今月のお薦め本　

〜2006年　1･2･3月〜

まったくすっかりご無沙汰してしてしまったこのページ

自分の中では『お薦め』したい本がなかったわけではなく
むしろ沢山溜まってしまった本たちの多さに現在呆然としてしまっています・・・

この寒い長い冬の間に冬眠の熊のごとく様々な本に囲まれて読み漁っていたので
現在はどの御本からご紹介しようかと
嬉しい、困った選択が課せられている自分がいます


これからは私自身も含め、英国の日々美しくなっていくシーズンに
旅の虫が動かないわけはありません

どうぞ、来る日に備えて旅発つ前にも楽しむために
そして、その旅にほんの少しでも皆様のお役に立つことができれば・・・
こんなに嬉しいことはございません

今年もこのページにお訪ねいただけますこと、
どうぞよろしくお願いいいたします

【英国フード記】 〜Ａ to Ｚ〜 石井　理恵子　著　　松本　里美　版画　　三修社　　￥1,600＋税　　2006年1月初版

（私にとっては）おなじみ！の石井理恵子さんの今年最も新しい著作本です　 常々“旅の間はどうせいただくお食事ならば、興味を持って！”がモットーのわたしくし これは見方によっては「たんなるいやしんぼ・・？・・」とも言われる所以かもしれません しかし！せっかくの人様の国へおじゃましている訳ですから その国で日常食しているものにも興味があるのは当然のこと それがお宿のでのお食事や観光中にいただくお食事でも、 お味・場所・雰囲気などなど感じ、重きをおくのはそれぞれの楽しみだと思っております その中で私も長い滞在のホストファミリーでのお宅でもB＆Bでの毎朝食の中で とっても私達わが国の食生活との違い（？）に何度ビックリさせたれてきたか？？ （マーマイトなるもの 英国圏のお国ではポピュラーな塗りもの食品 但し、ジャムとは似て非なるもの 1度ご体験された方は思い出しただけで、 その特殊な香りが鼻腔に漂ってくるのではないでしょうか・・・？　） 昨今の英国は本当に『食のルネッサンス期』とも思えるほど、 訪れるたびに英国の人々の要求の高いさと それに答える食の職人さん達の熱意を感じさせます それでも、私達の国でも数年前のグルメーブームと呼ばれた時期の間でも 食卓から“おつけもの類”や“納豆や佃煮”“お味噌汁”など また、外食の中でもファーストフードの代表選手 “立ち食いおそばやさん”“牛丼屋さん”など 日本人にとっては不可欠（？）な食べ物たちが消えたことはありません 英国の人々にとってもそんな食べ物の様々を 更にディープな視点から アルファベットになぞらえた26品目の食べ物と 松本さんの銅版画とのコラボレーションが織り成す とっても愉しい1冊です　 　　　 正直この御本でご紹介されていらっしゃる食べ物は 「きっと私はほとんど知っているかも・・」なーーんて思ったのが大間違い こんなに幾度、英国での食事をしているのだから・・・とおごっていた気持ちが 実は御本の中身をぱらぱらめくっていて と、したのが本音でございました・・・・・まだまだ奥が深い・・・ 確かに知っている食べ物もありましたが、 初めて目にする・・これって口に入るの・・？と、 子供時代からどうしても「目で食べてしまう」困ったちゃんの私には 今回のこの著作で石井さんはなんとチャレンジャーなんだろう・・と、 本当に本当に感心してしまいました　 先ず巻頭は「英国フード　ア・ラ・カルト」と称し 様々な英国のお食事である写真が載っています ここにはB＆Bのお食事だったり、パブの親父だったり、フィッシュ＆チップスだったり、と 比較的おなじみのお食事、食べ物写真です しかし、ページをめくり進むうちに スコットランドの七不思議の１つとも言われる“ハギス”や ウェールズの“海草ペースト”は見たことはある・・ しかし！“レザー・クラム”に至っては なんじゃああ、これ！？？！！・・・といしか言いようのない代物 私は初めて見ました！！ この“レザー・クラム”！！一体何者？？ 　　　　 答えはこの上の仲間達、貝の一種だそうです しかし、その形態はどう見ても私達の想像を超えた形 日本人ならば否定したくなるような・・・・ でも、クラムとつくのでやっぱり貝・・・いやはや、である （　ご興味にある方は是非巻頭の写真をご覧下さい 私達の思っている貝としての認識の違いは きっと外国の方が日本で見る“ほや”に匹敵するのではないかと思います　） 英国は我が国と同じようにご承知のとおり島国ですから、 四方を海に囲まれたシーフード豊かな国 ついついお魚屋さんのショーウィンドーも必ず覘いてしまいます 今までロンドンのスーパーマーケットなどで並べたれているお魚達は おおよそ生食はできないな〜と この私ですら眉をひそめてしまうのが常でした しかし、それがカントリーサイドへ行くにつれて 海沿いの街などの お魚屋さんのウィンドーに並ぶ魚達はまだまだ生き生きとした目をしていたりします それでも料理方法はこれでもか！