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〜2010年 10月〜
英国の秋はとても短く、
実際は9月下旬からこの10月一杯
街中が“Halloween”のかぼちゃが出始めて、
片付けられる一時
この期間のみ
かろうじて街路樹の葉が黄葉して
落ちる前の一時
本当に英国の秋は一瞬にて輝いて、
そして・・1年で最も長く感じられる冬へと向かっていることが
一刻一刻と感じられます

しかし、私達の国ではこの季節には
様々な楽しみ方があり
中でも最も多いのは何と言っても
「食欲の秋」
そして、「読書の秋」
そんなの“秋”でなくとも本が好き!とおっしゃる方々も多いことと思いますが、
徐々に陽も短くなり、
家での楽しみ方へも自然の後押しに
どうしてもインドア派へと移行していきます
そんな時もいつ何時旅に出るチャンスが訪れるとも限りません
今月も手に取って愉しい時間を過ごした1冊が
皆様にとっても同じように感じていただければ嬉しいです![]()
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【イギリスへ行きたい!】

片岡 れいこ 著 発行元 メイツ出版 ¥1,500+税 2008年3月初版
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そのものずばり!
タイトル通りの本はある意味インパクトがあり、
素直に“すとん”と体の中に入り込む・・
そして、全編イラストで綴られたこの1冊は
正しく旅の“絵本”&“ガイドブック”
どのページをめくっても元気のある紙面が飛び込んできます!
そんな1冊を作り出した著者の片岡れいこさんは
京都ご出身
京都市立芸術大学時述部版画専攻
失礼ながら初めてのこの本書を手にしたので
いつものように著者紹介から見てしまいました
最後巻末のご紹介を見ると
とても多彩な方でそのご経歴は・・と、
〜 現在、版画家、イラストレーター、デザイナーとして活動
・・中略・・1999年音楽ではベーシストとしてCDをリリース、
2004年まで「劇団ひかり」所属。ヨガ講師・・・〜
などなど・・様々な活動と著作本を拝見すると
「カナダへ行きたい!」・・まあ。これは解る・・・
「みんなが知りたい!世界の大発見がわる本」・・まあ、これも・・
「京都・滋賀子育てガイド」・・・??
ここまでくると
この著者の幅広い活動にただただ驚いてしまいました
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そんな片岡さんのイギリス個人旅行の旅本は
全編イラストで綴られた1冊です
どんな旅のご紹介をしているのでしょう![]()

先ずは旅本の“お約束”とも言うべき
お国のご紹介
「イギリスという国」からスタート
「ロンドン」、「ロンドンから足をのばして」、「湖水地方」、
「スコットランド」、「イギリスの鉄道」、「旅のおみやげ」、「旅のエピソード」
本というのは、“白いページ”という
私達の目には当たり前と思うこのカラーが
最初のページから薄いベージュ色
UKの大きな地図へ旅のルートマップが描きこまれ、
鉄道、バス(及びタクシー)を利用しての移動方法も見やすく
著者の訪れた街、場所が一目で解るようになっています

