今月のお薦め本

  



  〜2009年 11月・12月〜

早いもので2009年も残りわずかとなりました

1年が本当にあっと言う間に過ぎていきます
旅行業界のみなら全世界中が2008年10月のリーマンショック以来
様々な困難に現在立ち向かっている最中ですが、
それでもこの時期になると何故かうきうきしてくるのは
クリスマスの街の華やかさと
来年新しい年への期待が徐々に高まったくるからだと思います

そして、その後に来るのが暖かい“春”
その“春”は楽しみでもあり、好きなことが後に控えている・・という期待感にも通じます

まだまだその前の困難を乗り越えるが如くの
“真冬”が控えていますが、
どうぞ、皆様のご健康を祈りつつ・・・・
来るべき“春=旅”に備え、
今月ご紹介の1冊が一つの指針になれば嬉しい限りです





 



【英国男子制服コレクション】



英国男子制服コレクション




石井 理恵子/横山 明美 著 叶V紀元社 ¥1,600+税 2009年8月初版






お馴染みの石井理恵子さん&横山明美さんの共作でもある
英国旅には欠かせない「英国本」の新作です

しかし、今回のタイトルだけを見た時に
真っ先に頭に思い浮かんだのは・・・
1984年公開の英国男子満載の「アナザー・カントリー」
当時女子だった私達には絶大な、ある意味ショッキングな1作でもありました
・・・なんて英国男子学生ってかっこいいんだろう・・・




主役のルパート・エヴァレットの賢そうでありながら
絶対に手の届きそうにもない崇高な雰囲気と
“男子校”というまったく手の届かない閉ざされた世界に
何度観ても飽きなかったこの1本の映画


懐かしい気持ちが思わず思い起こされるようでした





しかし、本書の表紙はそれを大きく上回る本当に本当の意味でも
“制服”

我が国でも制服と言えば
セーラー服、という懐かしい我が母校のスタイルも思い浮かびますが、
本書はロンドン観光の目玉の一つでもある
女王陛下のお膝元
バッキンガム宮殿前の衛兵交代儀式の兵隊さん、
騎馬警官、ロンドン塔で見かけるビーフィーターさん
そして、中央な初めて見る修道士のような男子
これが英国の制服か・・・?というスタイルのものも数多く・・


思い起こせば英国を旅して気づかない内
この国に対して何度も訪れてしまうのは
何時しか我が国の文化生活とはまったく違う一種の憧れを持った要因の一つに
この英国制服の魅力に取り付かれているのではないか・・?と
改めて思い返してしまうのは
きっと私だけではないはず・・・

さあ、様々な懐かしい気持ちも込めてのこの1冊は
今後旅をするにも参考にもなるのでは?という
面白い初めてのタイプの英国本です




前出のもう25年も前の映画“アナザー・カントリー”も
まるで昨日観たが如くありありとその情景が思い浮かぶのも
私達の周りでは絶対にありえない
「名門全寮制寄宿学校」での生活においての
その生徒達のファッションに思わず溜息をつくほどの格好良さ

その当時我が国の男子の制服で1番多いのは
詰襟金ボタン
・・・決してこれが悪い!というのではなく
版で押したような同じ型と着こなし(?)ようのないタイプ
(確かに“学ラン”っていろんなように着ていましたが、
一般男子学生には
金ボタンかラインかの違いくらいしかなかったようにも思います
短ラン、長ランなんて持ってのほか!!問題外です)

今でもこそブレザータイプが多くなりましたが、
当時としてはこの異国の学生達の制服には
その新鮮さに目が離せませんでした






話が大きく逸れましたが、
そのくらい私達アラフォー世代(?)は
その1本の映画からある種の英国文化を学んだ!と言っても過言ではありません

そんなうきうきするような本は今までにはなかった!
そんな1冊を作ってくださった著者のお二人には
大きな拍手を心の中から送ってしまいました




さて、著者のお二人は何故この“制服”の1冊を作ったのか・・?

その理由はやはり英国通のおふたりならでは!
現在世界各国に当たり前のようにある
この制服の発祥は何と、英国

それはスポーツであったり、学校であったり、
各種制服発祥の国、ということで
普段はまったく“あって当たり前の制服”について
とあるテレビのドキュメンタリー番組から思いついた、とのこと

それは、舞台が英国の古いパブリック・スクール
その学校の生徒達の制服が
何時の時代から続いているのか、解らないほど現代には在りえないようなスタイル

それが、表紙の中央にある修道士のような服を纏った生徒達だったそうです

その服を来た学校を調べるうちにその制服の謂れも調べていくうちに
他の学校の制服、生活の中で当たり前のように目につく制服・・と
範囲が広がってこの1冊が出来上がり!

随所にこちらもお二人の1冊にはすでに欠かせなくなっている
銅版画家・イラストレーターである
松本里美さんの最新イラストも見所の一つです

見ても楽しい!読んでロンドン観光へ出かけるのもお薦めですし、
何よりも本物が偶然にも見られる確率高し!
(天然記念物の見学ツアーではないので・・・予め・・・)
ちょっとした前知識を蓄えるだけで
今まで何の気なしに見ていた風景が大きく膨らみますこと、請け合いです!





さて、本書の内容は
大きな2つの分れになっています

先ずはChapter1は
写真で見る制服の数々
パブリックスクールの制服、英国軍の制服、スポーツのユニフォーム、
その他の制服、そして・・ご紹介している制服を見るにはどうしたら良いのか・・?・・・に
5つのコンテンツになります

そして、Chapter2は、
イラストで制服の解説をしています
そのイラスト担当が松本さん
写真では解りづらい部分を解りやすく解きほぐしてくれています

必見は普段では決して見ることができない姿は
英国誇る男子、ロイヤルファミリーのご兄弟
あの、プリンス・ウィリアムとヘンリーのお二人の学生服姿と軍服姿

これはもう必見です

特にヘンリー王子のイートン・コレッジの制服姿は
きっと同じような同級生に囲まれていたら
絶対に王子とは気づかないくらいの自然体
(そのくらいこの学校で過ごす学生達の制服度は
やはり現代でも生き残る“階級”というものを感じざるを得ません
まだまだ映画の世界は存在するのかも・・・と夢見てしまいます・・・)

また、逆に軍服姿のウィリアム王子は
同じような姿の軍隊の中でも一際目立ちそう・・・

やはり時折タブロイドやスポーツ紙でお見かけする姿とはまったく別物

また、ロンドンを歩いていて目に入らない時がなく、
まだまだ旅初心者であった頃(今もそうですが・・・)より続く
おまわりさんの格好良さに何度シャッターを切らせてもらったことか・・
その彼らの制服も「その他の制服」でご紹介されています
この説明から次回はロンドン市警察なのか、
はたまたロンドン首都警察なのか、が区別できそうです


そんな愉しいウォッチングをするための
案内やマップも掲載されています

もう一つの旅の楽しみかたとして
本書をひも解いて出かけるのも良し、
これからの冬の過ごし方の一つに目に嬉しい保養の一つにも良し・・

思わずほっこりできるお薦め本です
















こちらのページに関しては、全て私の独断になります
  お読みになっていただいた後のご感想は、
  皆様それぞれに感じることに相違があるかと思いますが
  少しでもお楽しみいただけたら幸いです
  



  





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