というくらいの蒸したり、焼いたり、 各種ソースでうずめたお料理方法です 日本人大好きな（私はまったく駄目な食べ物の代表選手に挙げておりますが・・） うなぎの調理法にもただただ驚くばかりの食し方です ウェールズでの海草ペーストはなにやら佃煮を思い出しますが きっと予想を覆すお味なんだろう、と想像してしまいます 　　 さて、さて、本書に入る前に“まえがき”があります 著作の石井さんのこのページの冒頭に 「英国はおいしいか？英国はまずくない・・中略・・・英国びいきで毎年渡英しているけれど 行けば行くほど疑問がわいてくるのが英国の食である 私が英国の食、味に関して感じるのは“英国の味はあやしい”ということである・・・・」 最初の問いが“おいしいか？”“まずくはない”と 即座に自答されていらっしゃいます その時点で“おいしい！”とお答えになっていらっしゃらないのが とても正直であると、 ちょっぴり意地悪い私なぞはほくそ笑んでしまうのでありました “略・・・高級レストランから庶民のジャンクフードまで、 あやしい味の数々は、 物見遊山気分の私のような旅行者にはとても興味深い なんだこの味は？ なぜこんな形状をしているのだ？ どうしてこんな調理をするのだ？・・・略・・・・ 食べ物をルーツを探るうち、ユニークなエピソードにたどり着いたりもした・・・” そして、本書はＡから『Ａｌｅ　エール』という 私達にもお馴染みの英国誇る飲み物から進んでいきます 次のBは『Breakfast ブレックファースト』、 Cは『Crisps クリスプス』という風に知っているもの、 その時々に入るコラムなど知らなかったエピソードがちりばめられています　 今回その一つ一つの食べ物には松本さん、という銅版画家さんの版画が色を添えています 石井さんは以前から私の大好きな著作を次々と生み出していらっしゃる 英国に関しての著作も多い方ですが （英国ネコまみれ紀行、スコットランドふらふら紀行など） 今回初にお目見えする銅版画家の松本里美さんは 銅版画家でいらっしゃりながら、 ミュージシャンでもいらっしゃる多才なお方 松本さんのご紹介に関しましては私もついつい引き込まれてしまった彼女ご自身のサイトをご案内いたします 松本里美さんのホームページ こちらからこの本のもっとも重要なそれぞれの食べ物から ユニークであり、 且つ表紙のお茶会の1枚にも先ずは目が惹かれることから 彼女の創る「英国」にも注目です そして、この１冊の様々なメイキングエピソードや 私自身は参加できなかった彼女達の出版記念パーティーの模様が紹介され、 冬の嵐のように大雨の当日だったにも関わらず そのパーティーの楽しい雰囲気が伝わってきます 　　　 私自身、すでに最も英国の呼び名でポピュラーとされている 「クリスプス」が何者か？ 98年のホームスティ生活で遅まきながら初めて知ったこと・・・・ パブでのおつまみではきっとNO.1の人気を誇るクリスプス 若い大人数へのおみやげにも私自身には欠かせないアイテムです （種類も豊富　 但し、かさばり、崩れやすいのが難ですが・・ 上手に持参すれば軽くて安いのでオフィス内でのお土産には結構喜ばれます） どうぞ、食べることに興味のある方だけでなく ちょっとしたお土産に困ったら、 こちらの1冊でご紹介されている食べ物をご持参いただくことも検討されてみてはいかがでしょう 愉しい、受けるお土産グッズになること請け合いです　 そして、その地に伺うことのできる旅する方々には 是非お一つでも多く“英国のあやしい味”の体験をお薦めしたいです もちろん！私も次回は早速トライしてみたい食べ物に今から意欲が沸いてきています

＊我が国の三大？不思議味　昆布・ひじき・さきいか

こちらのページに関しては、全て私の独断になります
お読みになっていただいた後のご感想は、
皆様それぞれに感じることに相違があるかと思います
少しでもお楽しみいただけたら幸いです　　

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