手描きでびっしりと書き込まれた
その1ページには先ずは“旅の持ち物”と
その“ルートマップ”
特に旅の持ち物には
実際個人旅行には欠かせない
“帽子忘れても傘忘れるな”
“服装”という大事なツボはしっかりとご紹介
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また旅を始めてすぐの時に
ロンドンの街中で余り傘を差さない人々を見て
“必要ないわ〜”と思い、
フードつきのコートのみで済ませた冬の旅では激しく後悔した
苦い思い出があります・・・![]()
これからの季節、特に冬はロンドンは雨、雪多し!
それから、小さな傘を必ず荷物の隅に入れるようになりました![]()
“服装”は持ち物の中でも1番考えます
いつも詰め直した後も延々と・・これでいいんだろうか・・・?
いやーこうなったら、あれも持っていかなくっちゃー![]()
機内は寒いだろうな・・でも、日本ってまだ暑いんだよねー
そして、実際に行ってみて・・未だ満足しことはありません・・・
手描きの地図に描かれた著者の辿ったルートは
これからご紹介する場所への前章
そうして、本章への期待ががっつりと膨らんでいくのです![]()
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やっぱりスタートはロンドン!
この街の散策なくして英国の旅は始まりません
この街を地元のように歩くために欠かせないのは
交通網を使いこなすこと
そして、どうしても使わなくてはならなくなる時もある
Black Cab(タクシー)
以前はその名の通り全て黒色のオースティンでしたが
現在はその大きな車体に様々なイラストやロゴが彩り
とてもカラフルな乗り物となっています
地下鉄、バス、そして、時にはタクシー&己の足!
ロンドンの街で外せないお馴染みの観光地
ビックベン、ウェストミンスター寺院、ロンドン塔、タワーブリッジ、
女王陛下のお膝元バッキンガム宮殿、テムズ河クルーズ、セントポール大聖堂へと
向かってみましょう
実は私もこの“外せない観光地”セントポール寺院は
はるか彼方から見る眺望しか見たことがないので
先日DVDで見た「メリー・ポピンズ」から
この寺院の階段で
鳥達のために2ペンスでえさを売るおばあさんはいるそうな・・・
次回の旅では行ってみよう!と思っています
(その2ペンスのえさ絡みでバンクスさんは職を追われてしまいます)

セント・ポール寺院全景 サイトより
実は上記の観光名所はなんとテームズ河に沿っていくと
全て見ることができます
そして、そのテームズ河沿いにはまだまだ見所が満載!
1度は見てみたいシェイクスピア・グローブシアターや
高所恐怖症のため絶対にここだけは駄目!という
BAロンドンアイ(観覧車)や元水力発電所であったテート・モダンなどなど・・
イラストで表示されているとマップのように全体像が見えてきます
“大英博物館へ行こう!”
これだけは見ようよ!とばかりにガイドさんもお薦め!の
ロゼッタ・ストーン、ラムセス2世の胸像やエジプトのミイラなど
そして、ピカデリー、トラファルガースクエア、ヴィクトリア周辺の見所も・・
特にヴィクトリア周辺は毎回訪れるミセス・ハリガン宅滞在には欠かせない場所
この界隈でのお薦めレストラン情報は嬉しい![]()
ついつい情報収集もはずみます

「ロンドン近郊」ではいろんなタイプの街が紹介されていますが、
グリニッジ、ドーヴァー、カンタベリー、プー・カントリー、
シシングハースト城ガーデン、ライ、ウィンチェスター、スト-ンヘンジ、
バース、オックスフォード、ストラッド・フォード・アポン・エイヴォン、
そして・・コッツウォルズの小さな村々へと続きます
1ページごとに著者が訪れた街の様子が案内されていますが、
細かな場所に食べどころや雑貨ショップなどの紹介もあり、
私はこんな小さなコラムがとても好きです![]()

また、街の小さなマップ付き(イラスト)もありますので、
周る目安になって
とっても便利!
人気のコッツウォルズでは
効率良くヒースロー空港到着後にコーチ(長距離バス)を利用して
チッぺナムまで行き、
そこを基点に小さな村を訪れています
そんな方法も良いな〜と思いました
その後はロンドンから観光ツアーバスを利用して
1日で4つの村を回って行くツアーを利用しています
私自身余りこのようなバスツアーを利用したことはないのですが、
コッツウォルズのように自分の車がない旅行者にとっては
(又は運転の出来ない旅人にとっても!)
内容は全て自由行動なので
一種の交通手段と考えると、とても利用価値があるのだな・・と
今更ながら感心しました
■日本でも予約可能ツアー会社
コッツウォルズ同様に人気の湖水地方もはやり車があった方が便利
しかし、ここでは昔ながらのバスもあるし・・
何よりも自転車でも幾つかの街への移動も可能です
そして、何と言ってもお勧めシーズンは春から夏!
残念ながらこれからの季節にはちょっと訪れるのは・・と思いますが、
以前9月中旬に向かったウィンダミアの街々は
すでに黄葉の美しい風景でした
観光客の居ない湖水は静かで水も満々・・
小さなB&Bではすでに夜はヒーターが入っていましたが
鉄道、バスがある限り静かな違う1面を見せてくれるかもしれません

