “ロンドンに暮らす” ロンドンで暮らしていらっしゃる生活の中で音楽や社交充分のゴルフクラブでのこと そして、『エリザベス女王の戴冠25周年記念と50周年記念』 この2つをご自身の目でご覧になれる方はそうそういらっしゃらないはず この国からロイヤルを外す事が出来ない・・・そんな私達には解っているようで きっと外からしか感じることの出来ない以上の想いを著者の目を通してこの国に暮らす人々の素顔が ほんのちょっぴり覘けるような気がしました とりわけ様々な話題を世界中に提供してくれていらっしゃるこの国の王室に対する国民の感情を冷静に見つめ そこには何十年住まおうとも著者は『英国民』を持ち上げることなく綴っています “・・・仕事はのろまだし、怠け者だし、約束は守らないし・・・中略・・・ 植民地を支配していた名残から未だに態度は横柄で偉そうにしている割にはダメな国民であると 常日頃から密かに思っているのだが、 (著者は2度も泥棒に入られ、結局は犯人が見つけられない・・) こと王室関係の行事に関しては英国人は抜きん出てどの国よりも上手で光り輝いてしまう。 まったくすごい。 あれだけたくさんの馬や守護兵が一度に出場し、一糸乱れぬ完璧な行動ができる、ということは容易ではないはずだ。 ・・中略・・何万人もの人が集まっても怪我人の一人も出ず、おのおのがきちんと秩序を保つ。 そして、いかなる立場におかされても ポリスはにこにこしながら穏やかな態度で民衆を確実に自分達の手中に収めてしまう。 あの見事な働き振りを見ていると泥棒なんか捕まえなくてもいいじゃあないか、 許してあげよう、という気分になってしまう。 ・・・中略・・確かに英国は何かにつけ王室が出てページェントが繰り広げられる ・・しかし、何度見ても飽きない。大変な迫力なのだ。 英国人は女王様を見て自分の国の偉大な過去を知り、誇りを感じる。 だから熱狂的にサポートできるのだ。 なんといってもユナイテッド・キングダムはこういうときにはしっかりとユナイテッドで ユナイテッド・キングダムは健在である。” このようにストレートに表現してしまう著者の描写に普段から飾らないこの方を 想像せずにはいられなくなってしまいました 様々な年代の、様々な捉え方・感じ方は1つではありません 見ている先は同じですが、まったく違う見方を知ることはとても新鮮で、まるで新しい何かを発見したような気がします この1冊を熟読したことにより、いつもの“英国”が違った国として映りそうで・・・私は次の彼の国への旅が楽しみになってきました |
|||||||||||
【英国お菓子めぐり】 山口 もも 著 石井 理恵子 企画・構成 叶V紀元社 ¥1,600+税 2004年12月初版 |
|||||||||||
さあ!お待ちかねの『お菓子の本』 この1冊は出来たててほやほや・・・発売も先週12月10日 本を開くとまだまだ懐かしいインクの香りが・・・ 発売まじかということで本書の情報が2004年春から11月までの新しいものであることにもこれからの旅情報としては嬉しい限り・・・ これはポイント高い旅の案内本にもなります おフランス菓子やドイツ菓子のように華やかでも、重厚(?)でもないけれど・・ とても家庭的でどこか懐かしい香りの英国菓子 開いていくだけで気持ちがホッとしてこの季節には何だか心温まるような気がする1冊です それは全面に散りばめられた手描きの色暖かな、お菓子同様、著者の素朴なイラストによるものかもしれません 上記ご紹介でお気づきになられた皆様もいらっしゃるかと思いますが 『企画・構成』は私、大好きな英国本の著者のお一人・石井理恵子さん この1冊が発売されるちょっと前にこの著作発売記念の茶話会にお声をかけてくださり、 著作の山口さん・石井さんと初めてお会いする機会を得ることができました 著者の山口ももさんはこの表紙の坊やのようにまったく邪気なく、『お菓子大好きーーっ』がもう体中から伝わってくるような・・ お話しを伺えば英国在住で元々は彼の国へ“お菓子留学”・・・お菓子作りを習いに渡英された、とのこと そして、現在も様々な英国菓子作りの実践はもちろん!日々探求されていらっしゃる、 とてもその可愛らしい外見からは想像できないくらいバイタリティ溢れるお嬢さんです 石井さんはそんな山口さんからまたまた英国へ旅する方々の興味を充分に満たし、導いてくれる企画を打ち出し、 お菓子好きにはたまらない!この1冊を生み出してくれました 本書は英国をそれぞれのお国、大きく分けて5つの構成から成り立っています
