今月のお薦め本

  



  〜2009年 6月〜

  今月の前半ロンドンのお天気はものすごく好調で
  電話を掛けるたびに聞こえる答えは“Lovry !”
でした

  しかし中盤は一転して
  “めっちゃ!寒いわ〜

  日本は今、梅雨で毎日蒸してるでーと答えると・・
  “・・・それは嫌・・・”

  旅はその日のお天気に大きく左右されるものですが、
  私達の国と大きく違うのは
  やっぱり“湿気”と“乾燥”

  以前6月にこの国を何度か訪れた時に
  Bootsへ駆け込み最もお世話になったのが
  「保湿グッズ」
  冬のみに手放せないはずのリップクリームや乳液ローションが
  この国では今が1番の必需品!

   

  現在はまたまたお天気の『良い6月』になりつつあるそうです

  是非女性の皆様にはこのご自身に合った保湿グッズをお持ちいただくようお薦めします

  私も我が街市長さんだった“某マツモトキヨシ”であれこれ選んで
  今すぐにでもこの湿気地獄から抜け出したい!

  今月もそんな辛い時期を一時でもさわやかな気分にさせてくれる1冊のご紹介です
  どうぞ、一緒に楽しんでいただければ幸いです

  


  





【鉄道でめぐる 英国・自然派ホリデー】

〜GREEN HOLIDAY BY RAIL〜

鉄道でめぐる 英国・自然派ホリデー



石井 理恵子・横山 明美 著 叶V紀元社 ¥1,600+税 2009年2月初版





おなじみの石井理恵子さんの新作本です!
今回も前書『2度目からのロンドン・ガイド』で共著だった
ロンドン在中20余年の横山明美さんとの1冊です
そして、随所に現れるイラストはミュージシャンでもあり、
銅版画作家でもある松本里美さんの絵はとっても粋!で
お二方の御本に、もうなくてはならない存在にも見受けられます

表紙からも“動物大好き皆さん”の御本と解るように
英国で大事にされ、
普通に共に生きている彼らの可愛らしい写真の中を
鉄道線路と保存列車が描かれています
そんな表からも何やら顔が緩んでしまう・・・
特に私はロバが好き
右下のロバの表情に無条件に笑ってしまいます・・・(^.^)

と、まあ表紙も然ることながら
今回は今!正に時代は『ECO』
その代表格としても旅の移動には公共交通手段の
『鉄道利用』
今まで車でしかいけないと思っていた英国内の超穴場を
海外旅行者に“優しい”鉄道パスを利用して
自然を楽しむ様々なツアーをご紹介しています

これからの季節にはもってこいの
『自然派ホリデー』

友人同士、ご家族での旅・・そして私のように一人旅でも肩張らず
のんびり英国の緑溢れる自然を満喫できる旅は
この1冊から始められるかもしれません

今まで行くことが難しいと思って諦めていた
“ここも!”・・“あそこも!”・・行けるんですね〜

先ずはタイトルの英国・自然派ホリデーマップから始まり、
英国・鉄道ガイダンス、英国・自然派キーワードと
この3つの説明から、いよいよ目的場所を国ごとにご紹介
(イングランド、ウェールズ、スコットランド、マン島、最後はロンドン)

旅を始める前の準備として
マップの次ぎのガイダンスはとても解りやすく説明をしてくれています

当日思いたったら・・事前のインターネット販売(これは通常料金よりも格安)、
そして、最も需要の多い鉄道パス、
ご質問の多いロンドン滞在では手離せないオイスターパスの利用法、
日本にはないネット早割り(簡単に言うと)の利用法・・と
ポイントのみを解りやすくまとめての案内には感服の至りです
是非この章だけは絶対に読み込んで!とお薦めします





さて、本書はイングランド最初のご紹介は人気のコッツウォルドから

私自身も車を使わずに行ってみたい場所としてはNo.1!

