今月のお薦め本 



〜2006年 11月〜

                                                         
気がつけば今年の戌年も残り約1ヶ月となりました

クリスマスや忘年会、
仕事はちゃんとやれただろうか・・・
やり残したことが沢山あるようで、
でもそれが何なのか・・?

あーーっ!
それよりも年賀状だ!
その前にクリスマスカード選ばなきゃーーっっ!

わらわらしている内になんだか過ぎているのが
この月、11月・・しかもすでも終わっている・・・

もう1度はロンドンへ行ってみたかったな〜今年は
今年もクリスマス・イルミネーションが見られなかったな〜今年も

出稼ぎ仕事が今月は楽なので
沢山本が読めそうです

来年のために・・・
そして、今年読み残した本を一気に読むが如く
正しく「読書の秋」・・ちょっと遅いかな・・・

でも、まだ2ヶ月もあればチャンスはあるかもしれません
出稼ぎ先を首になったら
アンの家でもごろごろするか〜?と夢見ながら
今月もお薦め本のご紹介をいたします




本当はもっと空きを楽しみたかったーーーっっっ
最後まで食らいつく・・ああ・・やっぱり秋って好き


切手で旅するヨーロッパ


切手で旅するヨーロッパ


山田 庸子 著 Collection : BUSY TOWN   ピエ・ブックス  ¥1,600+税  2006年3月初版




切手」と聞いて素通りはできない
これが私とこの1冊の出会いでした


常々旅に出ると一人のことが多いせいもあり
食事時やお茶をしながら
その滞在している街、
訪れた街でのカードはもう絶対にはずせないお買い物No.1で
必ず友人、家族には旅中1回はカードを出しているので
己ずとその1枚1枚に張る切手には
可能な限り珍しい記念切手を使うようにしています

ご存知郵便発祥国でもある英国は
車を持たない旅する私達が立ち寄る村や街には
必ずポストオフィス兼よろず屋さんがあり
そこでは様々な切手を取り扱っています

日本へのカードは46ペンス
通常はエリザベス女王の横顔の切手ですが
日本と同じように記念切手は
何かの記念日やお国の行事などには必ず登場します

我が国と違うのは
英国では1番国民の関心高い
ロイヤルファミリーグッズの多いこと

当然王室関係者にまつわる記念切手の発売は
内外問わず人気が高い!
私が長く滞在していた時期には
故ダイアナさんの若い時からのポートレートが
5枚セット(1枚づつ購入可)で発売されていて
この切手での郵送はとても喜ばれました

そして、前々回の渡英では
すっかり母似だった面差しも大人の顔に変化してきた
ウィリアム王子のセット
友人達へのカードには必ずと言って良いほどせっせと張り、
(しかも通常の料金よりも若干高い切手、
P46の切手はなかったので・・割高についたけれど・・)
自分用には更に高価であったけど
素敵な台紙付きセットで購入してきましたっけ・・・

と、まあ・・・旅に出ると
「切手」とは決して無縁にはなりません

 

それをむしろ利用するのではなく
コレクターする、ということは
私達の小学生時代の男子の筆頭の趣味
「切手集め」になります

小学生時代
男子達が教室の隅に集まって
台紙帳のような、ともすれば日記帳にも見えるノートを
休み時間ともなれば後生大事に抱え
それぞれ見せ合いっこをしたり、
交換をしたり、
手に入れたい切手の収集場所の情報交換をしていたり・・

毎日雨が降ろうが、台風になろうが、雪が降ろうが、
外で遊びまくっていた我が弟も
そのようなノートを大事に大事にしていました
しかし・・彼の場合は切手ではなく
仮面ライダーカードでしたが・・・

ちょっと脱線しましたが、
それでも『切手』はどんなお国でも存在し、
そしてデザインや形態などが
その国独自のスタイルを持っています

特にこちらの本書でご紹介しているのは
主にドイツを中心にその国を取り巻く
チェコ・ポーランド・オーストリア・スイス・ベルギーと
約23カ国の国の切手を見せてくれます


 


本書の1ページ目には
・・・中略・・・本来の切手鑑賞は
ルーペなどを使って小さな世界に自ら入り込むこと
けれど、本書はルーペ越しでは
決して掴みきることのできない歴史や文化などを踏まえながら
自由自在の大きさで切手を紹介していきます
切手とヨーロッパが今まで以上に味わい深くなる
素敵な旅のはじまりです・・・

