今月のお薦め本 



〜2004年 2月〜

                                                         
新しい年が明けてすでに一ヶ月が経ち、通常の生活パターンができて慣れてくる頃でもあります


さあ!この寒さもあともう少しです・・
今月1〜2回でも雪が降り、梅も満開になる月です
梅ってとてもかわいい花ですが、小さいし、気がついた時はとちょっと枯れかかってしまっている・・
今年こそ!と思いつつ毎年悔やむのは私だけでしょうか・・・?
青空高く、お月様が夜とても美しく見ることの出来るものこの時だけ、
そして、この冬買った着そびれていたセーターを楽しめるのも今この時だけ!

この空気が澄んでいる時間も終わりに近づきつつあることにちょっぴり残念でもあります

さて、今回も様々なジャンルから英国物・・・をご紹介していきます

そして、来るべき時がきたら、すぐに飛び立てるように・・・

例え、今すぐ旅発てなくとも
読んでおいて損はありません・・・と思います!!


今月はお菓子の月


許すか NOか
イギリス・ニッポン57年目の和解

高尾 慶子著 展望社 定価¥1,429+税 2003年初版



許すかNOか 高尾慶子さんの御本はもうご存知の方も多いかと思います

『イギリス人はおかしい』『イギリス人はかなしい』
『イギリス人はしたたか』のように
この3部(?)から、最近の著作は
イギリスとニッポンとのそれぞれのお国柄に焦点が
進んできているように思います

正直なところイギリス人〜の3部はこちらではご紹介するのは
・・ちょっと・・趣旨が違うように感じていました・・
しかし、昨年の2冊『イギリス・ニッポン言わせてもらいまっせ』から
この本書に関しては彼の国を個人で旅する方々には
是非頭の片隅にでも必ず入れておいてほしいなあ・・と
私自身が日頃切望していることでもありました


第一章の「戦争を知っている人と、戦争を知らない若者へ」から
始まりますが、
私自身もう若者という枠には入らない年齢になっています
けれど、やはり“戦争”を知りません
しかし、実際に体験をしている母からまるで昨日のことのように
小さな子供の時から聞かされて育っているものですから、
いまの若者の親御さんに当たる方々が伝えない限りは
高尾さんが訴えていらっしゃる事柄を小説を読むような感覚で
終わってしまうかもしれません
そして高尾さんも本書で書かれていらっしゃるように
戦争を知らない、では日本人として他国では許されません


本書でも出てくる98年に私自身英国におりました
天皇皇后が訪英された5月、終戦記念日の8月も・・・

本書の中に出てくるお話を
現地でほんのちょっぴりですが、体験をしています

個人で旅をしていて、現地の方々とお話をする機会に、
話題に上るのはお天気の話と同じくらい多いのが
政治のお話です
そしてタブーなのが・・・実は戦争の話・・・と思います・・
そのわけは言わずもがな・・・なのです
この1冊を実は読破するのが途中で苦痛にすらなりました・・
が!
やはり最後まで読んで良かった・・・
知らないでいては、又は私のように感じていても目を瞑りたい・・
と思う気持ちに蹴りを入れてくれます
(それがこの高尾さんの持ち味で、私はそこが好きです 
但し、少々暴走かな・・と感じるのは関東人だからでしょうか・・)

どんなに仲が良くなっても、様々なおしゃべりが出来ても
1番慎重に、という思う話題が
私にはこの戦争のお話だと思うし、
またその理由も明確にこの1冊を読んでいただければ
より一層ご理解いただけるかと思います


あの大戦も今は一つの歴史ではあるけれど、
昔々の歴史だけではなく
近世の重要な史実から続く現在をしっかりと知る為にも
旅する前にこの1冊を読んでいただければなあ・・と思います





先ずは定番のガトーショコラ

【イギリスは、ゴルフがようこそ!