車を利用すれば楽に広範囲に渡って楽しめる場所としても判っているのだけれど
如何せん!その重要な車が使えない・・
だから、公共交通手段利用で毎回挑戦しています

数少ない鉄道駅を利用して、地元バスを乗りついで・・・
この“地元バス”のタイムテーブルを見ると
日本で日頃考えているバスの本数より極端に少ないため
時々二の足を踏んでしまいます

しかし!本書には最寄り駅までお迎えに来てくれる
ファームハウスのご紹介やバスを利用して比較的楽に向かうことの出来る
小さな村々を美しい写真で紹介してくれています

そして、このコッツウォルズでは当たり前なのかもしれませんが、
近年大流行の“オーガニックショップ”が満載!
数年前から日本の輸入食材店にも見せ始めた
チャールズ皇太子オーガニック農園直営店の品物も様子も伺えます
今、私の中では行ってみたいぞ!このショップ!の
上位に位置している場所だけに
この案内は嬉しい

そして、イングランドでは第2の故郷と思っている
“うさぎの足”に当たる英国南西部からはコーンウォール州(&周辺)

何度訪れても新しい発見とまた絶対来たいーーっと思わせてくれる
小さな海辺の街、芸術家の街でもある
「セント・アイヴス」や
ガーデニング王国の英国誇る「エデン・プロジェクト」や
州最大の公開ガーデン、セレブシェフの小さな魚村・・・

今の季節だったら美しい海岸線を走る車窓からの景色も楽しめる場所としても
この地区の見所を案内してくれています

セント・アイヴスでは以前滞在した
B&Bのご夫婦ご推薦のティールームも紹介されていて・・とっても懐かしい!
そんな素敵な隠れ家的なショップやお宿の紹介と盛りだくさん

保存鉄道のボランティア・スタッフや
怪我をしたアザラシの保護活動する施設なども
訪れたり、見学することによって
一時の旅人でもその活動に参加可能な方法が実践できたら・・
旅の楽しみも増幅するというものです





ロンドン近郊の楽しみ方は一味違う場所・・
その中でも異色だったのはLuton/ルートンの
Whipsnade Zoo/ウィプスネード動物園
何とヨーロッパ最大級の野生動物保護公園

ルートンと言えばロンドン内での空港としてもよく名を聞く場所でもあります

さすがに動物保護については最先端国でもある英国
本書でも随所に紹介されている動物達の保護施設の中でも最も規模が大きく!
まさかこんなロンドン近郊で野生のチーターが見られる場所があるなんて!!

子供の頃夢中になって読んだ“野生のエルザ”の著者でもある
ジョイ・アダムソン女史が
エルザの次ぎにわが子のように育てた野生のチーター“ピッパ”

“いとしのピッパ”の本から初めて知った
本当に生き抜くことが同じ猫科の中でも最も難しい・・
生き物の中でも上位のトップランナーでもある美しいチーター

ここでは過去40年間に130匹も生まれたとのこと
もうー絶対行きたくなりました!



その他ロンドンでは
松本さんの銅版画が素敵なポイントになっている
ちょっとコラム風の
London eco&organic shop guide
チャリティショップ、オーガニック・スーパー・マーケット、
ファーマーズ・マーケット、ヴェジタリアン・レストラン、エコ派・セレブのショップ案内など
遠出をしなくともロンドン市内で楽しめる情報も嬉しい!

特にまだまだオーガニック専門スーパーマーケットは日本では数少なく
この機会にお土産含めどんな食べ物がどんな風に売られているのかを知りたくて
次ぎのスーパー・マーケットめぐりは「ここだなー」と思いました