その地域毎に生み出されてきたそれぞれのお菓子を、そのレシピと共に山口さん自らのイラストでご紹介しています 例えばロンドンを含む広い範囲の南・中部イングランドからのトップは かの英国の栄えある王室な中でも名高いヘンリー8世ゆかりのお菓子『メイズ・オブ・オナー』 今までの英国関係本でも多くの著作でもご紹介のこのお菓子 先ずは1ページを使ってのお菓子のご紹介と共にヘンリー8世について このお菓子のレシピ(イラストにて)、メイズ・オブ・オナーが食べられるお店のご紹介・・と 一つ一つについてとても詳しく、そして旅に出なくてもこのお菓子を試せて、 旅に出たらそのお菓子が実際に楽しめる地元の素敵なティールームの案内はもとより、 お菓子作りに欠かせない材料のついての説明や購入ルート、 大好きな地元にお住まいならではのフード・マーケットの紹介や興味深い食料専門店のご紹介、 お菓子で有名な企業さんへの取材の様子など本当に盛りだくさんな1冊です 特にスコットランドでは英国のお菓子と言えば、正に代表選手と言っても過言ではない『スコーン』 このお菓子はイングランド産、と思っていた私はスコットランドから・・ということにもビックリしました このスコーンはスコットランドはかのエディンバラ城へ曰くつきで現在は守られている 歴史上最も重要な『運命の石・スクーン』からその名が付けられた、という一説に その経緯や何だか先日実物を見てきただけにうなずけてしまいました・・・ (その運命の石・スクーンについてもしっかりとご紹介されています) 私自身、スコーンと言えばコンビとしては最高の、 イングランド南西部のデボンシャークリームでのクリームティーのイメージがとても強すぎましたので・・・ でもご紹介を読む“なるほど〜〜”です そうそう、忘れちゃいけない! 『ショートブレッド』もスコットランド最強の、英国のお土産として常に上位に納まるお菓子 このウォーカーズ工場見学記もとても興味深いもの 普段お土産として友人や自分へ、またまた頂いたりすることも多いこの一品 更に旅への後押し、 そして、お菓子作りの好きな方々には本当に簡単に気軽に作れるこのお菓子に愛着が湧くことでしょう! 最後の章でもある『季節のお菓子』は4つのシーズンの、どの季節に英国へ訪れても ティールームやフード・マーケットや街のショップのウィンドーなどからも楽しめるお菓子のご紹介 また、ホームスティなどの英国家庭にご滞在される機会にもお楽しみいただける・・・こと請け合いの・・・お菓子 又、 正しく今いる我が家のキッチンでも! これから旅へのご計画のある皆様へのガイドブックとしての本書の読み方と!・・1冊で幾通りにも楽しめる この時ばかりは『お菓子好き』が如何に旅の幅を広げてくれることか・・・と嬉しくなってしまう1冊でした! |
こちらのページに関しては、全て私の独断になります
お読みになっていただいた後のご感想は、皆様それぞれに感じることに相違があるかと思います
その旨ご了承の上、お楽しみいただけたら幸いです
03年 | 9月 10月 11月 12月 |
04年 | 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 |
05年 | 1月 2月 3月 4月 5月 6・7月 8月 9月 10月 11月 12月 |
06年 | 1・2・3月 4.5月 6月 7月 8・9・10月 11月 12月 |
07年 | 1・2月 3・4月 5・6月 7・8月 9・10・11月 |