三井 森雁著 文芸社 定価¥1,200+税 2001年初版




イギリスは、ゴルフがようこそ! 久しぶりに『ゴルフ』です!
今週に入ってから、これが2月の陽気!?と思うほど・・
先週のあの寒さは何だったんだ!!
そうなれば・・やはり『ゴルフ』です
この1冊は素直に「ゴルフって愉しいなーーっ」、
そして何を於いてもリンクス  


著者の三井さんはお仕事で米国赴任後、
次の勤務場所として英国はロンドンでの転勤を命じられます
かのアメリカではテニス
そして英国なのだから・・・ゴルフを始めよう!
から・・ギア(ゴルフクラブセット)を揃えるところから始まり

もちろん!ご家族への異国の地での生活が整ってから
(と、いうところがとても好感の持てる家族の大黒柱です!)

仕事先へ向かう毎日の道のりの行程で
9ホールのショートコースを見つけて、
個人レッスンを受け、そしてコースへの挑戦・・
ご自分の生活範囲からどんどんその輪を広げ、
とうとうゴルフの聖地・・・リンクスランドへ向かいます・・・


著者の三井さんのゴルフを通して
英国のイングランド〜スコットランドでの歴史・生活習慣・文化をも
体験していく様が自分の経験のように、
脳にズンズン入ってくるようで、とても楽しめる1冊です 


私事ではありますが、私のコースデビューは恐れ多いながらも
あのリンクス・・『ゴルフの聖地』セント・アンドリュースでの
ジュビリー・コースでした・・
あの頃はまさか・・そんな大それたコースに挑戦していたとは・・
今でもその事を思い起こすと背中に汗が流れます・・・
三井さんのように順序だてて彼の地に臨む
それが正しいスタイルであり、
相手(この場合はコースも含め)にとっても、礼儀だと思っています

ですから、初めてゴルフってどんなスポーツ?と
思われていらっしゃる方々には
この三井さんの御本をお薦めしたいのです・・
著者の驚きや興奮!アドバイスがまっすぐに私達の体へ
ストレートに心地良く入ってきます 
また、ゴルフを初めて2年後に聖地へ赴いた著者の足取りは
とても興味深い場所・街ばかりです
別ページ・スポーツの窓のゴルフページにも
ホンの1部ご紹介
いたします
そちらもどうぞお楽しみになって下さい

例えゴルフプレイをしなくてもリンクスでのお散歩ほど
贅沢でその時間を堪能できる至福の時であることを
沢山の皆様にもお薦めしたい・・と常々思っておりました
現在の私は旅の目的の一つとしてその時間が組み込めるよう・・
これからの季節の旅の企画作りを楽しんでいます 


 



フランボワーズ

遥かなるケンブリッジ
一数学者のイギリス

藤原 正彦著 新潮文庫 定価¥428+税 平成6年発行



遥かなるケンブリッジ 私は『元気』がなくなると無償に読みたくなる本が
何冊かあります・・・
この藤原先生の一冊も大事なそんな本達の中の1冊です
ご存知先生は故新田次郎と藤原ていのご次男
現お茶の水女子大理学部教授
藤原先生の著作は常にどんな世界で生きても
『負けてはならない』という気概がビシバシ本を通り越して
体中に染み込みます
訳もなく「よ〜し!負けるもんかっ!」という力が沸いてくるのです
本当に数学者、というおおよそ文章の世界とは程遠いご職業・・
と思うのに・・どの文体も生き生きとしていて
まるで目の前にその光景が映画を見てるが如くの情景描写に
ぐいぐい引き込まれていってしまいます・・・

この1冊は発行された年数・内容も
著者が英国のケンブリッジに家族共々研究滞在していた
1987年8月からの1年間の間のお話です
文部省長期在外研究員としてケンブリッジ大学での生活は
私達一般人にはちょっと程遠い世界・・と思いきや・・
確かに・・・この大学での生活などは本当に縁遠いものです
旅行者としてしか訪れることができない私達にとっては
あの美しい重厚な校舎の奥の奥まで入り込むことはできません
また運良くある期間留学することができても
(もう残念ながら生まれ変われない限り
この可能性は私にはありません・・ )
この大学に潜む、又は潜伏する歴々の教授達の日常・・
とても同じ次元に生きている人々とは思えない世界が
広がっています・・・

