今月のお薦め本 



〜2005年 09月〜

                                                        
残暑厳しかった今年の9月も気がつけば・・・
もう残り何日か・・やっと涼しくなってまいりました
すでに湖水地方でのこの時期はすでに葉も黄色に染まり
私にとっては初めて訪れた
あの地方がその色に染まっていた美しさを思い出します 
日本を出発した時はまだまだ半袖Tシャツで充分だったのに
ついつい我慢できずに湖畔の小さな街のショップで
セーターを買った記憶も昨日のことのようです

今年の夏のお問い合わせで多かったのはウエールズ地方とこの湖水地方

どちらも夏がベストシーズンであることが間違いないのですが・・・
観光客が途絶え始めた本来の静かな場所に戻りつつある
この2つの地方はちょっぴりお薦めです 

さて、今月も旅発てない気持ちを本に託して来るべき時に備えて
ほんの少しでも楽しんでいただけたたら幸いです






世界の建築・街並みガイド



〜イギリス・アイルランド・北欧4国〜


世界の建築・街並みガイド


渡邉 研司+松本 淳+北川 卓 著  エクスナレッジ  ¥1,800+税  2003年4月初版






今年の春先にロンドンを訪れた時に
あまりの建設ラッシュに目を丸くしました
テームズ河の付近は以前からあたらしい建物が
雨後の竹の子の如く次から次へと斬新なデザインの建築物が建てられ
我が国でもしばしば言われるように
建設業界が元気だとその国の景気も上調子↑
ここ数年の英国の経済の活性化の成功が見えるような気がいたしました
元々美術品も建築物全般人の手で作られたものには
無条件で感動してしまう私にとってはこの1冊はもう一つの旅のガイドブック


   

執筆者は3名のお名前が載っているけれど、
巻末を見ると10名のメンバーのお名前が列記されている
それも皆様ご出身の最終学歴を見るだけでも“ほ〜〜”と
ため息の出るほど立派な経歴をお持ちの方々ばかり
しかし!それは一般的にもそうなのだけれど
『Architectuer建築』の世界でも優秀な学歴持ち主達

・・・・最初の新卒で入社した建築会社での5年間の勤務で私は知っている・・・・
この世界では狭い日本での建物ばかり見ていたのでは先に進まないこと
そして、『建築』の世界では
留学先が結構ドイツ・おフランス・英国と
留学された経験を持つ方が結構多いのだ、ということ

特にヨーロッパでは
古い建物がいまだに健在であるばかりではなく
その何100年も経っている歴史ある建築物と
時代時代の新しい建築物を上手に融合させる術は
この『欧州』に勝るものはない

余談ではあるが
私の古巣とも言える新入社員時代を過ごした、
建築業界では業界30何番目の会社での上司の何人かは
まだ羽田空港から国際線が飛び立っていた時代に
独逸への企業留学を経験していました
その後それに続く先輩達はおフランスへ、と
斬新な住宅コンセプトを勉強しに送り出されていました

ですから、私もまだ建設会社勤務時代に
初の海外旅行にヨーロッパを目指したのは
そんな尊敬する上司・先輩達にお酒の飲み方を教わりつつ
若き留学時代のお話を伺っていた事も
きっと頭の片隅に芽が出ていたのかもしれません


   


先ず英国に降り立ってほとんどの旅する人達が滞在する首都・ロンドン
そのロンドンのおへそにも該当するピカデリー・サーカスは
ご存知の“エロスの像”から5つの道をはきだしています
その一つがリージェント・ストリート(Regent Street)
初めて見たこの通りの美しさに
思わず文字通り“おのぼりさん”のように、
しばし口を開けっ放しで見とれてしまいました

この通りは緩やかなカーブを描くどこまでも続く白い建物が
如何にも優雅な雰囲気を醸し出している大通り
人も車の流れも途切れることなく騒がしいのに、
建物はあくまでも貴婦人然とした佇まいをし、
下界の騒々しさを飲み込んでしまう

この建物の1階は全てのショップになっているけれど
そのショップは今でこそユニクロが入るようになってしまいましたが、
バーバリーあり、
ウェッジウッド、マッピン&ウェッブ、スコッチハウス、ロイヤルドルトンあり
そして、私にとってはまさしく大人の女性の百貨店・リバティーハウスや
正真正銘の子供からお年寄りまで遊べるおもちゃ屋さんのハムリーズ・・
などなど必ず立ち寄るショップの宝庫でもあります

そして、この通りはロンドンの都市計画の一角、
1812年から28年までに立て直された
ジョン・ナッシュという一人の建築家作

  

ロンドンの街全体が一つの大きな博物館みたい・・・と常々思うのは私一人だけでなく
その中を歩く楽しみは想像以上に楽しい 
しかし!時たま「この建物って誰が何の目的で建て、何時造られたの?」と知りたくなる
その為未この本を見つけてから
ショッピングデーと決めた日でもついついリュックに入れてしまう1冊 
ぱっと出して、さっと見るには便利な1冊
詳しすぎない程度の(あまりの薀蓄は飽きてしまうから・・・ )
@・Aのこの本の建物の解説だけでも充分

その@は設計者Aは建設年
特にAは時代を知るには簡潔にしてジャストな解説
だって、よくテレビにも出てくるロンドンのシンボルの国会議事堂(ビックベン)は
1835年建からだけど
もとは11世紀のゴシック様式を増築するように命ぜられ、
ゴシック・リバイバル様式が採用された1800年代前半に建造
これだけで私には充分な解説
だって、それは通りがかりにちょっと知りたいだけだから・・・

この本で解説されている英国内の建築・街並みは
観光地としても人気の高いコッツウォルズや
ウェールズの街のカーディフ、
ヘイ・オン・ワイや世界遺産指定のアイアン・ブリッジ
ヨークの大聖堂、カンタベリーの大聖堂、リーズ城、
マッキントッシュのグラスゴーなど観光に訪れた街の目玉の建物がそれぞれに解説され、
改めてほんのちょっぴり物知りになったような気にさせられてしまう・・

1番のお気に入りは街並みや建築物の解説だけでなく
ここにご紹介されている
それぞれの国での特色あるテーマを持った旅ルート作成の案内

英国なら中世大聖堂を巡る旅、
英国庭園とカントリーハウスを巡る旅、田園と街並みをスケッチする旅、
イギリスの産業遺産を訪ねる、マッキントッシュとケルト文化などなど・・・
今すぐにでも旅に誘われるが如くの
興味深い数々のテーマ旅の紹介にはつい本当に旅本ではないのかっっ?!!



  


ついついこの本のお陰で・・・
ちょっとお隣のアイルランドにも足を伸ばしてみようかいっ、
ちょっくら飛行機に乗ってすっきりとした北欧のモダン建築や
伝統的な西洋の寒い国の木造建築を見てこなきゃいかんなーと思ってしまうのが・・・
・・本っ当にたまにきずである・・・

でも、欲を言えば本来ならばこのテーマで
『英国』だけで1冊作ってほしいなあああ、と
節に願うのはきっと私だけではないはず 

英国を目指すバックの中に
1冊忍ばせていくと旅の見る目線の範囲が広がる1冊です!













こちらのページに関しては、全て私の独断になります
お読みになっていただいた後のご感想は、
皆様それぞれに感じることに相違があるかと思います
少しでもお楽しみいただけたら幸いです
  





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