今月のお薦め本 



〜2004年 3月〜

                                                         
急に暖かくなってしまった・・・と思ったら、ほんの1時間ほどでしたが、東京はなごり雪・・・・

年の桜開花予測は昨年よりも更に早い今月20日前後(関東地方ばかりですいません・・)だそうです

今頃は英国ではスノードロップが咲き乱れる頃
そんな日本ではなかなかお目にかかれないかわいらしい花をすでに見にいってらっしゃる方や
またこれから英国のはっきりとした色合いの桜をこれから見に出かける方もいらっしゃるかと思います
(すでに桜の開花がこの18日前後・・ということでしたが、雨が落ちそうで来週半ばが見どころとのことでした  )

またはこれから咲く国花バラの咲き乱れる時期にご出発される方々の
ほんの少しの道案内やお愉しみになれば嬉しいです・・・


さて、今回も様々なジャンルから英国物・・・をご紹介していきます

そして、来るべき時がきたら、すぐに飛び立てるように・・・

例え、今すぐ旅発てなくとも
読んでおいて損はありません・・・と思います!!


切手1


【定年後はイギリスでリンクスゴルフを愉しもう】

山口 信吾著 亜紀書房 定価¥1,500+税 2003年初版



定年語はリンクスゴルフで愉しもう いつかはこのような本が出てくれることを望んでいました・・・
しかも著者は竹中工務店ご勤務
(定年をマジかに控えていらっしゃるとのこと・・・)
ただ単にゴルフ場としてのみで『リンクスゴルフ』について
語るのではなく・・・
プレイヤーとしてもこのリンクスにここまで支持する方々が
いらっしゃるんだ・・という心からの安心感を私に与えてくれました
それは偶然にも私がリンクスゴルフを知る上で
何度も手にして大好きなった1冊に『リンクスランドへ』があります
この著作にもその本が登場しています
そして実際にこの本の重要人物にもお会いしている著者
その下りを目にした時の私の興奮が
ご理解いただけるでしょうか・・?

日本スタイルのゴルフは私自身が作っている身近な勤務場所に
従事していた頃からどうしても好きにはなれませんでした
しかし私の思い込みに近いこの感情は
まったく遠い場所にいる著者の山口さんが代弁して下さり、
(これまた一方的な私の思い込みですが・・お許しください・・)
リンクスゴルフの素晴らしさを広く知らしめて下さっています
そしてご自身会社に所属されていらっしゃりながら
世界約150ヶ所のリンクスのうち、約三分の一を踏破
定年後はスコットランドに移住をも決めて・・・

この1冊は山口さんご自身が英国中のリンクスを
巡った記録のみならず、その旅の作り方を案内して下さっている
貴重なガイドブックでもあります 
綿密なデータや様々な資料を元によくこれほどまでに調べ
まとめたあげたと、正直失礼ながらタイトルなどからは
想像もつきませんでした・・・
定年後は旅行業一般主任資格に挑戦して旅行業を・・と
おっしゃっているだけに、
この1冊あれば数え切れないほどのリンクスツアーを
作る事ができますでしょう・・・
それほどまでに詳しいリンクスガイドブックは
今までお目にかかったことはありません
お手元に常備しておきたい1冊です 
そして、ご自身の旅がそれほどまでにリンクスに駆り立てる
その訳をきちんと・・本当に羨ましくなるくらいの
沢山の素晴らしい体験を披露して下さっています
それはリンクスゴルフを通して彼の国の人々の懐の大きさ
ゴルフというスポーツの素晴らしさ
そして本来ゴルフはこのような原点を経て、
現在まで世界中のプレイヤーに圧倒的に支持されている秘密を
惜しげもなく教えてくれ、
またそれは有名なプロゴルファーの言葉ではなく、
誰でもそのことを体験できることを・・・伝えてくれています

