今月のお薦め本 



〜2003年 10月〜

                                                         

今月はまさしく日本の正しい“読書の秋”月間です
様々なジャンルから英国物・・・をご紹介していきます

そして、来るべき時がきたら、すぐに飛び立てるように・・・

例え、今すぐ旅発てなくとも
読んでおいて損はありません・・・と思います!!


                            




【週120ポンドで暮らすロンドン生活術】

いけだ よしこ著 太田出版 定価¥1,300+税 2003年第1版第2刷


「ロンドン生活術」つまり、文字通りロンドンで暮らしていく術が
載せられています・・
暮らす、ということは人によっては様々ですが、
この本はいけださんが体験し,
またあらゆる方向から調べた情報を基にまとめられています
(但し、本の表紙には「A NOT-RICH'S GUIDE TO LONDON」
また、帯には「ローラ=アシュレイもハロッズもいらない」と
いう旅を目指す方用です)

内容は大別すると、住居・食生活・交通・市場・英語
ご本人が生で体験した案内の中には喜怒哀楽に溢れ、
スラスラと読み進んでしまえる、おもしろさ 
まさしく生きたガイドブック !
住居・市場などはかなりディープな部分もあります

旅をする前に予備知識として、星の数ほどのガイドブックが
存在しますが、ロンドンならばこの1冊でおつりがきます
サイズも横11cm、縦17,5cm、重さ150gと持ち運びも便利

そして、必読なのは最後の“英語”
他の案内本にはあまり掲載されていない貴重な項目です
短期の短い旅なら感じずに済んでしまいますが、
英語学校や2〜3週間の旅には少なからず感じる大事なこと・・・
私はこの項目で述べられている1行1行を頷きながら
夢中で読んでしまいました

*尚、現地の物価は日々変化しています
数字に関しては記述年月日をご考慮の上、
お考え頂いたほうが宜しいかと思います


                     


【頑固な英国 ソフトなイギリス】

木野 悍著 実業之日本社 定価¥1,600+税 2003年初版


頑固な英国 ソフトなイギリス 著者の木野氏は私の父と同じ1935年お生まれ、
日本航空勤務を経て、英国に住んで約40年だそうです

“ユートピア”
次女の結婚式という項目から始まり、
イギリスの生活の中から、“緑の木陰”“お気に召すまま”

“さらば、古きものよ”“西欧人の眼に”と続きます

日本航空の機内誌に掲載されたコラムを含むエッセイ集で
読み進んでいくうちに、とてもゆったりとしてくる1冊です
そのわけは最後のあとがきに、著者の経歴を読むと
その意味がよくわかりました

大学の先生でもなく、ある期間のみ滞在や住んでみた・・
というのでもなく、本当にイギリスが好きになって
日本航空という大企業を退職してまで!移り住んでしまった・・
(次の職も無く・・・?)
なんの気負いもなく、この国の良さも悪さも全てを飲み込んで
長年暮らしている国をあるがままに紹介してくれています


ご本人は様々な職につかれて、その一つ一つが年輪になり、
言葉が文字になって本になったような・・・
父の年代の方に対してとても口幅ったいのですが・・・
読み進んでいくうちに、素直な気持ちになれます


あとがきに書かれていた、
〜イギリスの地方自治体教育庁の幹部から
「悪いわけでもなく、優れているわけでもなく、ただ違っているのです」という言葉を、日本と外国諸国とを比較したくなった時に
この格言が当てはまるのでは、と思い
この本では「だから日本人は・・・
と言いたくなるところを
あの言葉、“ただ違っているのです・・・”を使ってみました〜


しみじみとした一節でした・・・


          


【旅ぢから】

森 優子著 株式会社幻冬舎 定価¥1,400+税 2003年初版



旅ぢから この真っ赤な一際目立つ表紙を先ず開くと、
そのカバーの裏にこの本のタイトルの意味が記されています

「たびーぢから」海外旅行をめいっぱいエンジョイしつくすことの・・・と
Chapter1から始まる本文は〜一人旅とグループ旅行・・・〜の
比較から始まり、のっけから旅の様々な形態から入っています

このような本はどちらかというと
男性陣の旅の強者達が経験を語る・・という感じの、
その際は決まって“個人旅行のみ”に限られた本が多かったこと
(バック・パッカーかそうでないか?の区別が先ずあり、
旅の幅が限られていました)

ところがこの森さんは女性ならではの、
“地を這うようなバックパッカーから豪華旅まで”
と、あるように様々な形の旅のご経験の上からなので
ものすごく説得力があります

どんな旅でも、それぞれのタイプによって
肝心要のポイントを鋭く、面白く、ご本人の涙の経験から
知恵やアイデアを惜しみなく披露してくれています

そして、最後の章 “カードと保険は使い分けよう”
このお話は実際に旅行会社のカウンター業務の際は
口がすっぱくなるほど、お客様に説明させていただき、
尚且つ、1番ご理解していただくのが難しい事項だったのです