家族の次男・次郎が5歳にして学校内でのいじめに合い、
そのことが如いては実は私達にもとても関係のある
“レイシズム”にまで発展することに於いては
とても「子供の世界」では片付けられない問題として
心に突き刺さります・・・

毎日いじめられ、言葉もわからない体の大きな同級生に殴られ
あざを作って、やっと安全な懐・我が家に帰宅しても
父は、“戦え!やられたらやり返すのだ!”と
○○の一つ憶えのように繰り返します
たった5歳の子供に・・・
この時ばかりはこの親父・・・、としか思えない・・・
それでも次郎なりに頑張る姿に思わず目頭が熱くなります・・・

とうとう彼一人が負った傷があまりに大きくなり
これはいじめっ子という問題だけではなく
やっと “レイシズム”では・・と気づきます
敵地に乗り込んだ藤原家は孤軍奮闘サムライの如く
大国イギリス大名へ真っ向から立ち向かっていきます
それは次郎一人の問題だけではなく、
家族それぞれが違う立場で実は負っていた問題へも
繋がっていたことが徐々に明らかになってきます・・・
違う文化・歴史・生活様式などの中で外国に住む・・ということが
如何にして家族一人一人様々な種類の壁を
乗り越えなくてはならないか・・・
しかし、その壁を乗り越えた時には
どんな素晴らしいことがちゃんと待っていてくれるか・・・
読後のサッパリとした清涼感は何とも言えず魅力的です 

ちょっと違う視点からの英国感がたくさん散りばめられた1冊です
是非緑多い美しいケム河沿いの大学街
このケンブリッジが旅の予定に入っていたら・・・
お出かけになる前に熟読されることをお薦めします




オレンジとイチゴのケーキ

【鉄道で行く イギリスの町】

植村 正春編 グラフィック社 定価¥2,300+税 1997年初版発行



鉄道で行くイギリスの町 旅に於いての私の秘密兵器・・とも言うべきこの1冊・・・
本来ならばご紹介は差し控えたかった・・・
でもでも・・今月は「来月から旅に出ますーーっ」という
嬉しいご報告が多かったものですから・・・
ついついまだまだ飛び立つこの出来ない私がしくしくしながら
眺めてしまうのが・・・このムックです・・・


ここでは写していませんが、実はこの本の上の部分には
色取り取りの貼り付けた付箋の多いこと
その付箋の付いている町々へはすでに訪れた印・・・
けっこう制覇したかな・・・と思っていたら・・なんと!
115の街や村が紹介されています
まだまだ先は長く・・またまた行きたくなってきてしまいます・・・

この本はロンドンの主要鉄道駅別に行く先が分類されていて
また巻頭ページの英国の地図上にはその鉄道駅路線色別に
路線図が記されているので、目指す街や村がどの駅から・・
またどの路線に繋がっているかがひと目でわかります
とても実用的で、尚且つ紹介されている場所は
どこも魅力的なところばかりです 

そして、その目的地の場所は行き方の紹介はもちろんですが、
その他には町の概要・周辺地図と見所溢れる観光ポイントが
紹介されています
周辺地図にはツーリスト・インフォメーションが記されていれば
そのオフィスの電話番号・・・これってとても嬉しい配慮です 


この1冊で旅のプランの1つや2つや3つ・・・
なんて幾種類も作れます・・・
久しぶりに私もプラン作りを愉しみます・・・
でも・・・やっぱり・・・作ったら・・・行きたいですよね・・・しくしく・・・


よ〜しっ!
目標は5月だーーーっ!
(計画は何時でもいくつでも立てないと進んでいけません・・・)









こちらのページに関しては、全て私の独断になります
お読みになっていただいた後のご感想は、皆様それぞれに感じることに相違があるかと思います
その旨ご了承の上、お楽しみいただけたら幸いです
  





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