ただ一つ、ちょっぴり悔しかったのは私自身が発表したかった
お隣の国アイルランドでのリンクス旅のご紹介もしていること・・・

まだまだ同朋には身近ではないこの国の紹介は
次のための1冊にしていただきたかったなあ・・と
心狭い私は舌打ちしたのでした・・・


山口氏のサイトではこの1冊の本の元になった
ゴルフダイジェストでの連載やその他のリンクス情報満載です 
是非そちらへもお立ち寄り下さいませ
もうすぐにでも飛んで行きたくなります

http://www.5f.biglobe.ne.jp/~links-go





切手2

【ロンドン歩けば・・・】

林 丈二著 東京書籍 定価¥2,000+税 平成14年 初版

タイトル通り著者がロンドン滞在19日間に歩きとおした記録です
文字通り林さんはほとんどご自分の足で
この街を歩きとおしていらっしゃいます
著者は1947年生まれのイラストレーターにしてエッセイスト
これまでにイタリア・オランダ・フランスと同じように“歩けば・・・”を
著作していらっしゃいます
私は初めて手にした本が本書だったのですが、
この1冊でこの著者の目を通したロンドンが
まるで私自身が何度も訪れていた同じ街とは思えないくらい・・・
林さんの目を通すとその跡には何も残っていないが如く・・です
ご紹介を読むと「小学校時代からの調査マニアで」とあります
納得の一言です・・・

前回のロンドン滞在目的は
(この本は今回の2度目のロンドンにして最後だそうですが・・)
留学していた夏目漱石の『我輩は猫である』に出てくる
「猫じゃ猫じゃ」の絵葉書を見つけること
そして、今回はその漱石とは関係がないけれど
「いろいろなものをみつけること」が大きな目的、とあります
さて、その『いろいろなもの・・・』とはいったいなんなんでしょう・・・

やはり読み進んでいくうちにこの林さんの目は様々な『もの』を
見つけていきます
その『もの』とは・・・?

マンホールのふたのデザインや形、その刻印などにより
それが昔の我が国との関係やこの街の歴史に繋がるなんて・・・
疑問に思ったり、ひも解いてみようなんて
お考えになったことありますか?
(私は東京ですら、マンホールってあったかな・・?と
思い出してみますが、記憶にはまったくありません
だって普段そんなことを考えたこともありませんから・・・)
郵便発祥の国、郵便ポストの形が時代それぞれに違うことや
テームズ河架かる橋の紋章や建物の装飾、
歩くことの少ない人一人やっと通れるような小道や路地・・・
林さんの目は私達の目がすべって見落としているものばかりに
興味の対象になっています
そして、それは全て歩いてこそ見つけられ、見ることの出来ること
普段私達はロンドンで歩くことはあっても、
常に目標の場所へ辿りつくことのみが目的で歩いています
またはバスに乗ったり、地下鉄に乗ったりします
著者もたまには乗り物に乗っています・・
でも・・たまに乗ると降りる場所を間違えたり、と
なんとなくガイドブックとしては心もとないことではありますが、
その貴重な経験を生かして正しい案内も載せて下さっています

しかし、前回に漱石の絵葉書の謎を解いたとはいえ
もともと収集家でもあるアンティークの絵葉書を
マーケットに出かけては見つけています
それは私の好きなアンティークの一つでもあります
絵葉書は荷物にならないし、
その場所でしか手に入らないものがとても多いからです

毎日の出来事を一つ一つ流すことなく著者流の旅は
とても興味深く・・こういう旅もあるのだなあ・・と
ある意味とても贅沢で濃密なスタイルだと思うのです・・・







ケンブリッジの贈り物

川上あかね著 新潮社 定価¥1,400+税 2003年発行




ケンブリッジからの贈り物 先ず目についたのはタイトルと
おなじみのイラストーレーターの杉田比呂美さんの表紙でした
そして著者は・・?と例によって裏の折込カバーの載っている
プロフィールをどれどれと読んでみると・・・
大きな瞳が好奇心旺盛そうなにくりくり愛らしく、
ショートカットの似合う可愛らしいお嬢さんの写真でした
1970年生まれ17歳でオックスフォードに入学仏文学専攻し、
96年博士号取得95年よりケンブリッジ大学モードリンカレッジにて
仏文専任講師として5年間教鞭を取る・・・すっごい・
日本人の女性で同じ時代にこういう若い方もいるんだーー
素直に驚きました

先日藤原先生の〜遥かなるケンブリッジ〜を拝読し、
まだその興奮冷めやらない昨今・・・すっごいな・・
オックスフォードからケンブリッジ・・
英国の中でもシンボル的大学を2つも制覇・・?
若い世代の『ケンブリッジ』からは
はてさて・・どんな贈り物なのでしょう・・