現在はどなたでも1枚はお持ちのクレジット・カードについている
付加価値としての、海外傷害保険・・
これは本当に曲者で、利用方法の解釈を間違えると
とても危険な代物にもなるのです・・・
もちろん、何事もなくご帰国されれば問題もありません
しかし・・・何かあった時には・・・・
この大事な事柄をしっかり伝えて下さっていらっしゃることが
Good  

女性ならではの本当の意味で“旅をめいっぱい愉しむ”ことに
かけては、右に出るもののない【ちから】を感じました

             
【スージー・クーパーのある暮らし】

飯塚 恭子構成 株式会社 学習研究社 定価¥1,800+税 2003年初版




スージー・クーパーのある暮らし ご存知の方はご存知の言わずと知れた・・・
アンチィーク食器の中では女性に大人気を誇る、
スージー・クーパーの作品カタログです
実は私もファンです
・・この方のデザインは・・・
作品の一つも未だにコレクトできてはいないけれど・・・
しかし、この本を開くまで男性陣にも
実は多くのコレクターがいることを知りました

「スージー・クーパー」は1920年〜1980年後半まで
英国内で活躍をした陶器デザイナーです
年代毎にその時代にのったデザインで次々に新作品を発表し、
現代に至るまで絶大な人気を得ています

英国のみならずヨーロッパでは陶器産業がとても盛んで
特に英国は世界に名だたる陶器王国と言っても
過言ではないでしょう・・・
ウェッジウッドやロイヤル・ドルトン、ミントン、ロイヤルウースターと
次々と各社有名な陶器会社の名が出てきます
その中でもこのスージー・クーパーという一人の女性の名前が
すでにブランドとしてここまで有名な例は
他にあまりみないと思います
また、彼女は1940年38歳の時にイギリスでは
女性で初の王室公認ロイヤルデザイナーになっています

いかにもイングランド・ローズの柄、「パトリシア・ローズ」と
名のついたデザインのティー・セットがやはり人気ナンバー1と
思っていたのですが・・・ところがどっこい!
彼女の活躍した時代はアール・デコの時代などデザインの世界でもとても変化のあった年代でもありました
その時代の中で彼女にしか描けない世界を沢山生み出しています

モチーフは花から動物、ドットデザインを含む幾何学模様から成り
特にアール・デコのデザインは本国では
とても高い評価と人気を得ています


英国内を旅する一つの楽しみにアンチィークショップやマーケットを
覗く愉しみがありました
そんな時必ず尋ねるのが、彼女の作品はありますか?・・です

その為にこの1冊の案内本に目を通してから出かけた方が
彼女の作品を見逃さない、一つの防止になるかと思います

             
【イギリスのかわいいアンティークと雑貨たち】

武位 教子著 同朋舎 定価¥1,800+税 2000年発行 第1版



イギリスのかわいいアンティークと雑貨たち 旅先でどうしても覗いてしまうのがアンティーク・ショップです 
英国のどんなに小さな街にも大抵は1件はあるのが
パブ、ティー・ルーム・・と次に来るのが、
このアンチィーク・ショップではないでしょうか・・?
日本では「骨董屋さん」ですが、どうしてか私には
日本のこの骨董屋さんの敷居が高く感じられてしまうのです・・・
その点外国のアンティーク・ショップは
私ではとても入りにくい雰囲気のお店も中にはありますが、
街にあるショップはとても気軽に覗けます
そして、ほとんどのショップのオーナーはとても気さくに
本では得られない情報や作品に精通していて・・・
そんなおしゃべりも楽しい時間になります
そして、天井高く様々な品物がこちらが心配してまう程
無造作に置かれていたり
しますが、
そんな宝の山から前出のスージー・クーパーの作品が
ひょっこり顔をのぞかせていたり・・・・
そんな嬉しい瞬間にも出会えます


アンティーク作品との出会いは一期一会
この本に紹介されている品々に私達は決して(きっと・・?)
手にする幸運はないけれど、
このような素敵な作品に出会えます・・という本です

英国内にはそれこそ毎日どこかの街や村々で行われている
アンチィーク・マーケット
ショップのみならず、目を皿のようにしていれば
いつか・・・きっと・・・このような作品を手にする日が・・
来るやもしれません・・・
と教えてくれています
また随所に英国国内のショップなどを紹介し、
そして東京でも手に入るアンティーク雑貨のお店も案内しています

旅に出かけられなくとも、そんな雑貨や作品に出会えたら
ちょっとは気持ちが穏やかになれるかもしれません・・
*もちろん紹介されているショップは敷居の高いショップでは
ないところも安心です







こちらのページに関しては、全て私の独断になります
お読みになっていただいた後のご感想は、皆様それぞれに感じることに相違があるかと思います
その旨ご了承の上、お楽しみいただけたら幸いです
  





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