今月のお薦め本





〜2009年 3月〜

                                                         
  春1番!
英国では今月に入った途端“春!”と自然が叫ぶように
次々と木々の花も丘に根付く花もお庭の芝の間からも
それこそぽこぽこと咲き始めます

そんなことを知ったのは以前初めて英語学校に通うことになった
南西部での小さな街での滞在が
3月第一週目から始まった生活から気づいたことでした

ミモザがこぼれるように木から咲いているのを初めて見たのも
(それまではお花屋さんでしか見たことがなかった)
滞在した家から学校まで曲がる小道の
通学路途中のお宅の庭からでした

ゴルフ場沿いの小道からラッパ水仙が
群れのように群生した様子も見事でしたし、
桜の花が濃いピンクなのを知ったのも
スノードロップがじゅうたんのように途切れることなく咲き、
クロッカスも水栽培ではなく丘に咲く様子も初めて見ました

そんな英国の春は今この時です

あの風景を思い浮かべる時・・・それに付随して頭を過ぎるのが
“R”の発音が出来なくて
スティ先のお母さんジェニーから練習しながら学校へ行きなさい!と
怒られた記憶も一緒についてくる・・という・・・
情けない自分も思い出されます

   


皆様はどんな英国の春を想像されるでしょう

一時の短いこの時期を旅できる日を夢見つつ
そのときのために少しでもご参考になりそうな本のご紹介です

ご一緒に楽しんでいただければ何よりです







【ロンドン A to Z】







楠 まき著 鰹レ伝社 ¥1,800+税 2008年7月初版





女の子の本だな〜が第一印象でした

著者の楠まきさんは巻末のご紹介を見ると
〜漫画家 お茶の水女子大学哲学科中退
2001年頃からロンドンと東京の二都暮らし・・〜

厚さ1cmほどのこの1冊は
ところどころに著者の本業である
個性的な女の子のイラストが描かれていて
ただ“可愛い”だけではない
ピリッとしたスパイスのように利いています

ロンドンと東京との両方暮らしは
ロンドンについての旅において通常のガイドブックでは見落としてしまいそうな
そんな魅力を伝えてくれるに違いない!という予想が的中する・・
そんな素敵な情報も満載です

タイトル通りロンドンでAから始まる場所の情報と
はっとするようなその場所の写真が沢山散りばめられた、
決してうまい写真!とは言えないものもあるかもしれませんが
そんな1枚1枚が友人の旅の記憶のような
その時々を言葉よりも明確に伝えてくれています

“住む”ということはその場所の1倍良い季節だけではなく
寒くて薄暗い日もあり、ジメジメとした日ももちろんあり・・・
そんな日があるから晴れる日は事の外
嬉しくなる気持ちが伝わってくるような・・・そんな素直な気持ちも
この書面からは伝わってきます




特に始まりの“A”は
昨年行ったばかりのマーケットがある
「Angel」
アンティークマーケットとしても有名なカムデン・パッセージのある地区です

以前よりロンドンの中でもおしゃれな地区として
数年前から日本のガイドブックでも珍しくなくなった場所です

“Angel-天使”という女性が大好きな単語
可愛くてちょっぴりでPosh

そんな単語を名に持つこの街は
著者がこの地区に約1年半も住まった場所でもあり
今まで紹介されてきたAngelが
もう1度行ってみたくなるのには
この本で紹介されているショップや場所が
そこここに溢れているのです

1章にはせいぜい3ページ余り
その中には写真も沢山掲載されているのに
少ない文章の中にはメモを思わず取ってしまう
行ってみたくなる古き良きロンドン風のカフェや
新しい美味しい英国の代表とも言えるチョコレートショップ

あーまた行きたいなーAngel

次の“B”も私のお気に入り

“Baker street,Borough market and British museum”

中でもBorougt maeketはロンドンのマーケットの中でも
3本の指に入るくらい大好きです

美味しいものが宝の山の如くぎっしりと詰まった場所
マーケットだから威勢も良くて
元気になれる場所のひとつです
そして、ロンドナーが嬉しそうに美味しいものたちに
顔がほころんでいるのを見るのも好きです!

続く“C”は“Columbia road”

こちらも同じくマーケットのある通りの名前
お花のこのマーケットが立つこの通りは小さなながらも
素通りできない素敵なショップの宝庫でもあります

ロンドンに住んでいる特権の一つに
このお花のマーケットで思う存分好きなお花や球根、
花の種と買えることだと思う・・
残念ながら旅行者には眺めるだけ・・と思いがちですが
そんなことはなく“マーケット”に参加することはできると思っています

初めてこのマーケットを訪れた時
切り花はお宿へのお土産になるけれど・・・
やっぱり沢山あって来年どんな花が咲くかの写真がついている球根や種は
何となくわくわくして素通りできません

お自身のお土産にしても良いし、
ガーデン好きな友人へのお土産になるし・・・
小さなお買い物なので持ち運びに楽です

しかし、本書ではあくまでもこのマーケット紹介ではなく、
マーケットが開かれる日曜日のみ開店するという
この通りでの小さなショップのご紹介です

ついついマーケットに目が行ってしまうけれど
お花だけではない案内に次回はついつい大きく見ようと思ってしまいました

そんな調子でまだまだ知らなかったロンドンの小さな通り、
イベントや散策がぎゅっと詰まっています

最後の方“Y”だけはロンドンから列車で約2時間の中世の街
YORKのご紹介

城壁に囲まれた小さな地方都市であるこの街は
英国屈指の大聖堂
ヨークミンスターを目玉に鉄道博物館あり
(ここには日本の新幹線の展示もあります)、
城壁の上を歩くことも出来、
中世の当時そのまま残している通称“肉屋通り”シャンブルズあり、
そして、著者が「ボーナスポイント」としてあげているのが
このヨークシャーにしか店舗を持たない国内でも有名なティールーム
“Bettys”

私はまだ行って事がないけれど
英国好きな友人は渡英したら必ずこのBettysでのお茶を外したことがない、というくらい
素敵なティールームがあります

ではロンドンのスーパーマーケットでも手に入るようになったけれど
“Yorkshier tea”の美味しいお茶をいただけるのは
以前はこのティールームでの特権でした


最後の“Z”はやっぱりLondon Zoo
リージェントパーク内のこの動物園へは
結構旅行者も訪れることが多いと思います
(こちらも私はまだ行ったことがありませんが・・・)

著者は以前こちらを訪れた時
家猫が日本風のコタツを置いた檻の中に居たと・・・

まさか普通の家猫(ぶちとか三毛なのでしょうか・・・?)が
猫科として居たこと自体
英国では普通なのか・・?
はたまたロンドンでのジョークなのか・・?

残念ながらそれを再度確かめに行った際は
その囲いが見つけられなかった、とあるけれど
私はこれを読んで次回は真っ先に確認に行こう!と思いました





ロンドンでの短いご滞在でこの1冊を元に歩いたら
さぞかし実の詰まった旅ができそうだ!とつくづく最後のZでそう思いました

いかがでしょうか・・・?



        


    こちらのページに関しては、全て私の独断になります
      お読みになっていただいた後のご感想は、
       皆様それぞれに感じることに相違があるかと思いますが
          少しでもお楽しみいただけたら幸いです
  

        


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