川上さんのこの著作はご本人の就職活動から始まります
オックスフォード大学の博士課程に在学中
すでに大学生活8年目を迎え、
最後の年を自分自身での生活費稼ぎが目的の就職活動・・
先ずここの下りから日本とはまったく事情が違うことに驚く
著者ご本人はお父上の仕事の関係上、ナイロビ・ローマ・東京と
インターナショナルな生活をしてきたせいもあるだろう・・
しかし、それにしても日本人でありながらその就職先が
あの!『天下のケンブリッジ』である
めでたく職を得たものの双頭の鷲の如く同じ位置に居ながら
そっぽを向きあう正反対同士とも言われ、
無類のライバル校同士としても有名な両校
オックスフォードからケンブリッジへ
そのような経験は日本人多しと言えども
そうそういらっしゃらないでしょう・・・

彼女自身若いこともあり、その初めての生活を思う存分楽しみ、
大変な想いも経験もすべてご自身で消化し、
取り込んでいる様にとても好感が持てます
人種・性別・専攻分野とそれぞれに古臭い伝統の大学の中から
客観的尚且つ冷静にご本人は対処し、
また特殊な世界である大学という、
別の意味での『鉄のカーテン』の中身を伝えてくれます
それが我が国の大学・カレッジとは
如何に違った日常世界であることか・・・!?
本当に現代の同じ西暦がそこには流れているのか・・?!
藤原先生の著作とはまったく違った生活が
この1冊には綴られていました
読み進んでいくうちにすでに何度か訪れているはずの
私の知っているケンブリッジが
まるで違う街であるかのような錯覚に陥ります

著作の中にもあるようにこれからの季節の旅には
是非この街ケンブリッジの『バックス』のグリーンと
流れるケム川の美しさ・・ご覧になっていただければと思います
そして訪れる前にこの1冊をお読みいただければ
この大学街へ散策も十二分に愉しめ、また夏場ストリートで
すれ違った中高年の半ズボン姿の方は
どこぞの大学教授かもしれません・・・・
そのことを想像しつつ、私自身も3度目のケンブリッジ散策に
出かけたくなりました 





【ロンドンの300円〜のおいしい】

今井 靖子著 ミスター・パートナー 定価¥1,300+税 2002年初版



ロンドンの3000円〜のおいしい この本は本当は出したくなかったあああ
でもご紹介するなら・・・・早くだ・・・・という
私の実はとってもせこい根性が交差した・・この1冊

この混沌としたビックシティ(古いですか・・?)ロンドンで
毎回毎回パブというのも『片手落ち』
かと言ってもTimeoutを片っ端から見ても、
実際は日本人である私達の感覚に合うかしら・・?という
疑問もたま〜にある・・あるんですよ・・
その点日本の方の紹介だと一応は安心して行けるかな?という
心のどこかで無理しない気持ちがちょっと顔を出した時には
強い味方で、このガイドです


昨今のロンドンは追い風景気もあり
正直東京でお食事するよりもお金に羽が生え飛んでいってしまいます
それでも限られた時間の中での旅では
やはり1回に占める食事の割合ってとても大切

当たりをつけて入ったお店の味が外れた時って・・・
大きな喪失感・・ありますよね
その点事前に出かける場所が決まったら、
1日の計画をする時にこの本から抜粋して大事な食事が
満足出来るのでは・・・?
特に彼の国では様々なお国の味が楽しめます
『移民レストラン』から始まってちょっと一休みのカフェ
外せないパブ、定食屋サンやお惣菜やさん
そして何よりも私のお気に入りは『ベーグル屋』サン 
もっちりとしていて、物凄く腹持ちが良い
そして何よりも低脂肪
旅の間は余り食生活に重点をおけないせいか、
たまに自分に言い訳するように(ビール飲料どっと増えてしまうのが
私の悩みの種です・・)ベーグル齧ります
そして、齧りながら・・またマーケットへ突入するのです 

ページをめくるとカラー写真満載なので
見ているだけでも楽しいです

この1冊を手にすると・・やっぱり行きたくなります、ロンドンへ









こちらのページに関しては、全て私の独断になります
お読みになっていただいた後のご感想は、皆様それぞれに感じることに相違があるかと思います
その旨ご了承の上、お楽しみいただけたら幸いです
  





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