切手を通してその国の歴史文化を感じる、こと
たった数センチ四方の切手ですが
確かにルーペで細かく覗くよりも
一瞬にして理解できる
その国の世情のようなものを一種感じます

それは、先の英国での王室切手だとか、
ピーターラビットの切手や
女王のお顔の日常の切手や風刺画などなど・・・
我が国の記念切手も浮世絵だったり
東海道五十三次だったり、
日本ならでは!のモチーフを独自のデザインで表現し
それは国の特徴=歴史・文化とは切っても切り離せるものではありません

日頃生活していく上での切手は
単なる郵便物への支払いと思って利用するだけでなく
改めて眺めると
1枚1枚を絵画のようで
何ら美術館の1枚の絵のように眺めてみれば
それこぞ楽しくて時間はあっと言う間に過ぎていきます

そんなことからも
著者の山田 庸子さんの経歴を巻末で見てみれば
現在はベルリンに在住
フリーランスのグラフィックデザイナーさん

この1冊に収められた切手たちのコレクションは
BUSY TOWNという輸入子供雑貨のオーナーさん

全ての切手たちをデザイン的に捕らえたり
絵画として見ている視点も
きっと著者達の目から見てみれば
それぞれが芸術品であり、
コレクトする最も高い価値持つ1品に他ならない

単なる切手としてよりも
1枚の芸術品としての捕らえ方に
ただただページをめくる毎にわくわくした気持ちが高鳴ってきます
「本っ当に美しいー」

本書は分類が国ごとではなく
“童話”“民芸”“クリスマス”・・などの各行事別にコンテンツが続きます

ドイツ中心だなあ、と先ず感じさせるのは
そんな著者のお二人のフィールドワークがやはりこの独逸だから・・
しかし、近隣の東欧の私にとってはめずらしい、
あまり西欧に比べると見る機会の少ない切手たちは
この1冊からまだ見ぬそれぞれのお国柄が
充分に伺える気がします

そして、冒頭から始まるコンテンツが独逸、というのは
逆に安心してこの本への第1歩が踏み出せるテーマでもあり
それが、おなじみの・・・グリム童話から

世界で多くの人々が知っている
名作「赤頭巾ちゃん」
手のひらの中に隠れてしまう小さな四角い切手1枚に
名場面の1シーンを4つに分けて物語を追っていく
たった4枚のワンシーンなのですが
どの1枚を取ってもみても
“あ〜赤頭巾ちゃん!”と判るもの

その後に続く「いばら姫」「ヘンゼルとグレーテル」
「白雪姫」「7匹のこやぎ」と
作者が違った作風でそれぞれ4枚セットになり
しかも慈善切手として
通常の料金プラス寄付金がほんの少しついた切手です
(ここでも甘味だけの子供っぽい切手としてだけでなく
きちんと社会に貢献する意味を持たせているところが凄い!)

そういう意味でも子供用ではなく、
大人が楽しめる切手としても機能するように
デザインされている様子が伝わります

我が国でもキャラクター切手として
キティちゃんセットが出ていましたが
こういうシリーズにも寄付金プラスなら
あっと言う間に目標額達成できる気がする・・・

来年からの民営化で日本の郵政も頑張ってほしいー


   


てな訳でぱらぱらめくっているだけでも充分目が楽しめ、癒せます
そして、ある種のデザインの世界というものもの
普段気がつかない身近なものにもあるんだ・・ということや
国々の持つ個性や空気を知らず知らずに感じることのできる

この年末年始に向けて
クリスマスカードや寒中お見舞いなど
普段より眺めることが多くなる季節ならではの切手に
他の国に負けないような“私達の国の・・・”と
胸張れるような1品が出るのを
なんとなく心待ちになるような・・・
そして、次ぎの旅のときには訪れる国で
マイNo.1切手が見つかりますように・・・
そんな密かな楽しみをもたらしてくれた1冊でした










もっと紅葉を楽しめば良かったーー





こちらのページに関しては、全て私の独断になります
お読みになっていただいた後のご感想は、
皆様それぞれに感じることに相違があるかと思いますが
少しでもお楽しみいただけたら幸いです
  





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