そして、本書の3分の1占めるのは
“我が谷は緑なりき”のウェールズ、
誇り高き北の国スコットランド、
うさぎの国のおなか辺りに位置するマン島のご紹介

ウェールズは保存鉄道こと懐かしき蒸気機関車の故郷
緑の谷間を黒い煙を吐き、進む機関車が最も似合う国
ここでは珍しいECOのテーマパークをご紹介しています
子供から大人まで楽しめる施設で
特に未来ある子供達には
遊びながら環境保護を体験し、時には考える場に出来上がっています
ただただ楽しむだけでなく
施設の電力はグリーン電力利用、
食事は全てベジタリアン、エコロジー関連の書物や
廃材利用の大型遊戯施設やリサイクル資材を使った雑貨など・・・
そして、徒歩でも向かえるくらい近い場所に緑たっぷりの
18世紀に建てられたお屋敷のお宿もあります
お庭の散策だけでも子一時間はかかるそうな・・
この館での滞在はのんびりと寛いだ休日を過ごせそうです

北のスコットランドでは
同じ“緑”でも色が深く、そして荒々しい風景の中に点在してます
そんな中を走る鉄道での旅は私の最も好きな場所

イングランド、ウェールズとは同じ島の中でも
まったく違った風景を目にすることができ
初めてそれを車窓から見た時から目が離せなくなりました

しかし、如何せん・・ロンドンから向かう時は遠い・・・
だから、本書でも紹介している“夜行寝台列車”での移動も今まで数知れず
でも、可能であれば昼間この国での列車移動は
車窓の眺めと共にとても貴重な旅になります

この国でもやはり保存列車の蒸気機関車が人気です
季節列車でもあるので
これからのシーズンが最もピーク!
子供のみならず大人までもがこの列車の乗るために並ぶ顔は
年齢問わず、皆さんうきうき顔です

また、大人にとってこの国は「命の水」とも言う
スコッチウィスキーの聖地

点在するウィスキー蒸留所へは鉄道を乗りつぎ
その又更に車で山奥深く・・・が多いのですが、
蒸気機関車発着駅のフォートウィリアムスの街では
その本場ウィスキーの種類を驚くほど多く揃えているショップが数多くあります

ハリー・ポッターが
魔法学校・ホグワーツへ向かう列車の撮影は
この街から出る
歴史上忘れられない戦いの名を持つ
ジャコバイト鉄道の蒸気機関車「ジャコバイト号」

風光明媚な自然一杯の島・スカイ島へ渡るフェリーの出る街
マレイグまでを結んでいます

可能であればこの蒸気機関車に乗り、マレイグまで進み、
フェリーでスカイ島へ渡って、
この島での滞在が私的にはお薦めのルートです!


最後はマン島のご紹介です

この島はイングランド島とアイルランド島に挟まれた場所に位置し、
英国文化、アイルランド文化、ヴァイキング文化がエッセンスされた島

島へはリヴァプールからのフェリー、
国内各空港からのエアー利用と英国本土の周りの島の中でも
交通網は発達しているように思います

鉄道も島の東側からは何本か枝分かれして鉄道が引かれ
首都ダグラスでは昔から続く馬車鉄道が利用されています

元々フェリーの波止場に到着するお客さんと荷物を
プロムナード沿いのホテルへ搬送するための馬車鉄道であったそうで
開業は1876年の現存する最古のものだそうです

現在は本土からのシー・ターミナルから
マンクス電気鉄道の乗り場約2マイルを大きな馬が客車を引いてくれます

そんな働く馬の様子やこの島ならではのマンクスキャットの紹介など
石井さんらしい本の内容に思わず気持ちがほっこりします




巻末には本書のご紹介したそれぞれの場所のショップや施設の案内が
改めて詳しくスポットデータとして載せられています

ガイドブックとしてこれ程の資料はありません
これ1冊で今までにない英国の旅が体験できそうです

また、旅の予定がなくとも本書の数多い写真と動物達で
日頃の癒し効果も抜群だと・・・
(動物好きにはたまらない写真満載!)
・・きっとそう感じるのは私だけではないはずです


  




  



     こちらのページに関しては、全て私の独断になります
  お読みになっていただいた後のご感想は、
  皆様それぞれに感じることに相違があるかと思いますが
  少しでもお楽しみいただけたら幸いです
  

  


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