今月のお薦め本 



〜2006年 12月〜

                                                         

今年も早いものでとうとう最後の月なってしまいました

何かできたかしら・・・
新しい何かは発見できたかしら・・・・
やり残したことはないだろうか・・?

いつもこの月の始まりにはそう思います
未練たらたらと

でも、過ぎてみると今月って何したっけーーーーっっっ!!

と、思うほど終わっています

そして、新しい年へのわくわく感がむくむくしてきます

個人的には年明け早々飛びます

この月に読める本の中から
またまた訪れたくなる場所が増えくること間違いなし!!

そんな1冊が少しでも皆様へも伝わって下さったら
こんなに嬉しいことはありません

どうぞ、最後の月思い残すことなく
英国に浸りましょう












【ロンドンのキッチン】








ジュウ・ドゥ・ボゥム 著   SHUFUNOTOMOSYA  ¥1,800+税  2006年09月初版








人様のお台所を覗く!というのは結構好きです・・私

旅をしていてB&Bに滞在したときは失礼に当たらない限り
そのお宅のキッチンを眺めてしまいます

それはその家庭の食器やおやかん、台所用品に興味があるから・・・
その道具から生み出される日々のお料理に想像が沸いてしまい
そのお国の台所事情もちょっぴり垣間見ることができるし
何よりも翌日の朝食への期待もふくらみます

そんなわけでこの1冊を見つけたときは
“わ〜ロンドンの台所だーーっっ”

ただ、表紙からも伺えるように
『現代の若い世代のキッチン』・・かな・・?
英国が世界に誇るカントリーサイドの古き良き次代のお台所とは
まったく異なる都会のロンドンのキッチン

どんな様子が見られるのか・・・?
とってもわくわくします
 
   

この1冊の始まりについては1ページ目をめくってみると
“イギリスのアーティストたちの作品を扱う
「ザ・コレクション」・・中略・オーナーのアリソンとおしゃべりするうちに
ロンドンのアーティストに興味を持った・・・略・・・
フレッシュな彼等の家を訪ね
おいしい料理を作るためのアトリエ、
キッチンを見せてもらいました”
“イギリス人にとって、家はお城のようなもの”
・・・略・・・
家への愛情と家族全員の思いが詰まった、
しあわせの空間
ロンドンのアーティストたちのキッチンに・・・”

ですからこちらに紹介されているのは
主にロンドンに住むアーティストと呼ばれる方々のキッチン

コンテンツと眺めると
グラフィック・デザーナー、TVエディターと教師のカップルや
シェフ、カメラマン、ショップオーナーなどなど・・・
ご紹介の方々の自宅キッチンは本当に個性的なこと!

まるでショールームを見ているようなのですが
しかし、実際は彼等が日常生活している空間として
映画のワンシーンでもなく
セットではない
人の温かみと息遣いが
見てるこちらまで伝わってくるようなとっても素敵な場所なのです

この本から
私が普段滞在しているアンやミセス・ハリガンのキッチンからも
同じような空気が感じられます

それは私が英国で1番長く通算して同じ場所に滞在していたお宅の
シドマスのターナー家のキッチンでも感じられたことでした

私たちの国とは多少違った住宅事情の彼等の家では
キッチンはその家庭での中心のみならず
とてもパブリックな場所でもあり、
家族だけでなくご近所さんから
友人達から様々なその家を訪問する人たちが
集う場所でもあります

そうともすれば玄関よりも
わざわざ裏にあるキッチンのドアの方が
その家庭を訪ねる来客が多く通るドアであるかもしれません

ですから家族だけでなく
その家を訪れる人たちもゆったりできるような・・
そんな空間を作り出せる場所としても
キッチンって大事なんだな〜と
つくづくこの1冊からも感じました


  


さて、ここでご紹介されているデザイナーさん達のキッチンは
全てがまるでおもちゃ箱のようです

私たちがロンドンを訪れて通りを歩けば
数多くのキッチン用具やインテリアショップの宝庫です
コンランショップの本家やハビタ、ヒールズと
テキスタイルとしてはあまりに代表的なリバティやローラ・アシュレイなど
居間とか自身お部屋だけでなく
大事な共有場所のキッチン関係ショップはもう星の数ほど・・・

その中から“自分の好きなもの”を
見つけて、集めて、作り上げていくのですから
楽しい場所にならない訳がありません

そして、その場所はある程度の世代の違いや性別の違い、
もちろん住む人々の家族構成によっても
変化していく場所でもあります

お子さんのいる家庭では
その場所で毎日毎度の食事をするところですから
子供達が居ながらにして思いっきり楽しい場所になっています

そして、英国の男性は女性と同じように・・
もしくは女性以上にキッチン仕事をこなします
そうなると自然にその場所は1番使う人の個性が出るわけですから
不思議と「男性のキッチン」になっているのがとても面白い!

それは機能一点張りということではなく
“可愛い”と思う物もしっかりと
男性たちの雑貨として置かれていたりするのです
それは我が国にでも人気のキャラクターフュギアだったり
シャープな感じのワインラックだったり、
それは飾るグリーンだったり(時々食用?)
カップやプレートもシンプルで温かみのあるフォルムだったり・・・と
本当に様々です

シドマスのホームスティしていたターナー家でも
ご主人のロイが毎食食事を作ってくれていたけれど
キッチンの壁紙と同じ淡いピンクとホワイトの花柄のプレートが定番で
どんっ!としっかりとした食事を毎回出してくれていました

しかも、その壁紙はやはりデザイナーの奥様ジェニーが選んだもの
彼女のカラーは「ピンクとホワイト、時々ゴールド」
そして、ところどころに彼の趣味でもある淡い水彩画がそこここに飾られていて
(それはロイの大好物・マクビティーのジンジャービスケットだったり・・)
とても明るい空間を作っていました

ですから、この本にもご紹介されているキッチンも
男性だけの家ではそのインテリアも
ちょっと面白い

男性も女性も自分の好きなもの、を1番に集めて
楽しんでいるのは
もしかしたら自身の部屋ではなく
このキッチンではないかしら・・・と思える
そんな楽しい絵本のようなこの1冊

寒い日にぬくぬくした部屋で
ロンドンに住む人々の生活を見て楽しむ1冊として・・
また、巻末にはこの本に出てくる関連ショップの紹介も載っていますので
雑貨好き、キッチンスツール好きの私としては
ガイドブックとしても充分過ぎるほど!

実は次回ロンドン滞在に行ってみたいショップがここには満載!ありました
知っているショップはもちろんのこと
まだ行ったことのない新しいショップに今からわくわくします

どうぞ、この冬のガイドブックの一つとしても
御薦め本になります


  









こちらのページに関しては、全て私の独断になります
お読みになっていただいた後のご感想は、
皆様それぞれに感じることに相違があるかと思いますが
少しでもお楽しみいただけたら幸いです
  





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