そして、最後の旅は北の国
スコットランドのエディンバラと“ネッシー”のインヴァネス
実はロンドンと同じくらい大好きな街の一つです
冬のエディンバラは本tのうに心底寒いけれど・・
しかし、その分黒い煤けたような色合いのオールドタウンの街並みは
中世から時が止まっているようにも思えてくるから不思議です
オールドタウンとニュータウンはエディンバラの鉄道玄関口
ウェバリー駅を真ん中に左右に分かれています
更に北のハイランドと呼ばれる地方は鉄道駅も少なくなってきますが、
ここでも著者は車を使わずに
エディンバラから1日バスツアーでハイランドの主要な街を見て周ることができます
■グレイライン・スコットランド

「ブリットレイル」については
安価で便利な旅する人の味方のこのパスは何度お世話になっているか、解らない・・
この国で鉄道を2日間以上利用する方には
絶対お薦めの最強の鉄道パス
日本のJRさんたち近年早割りをやっと始めてくれましたが、
鉄道発祥の国
イギリスは更に同じ線路で数社の鉄道会社が乗り入れている、という
ちょっと我が国では考えられないシステム
そのため早割り(早期予約、発券)は
各社それぞれ時間帯なども含め様々・・・
また、車内の様子も
そんな各鉄道会社の車両によっては使い方が違います
(トイレの形やドアの開け閉めなどなど・・・)
そんなところも著者は目を向けているところが面白い!
何となく見過ごしてしまいそうな車内も今後は楽しめそうです
「私の旅したとっておきの鉄道ルート」
このルートは1日乗車することになりますが、
飽きずに車窓眺めながら進めます
イギリスはオールシーズン緑の丘陵が連なります
以前パリからTGVに乗った時、
なんておフランスの車窓は見甲斐のない車窓なんだろう・・と
寝てしまったことがありました
しかし、その変哲もない土地は全て畑だったのですが、
英国は冬でも緑連なる丘の国
是非、こちらもご参考にしてみてはいかがでしょう![]()
私もお奨めします!
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そして、最後の街はそのお奨めルートで進んだ
終点の町ヨークのご紹介です
城壁に囲まれたこの古都は
いまだに中世の街並みを湛えた可愛らしい街
1日で充分見ることが出来ますが、
是非城壁の上から眺めた街並みをご覧になっていただきたいな〜と・・
おまけのような「トラベルインフォメーション」は
本書の中では文字が多いページではありますが、
その中でも多くいただくお問い合わせの一つ、
“電圧・電気”
ガイドブックでも余り見かけない、
ちょっとした案内がイラスト漫画になっています
是非ご一読を!
実はぱらぱらとめくっていた時の本書と
じっくりと腰を落ち着けて見る本書とではかなりのギャップがありました
著者の細かい隅っこに書かれた情報は
どきどきするようなものもあります![]()
この秋の夜長に読む&眺める、
そして楽しむ・・というガイドブックとしてもお奨めの1冊です
次ぎの旅に参考になる情報がいくつ出てくるか?
何度もページをめくってしまう本があると
それだけでも旅へのわくわく感は増してきます!
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1冊の本から旅が数段にも広がることがあります
それは個々それぞれに感じることも違うことだと思っています
それでもほんのちょっぴりご紹介している本が
何かのきっかけになれば
こんなに嬉しいことはありません
ご意見、ご感想をお待ちしております

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